Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『生き抜く力を身につける』

2024-07-19 20:30:31 | 読書。
読書。
『生き抜く力を身につける』 桐光学園+ちくまプリマー編集部・編
を読んだ。

本書は、シリーズ<中学生からの大学講義>第5巻にあたります。神奈川県にある私立桐光学園の中学生が、さまざまな学者、研究者、知識人の人たちから受けた講義を収録した内容です。

タイトルをそのまま信じると、なんだか「サバイバル能力」についてさまざまな角度からの示唆が得られるのではないかと思ってしまいましたが、実際に読んでみるとそこまでストレートかつシンプルではありませんでした。それぞれの講師役が、それぞれの得意分野の視座から見たこの世界を語っている。聴衆の中学生、そして読者にとって、経験したことのない新たな「世界の見え方」を体験させてくれるような中身です。

講師役は7人。大澤真幸さん、北田暁大さん、多木浩二さん、宮沢章夫さん、阿形清和さん、鵜飼哲さん、西谷修さんの順で収録されています。講義が行われた時系列は順不同です。

まず、大澤真幸さんが自由について講義されていますが、これが僕にとってはもっとも知的興奮が得られた内容でした。人の名前の大切さを、孤児院から引き取られてそれまでと別の名前で呼ばれ出したことで知性の発達が遅れてしまった子どもを引き合いにだしながら、「存在」というものを哲学していきます。そして、他者からの承認が得られることが「自由の条件」であることを解き明かしていく。その道筋を、講師から教え諭されるというよりは、共にその道を歩みながら学ぶ、というような話しぶりなので、おもしろいんです。

他の講義では、キャプテン・クックの話、地図の話、世代によってその若い時代というものは違うという話、イモリやプラナリアの再生能力の話、グローバリゼーションの話、コミュニケーションのありかたの話が展開されています。

やっぱり、僕が本書を読む前に望んでいた「サバイバル」というものについて直結する話はなかったのですが、サバイバルすること、つまり「生き抜く力」は、広くしぶとく考え抜く能力が必要でしょうから、そういった意味では、頭を鍛えようという気持ちにさせる内容だったと言えます。巻末に、本書へ続く4冊の広告が載っていて、それを読むと、タイトルこそ違えど、どれも「生き抜く力」を大テーマとして編まれているのではないかな、と思えました。読んでみなければわかりませんが、そういった種類のシリーズといった感じがしました。


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『エクソダス症候群』

2024-07-12 14:21:33 | 読書。
読書。
『エクソダス症候群』 宮内悠介
を読んだ。

未来の火星を舞台としながら、精神医療史を総括したうえで精神医療というものをクリアな目で見てみる試みのような性質のある小説でした。この分野の知識がない人には内容はむずかしいと思いますが、それでもすっきりとして無駄のない文体なので、すらすら読めてしまう。知識をかみ砕いて読者に伝えるワザにも長けた書き手という感じがします。

地球帰りの精神科医・カズキが働きはじめる火星の精神病院・ゾネンシュタイン。「突発性希死念慮(ISI)」と「エクソダス症候群」という、未来世界で問題となっている架空の精神疾患が物語のカギとなっています。

物語世界を築き上げるのには骨が折れそうな舞台設定なのですが、序盤からぐいぐい、そしてスマートに読者を本の中に引き込んでいく筆致でした。言うなれば「冷温な文体」で、落ち着いている。そのなかで、たびたび、突発的な動きが生まれて、そのギャップで引き込まれるところがあります。終盤にかけてはセリフ回しを巧みに使って独特の思想を露わにすることで読ませるつくりです。

宮内悠介さんははじめて読みました。第一印象として、構成力が洗練されている感じがしました。そして、社会性に優れている。社会、組織、仕組みなどをよく知っている。これはエンターテイメントを創るうえではそうとうの武器なのではないでしょうか。また、巻末の参考文献の膨大な量からしてよくわかるし、読んでいてもその中身からはっきり感じられるのだけれど、勉強量がすごい。知識量と、その処理能力がこの作家のストロングポイントなのかもしれない、まだ一作しか読んでいないのでわからなくはありますが。

ここからは気になったところを引用します。最初は、主要人物であるチャーリーのセリフから。
__________

「この病院では、貴族客が一人一ペニーで入場し、患者を見物して楽しんだそうだ。このとき、見物客は長い杖を持ちこんだ。患者を突いて興奮させるためにな」(p98)
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18世紀や19世紀の癲狂院の様子についてのところですが、こういった闇がやっぱりあるんですよね。人間の素地にはこういったところがあるので、誰しもちょっとは自分を律しないとと僕なんかには思えるのです。



次は知識としての記述のところを。
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かつて、ジェームズ・ファロンという神経科学者が、二十一世紀の初頭、自著でこんなことを明かした。自身の脳をポジトロン断層法スキャンにかけたところ、前頭葉や側頭葉の共感やモラルに関係する部位の活性状態が低く、典型的なサイコパスの脳であることが判明したというのだ。(p253)
__________

この科学者は、それでも自分は暴力などを働いたことがないし、社会順応したサイコパスだと結論したようです。それはそれだとしても、この引用部分にあるように、自制がきかないなど、前頭葉が弱いなあと思える人っています。また、自分本位で共感性が見られないなあと思える人もいるものです。たとえその人がサイコパスではなくても、老化によってこのような状態になることがありますし、僕は「サイコパス様症状」と口には出さずに考えることがあるんですが、そういったところと符合する部分でした。



最後、おまけですが、途中に朝鮮朝顔がててくるんです。「ダツラ」とルビがふってあった。村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』の「ダチュラ」とつながって「ああ!」と思いました。長らくあれは創作かと思っていたんですが、違いました。本作『エクソダス症候群』は村上龍『希望の国のエクソダス』のように、エクソダスが掲げられた本ですし、リュウという頼もしい脇役が出てきたりもして、宮内さんは村上龍さんの熱心な読者だたったりしたのかも、なんてちょっとだけ頭に浮かびました。まあ、わかりませんけども。

最初の方で書いたように、本作は冷温な進み方をしますから、すごく感情を揺さぶられたり振り回されたりするのを好む人には物足りないかもしれません。しかし、淡々と物語を味わいたい人には、文体が端正ですし、知識部分についていけたならば、すーっと読めてしまうに違いありません。僕は精神医療分野にはちょっと心得があるので、ひっかかることなくおもしろく読めました。


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『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』

2024-06-30 15:10:26 | 読書。
読書。
『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』 大城太
を読んだ。

世界中に散らばり、各々の土地に住み着く中国人たち。彼らは華僑と呼ばれますが、本国に居続ける攻撃的中国人とは違い、その境遇に適応するように身に着いた守りの哲学で生きているとされます。そして、困窮する者はいない。本書はそんな華僑たちの思考法則を教わり、自らもビジネスで成功した著者による柔らかな「生き方」「儲け方」の指南書です。46項目に分けて、解説してくれています。僕としては自分の価値観や考え方の死角にあるような話で、とても興味深かったです。

華僑の人たちに特徴的なのは、商売がうまいこと。「商魂たくましい」などと評されますが、人間中心に考えながらの「経営思考」と「サバイバル思考」がそこにはあります。他国でチャイナタウンを作り上げるように、華僑である彼らはコミュニケーションを重視します。けれどもシビアさもしっかりとある。

日本人は不安に苛まれる人だらけだと思いますが、華僑は不安を抱えていない、とあとがきで述べられています。かれらは家族や仲間を大事にし、仲間意識もすごく強い。その結果、「自分には信頼できる仲間がいる」という気持ちが支えとなっているのだそうです。

では、引用を中心に、内容を少し見ていきます。



著者がどうして華僑のA師匠に弟子入りしようと考えたのか。その理由が、なかなか日本社会を言い得ています。
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どこまでも学歴や肩書きがつきまとう日本社会では、10代・20代ですでに勝負がついており、私の経歴ではどうあがいても逆転できません。でもどうしても一発逆転したい。ならばゲリラになるしかない。ゲリラが装備すべきはルール無用の中国流だ、と考えたのです。(p14)
__________

→多くの人は心理的にブレーキが働いて、なかなかこうは考えられないのではないでしょうか。世間の空気を破ってしまうから、はみ出してしまうから、と従順に適応してしまうことって多いかもしれない。そこを、端的にこう述べてもらうと、ちょっとすっきりしますし、「ではどうするか」を考える土台にもなります。とはいえ、それにしても夢のない社会だなあ、と思えてくるのですけれども、だからこそいろいろな方面で頑張る人もでてくるんですよね、苦労はしますけど。



次は、華僑の師匠の元でいろいろと失敗をしてしまった著者の弁。
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おかげで私は、貴重な失敗をたくさん経験することができました。失敗から学べというわりに失敗を許さない日本社会では、そうはいきません。(p21)
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→日本人は失敗に対する免疫力が弱いと語られるところもありました。そういった日本人の個人的な資質を作るのは、失敗に対する世間的な価値観の強さによってなのかもしれないなあ、と思ったのですが、実際はどうでしょうね。失敗から学ぶことはトライアンドエラーであり、そうやって経験を積んで向上していくものですから、失敗をつよく糾弾されることで挑戦しにくい組織または社会というのはよくないですし、子jンとしてもそういった環境がストレッサーになるでしょう。



次は、「一番自分に合ったやり方選べば一番利益が伸びる」の項での太線部分を。
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最初に教えられたやり方にこだわらず、自分に最適なやり方何かと柔軟に考えれば道は拓ける。(p71)
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→教えられた通りにやってみて、それでうまくいかなかったら、「自分には見込みがないのだろうか」だとか「自分には能力がないのではないか」だとかと考えたりするかもしれません。でも、そうではなくて、ただやり方が合わないだけです。自分に合ったやり方を見つけたり、編み出していければ、ほんとうにその分野にまったく向いていないタイプじゃなければ、大概はうまくできる、ということなんだと思います。



次は、人との距離感について。
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俗に夫婦関係は片目をつぶったほうがうまくいくと言われますが、ビジネスの人間関係も同じです。(p84)
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→価値観の違う人間同士でうまくやっていくためには、片目をつぶるような付き合いがのぞましい。価値観がいっしょだったならば、両目で見つめ合ってつきあえるけれども、そういった人ばかりの会社では、いちどうまくいかないと二の矢、三の矢が継げないと著者は述べています。二の矢、三の矢を継いでいくためにも、片目をつぶる関係の人間関係でできあがった会社のほうがいい、という考え方でした。



次は、お金に対する意識のところを。
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さて「お金は天下の回りもの」の解釈からもわかるように、日本人はお金というものをスピリチュアルにとらえる傾向があります。
一生懸命働いていればいつかは自分のところにもお金が回ってくるだろう、などと本当に真面目です。しかしそこにあるのは真面目さだけ。
お金が天から降ってくることなどあり得ません。自ら手を出してお金を得るための行動をしなければ、天下を回っているお金とは一生無縁でしょう。(p171)
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→華僑にはおごり・おごられのおごり合いの哲学があるそうです。そうやってお金を回して仲間を増やしたりします。また、投資する心理としても、お金を「回す」という意識でいるようです。けして、自然に「回る」のではないようです。そういった、ある意味でのお金へのきれいな執着が、自分にもお金が回ってくる仕組みとなっている。



といったところです。最後にふたつほどトピックを紹介して終わります。

・今でも週刊誌などの記事になっていたりしますが、2013年発刊の本書のなかですでに、「これからは中国で水が売れる」という話がありました。この頃から、中国では水道の蛇口から汚水が出るなどという水質汚濁問題は周知の事実だったらしいです。こういった情報からスピーディーに動くのが華僑や中国のビジネス。この頃から、中国富裕層は高級ミネラルウォーターを欲しがっていたようで、「『華僑』は市場の独占を狙っています」などと書かれていました。知る人だったなら、北海道の水源地が買われていく理由がはっきりわかったんでしょう。中国の水質汚染問題なんて僕は知らなかったです。(p63-66)あたりでした。


・華僑のA師匠が口するという「後院失火(ごいんしっか)」ということわざ。家が火事だったら外の敵と戦えないの意味で、つまり、家庭に火種があれば火消しに追われてビジネスに集中できない、と。これは、まさにまさに、ですねえ。(p202)あたりでした。


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『プレヴェール詩集』

2024-06-29 12:23:08 | 読書。
読書。
『プレヴェール詩集』 プレヴェール 小笠原豊樹 訳
を読んだ。

この詩集は、プレヴェールの主要著作のうちの四つから、60篇余りを訳者が選り抜いて訳したものです。

プレヴェールはシャンソンの名曲『枯葉』の作詞家で他にもシャンソンの名曲をいくつも出がけており、他方、『天井桟敷の人々』や『霧の波止場』などの古い映画で脚本を担当した人です。まったく知らなかったのですけど、フランスの国民的詩人だそう。1900年生まれ、1977年没(ついでながら言うと、僕が生まれた日の二日前に亡くなっていました)。読んでみて、わかるなあ、というタイプの詩はとてもおもしろかったです。

エンタメ的な柔らかくて甘い口当たりを期待してはいけません。とっつきやすい言葉が並んでいても、一文や単語同士の距離感による効果によって、読者が感じるものは、もっと尖ったものになっていると思います。

また、詩作というものはだいたいそういうものが多いですけれども、消費耐久性の高い感じがあります。何度読んでも味わいが褪せにくい。そして、その意味の飛躍に憧れながら読んでいると、何かが解放されていくような読み心地になりました。

死や殺し、暴力などがけっこうよく出てくるのだけれども、それらがないとこれらの詩は、茫洋としてしまうのかもしれない。表現における暴力は、それはそれでなにかを解き放つようです。なにを解き放っているのか? よく考えると、それは「生」なのかもしれない、と思えてくる。

「朝寝坊」という詩なんかはわかりやすくておもしろい種類の作品でした。「庭」という詩は、永遠の一瞬という言葉がでたあとに、パリのモンスリ公園でのくちづけがでてきます。「永遠の一瞬」と「くちづけ」これはイコールでつながりますよね。ウディ・アレン監督によるパリを舞台としたタイムトラベル映画である『ミッドナイト・イン・パリ』でも、主人公とヒロインがくちづけをしたとき、「永遠を感じた」というセリフがあったような覚えがあります。プレヴェールのこの「庭」が元ネタだったらおもしろいです。



あと、「はやくこないかな」という詩。このなかでの一節が個人的に笑えたので、引用しておきます。

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はやくこないかな しずかな一人ぐらし
はやくこないかな たのしいお葬式
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→まったくそうだな! と思ってしまいました、不謹慎ながら 笑



訳者解説部にある、若きプレヴェールを評した、生涯の仲間となるデュアメルの言葉も引用しておきましょう。
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「その驚くべき個性、ありとあらゆる因襲や権威にたいして反抗的な、絶えず沸騰している精神、そのすばらしい喋り方」(p273)
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→活気ある精神、エネルギーに満ちて、なにかを創造するに違いない人、といった感じがします。



最後に、訳者・小笠原豊樹さんがプレヴェールの詩についてやさしく解説してくれているところを引用します。第二次世界大戦後に出版された詩集『ことば』などは、フランスで大ベストセラーとなったそうです。それをふまえて。
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プレヴェールの詩を読んで味わうには、なんらかの予備知識や、専門的知識や、読む側の身構えなどがほとんど全く不必要であるからです。プレヴェールの詩はちょうど親しいともだちのように微笑を浮かべてあなたを待っています。それはいわば読む前からあなたのものなのです。(p281)
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『家族シアター』

2024-06-26 22:06:42 | 読書。
読書。
『家族シアター』 辻村深月
を読んだ。

家族との関係が主軸となっている7つの短編が収録された作品。

作者の辻村さんは、人のいろいろな「だめな部分」をうまく描いています。まるで隠さず、ときにぶちまけられているように感じもするくらいなときがあります。そういった「だめな部分」を起点に人間関係のトラブルなんかがおきるのだけれど、だからといって、その欠点を直してよくなろうよ、と啓発的にはなっていない。「しょうがないもんだよねえ」、とため息をつきつつ、その上でなんとかする、みたいな話の数々でした。

相田みつをさんじゃないですが、「だって、『にんげんだもの』」。そういう前提があってこその作品群だよなあ、と感じました。それはある意味で、人に対して肩の力が抜けていると言えるのです。ただ、「やっぱり優れている!」と思うのは、そうやってゆるく構えたその背後に分析的な思考が隠れているところです。だからこその、ドスッと効いてくる一文やセリフが要所で出てくるんです。

また、「キャラクターが立っている」とはこういう作家のワザのことを言うのだろう、という気がしてきました。キャラクターがしっかり立っていて、読み始めてすぐにとてもそのお話の現場との距離感が近く感じられる。なんていうか、読んでいてわりとすぐに、キャラが溶け込むかのようにこっちになじんできますし、その結果、物語に入り込みやすいのです。

といったところで、三つほど本文から引用して終わります。



『私のディアマンテ』で娘が、主人公の「母」に言うキツイ一言↓
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『自分は親だから、謝らなくてもいいって思ってるよね。そんなふうに血のつながりは絶対って思ってると、いつか、痛い目見るよ』(p120)
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『タイムカプセルの八年』のなかでの、主人公である「父」が開き直るかのように得る気づきの一文↓
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実在しないヒーローの抗力は、放っておいてもいつか切れる。子供がいつの間にかサンタの真実を知るように。一年きりで終わってしまう戦隊物のおもちゃを欲しがらなくなるように。効力は一時的で、しかもまやかしかもしれない。けれど、まやかしでいけない道理がどこにある。大人が作り出したたくさんのまやかしに支えられて、子供はどうせ大人になるのだ。(p206)

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『1992年の秋空』から。主人公である「姉」が、年子の妹の逆上がりの練習を手伝った放課後に感じたこと。これは、この物語全体を表す一文でもありましたし、そもそもこの一文が意味することをテーマとしている小説ってたくさんあるでしょうし、書き手としては扱いやすく、でも作り上げるには深いテーマなのかもしれないです↓
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誰かが何かできるようになる瞬間に立ち会うのが、こんなに楽しいとは思わなかった。(p250)
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辻村深月さんの作品は四つ目ではないかと思いますが、だんだん作風がわかってきました。どこまでも底が知れない感じがしていたのですが、ちょっと輪郭がつかめてきたような気がしています。彼女の作品、また少し空けてからですが、さらに読んでいきたいです。


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