Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『The Gravure』

2015-09-29 07:00:05 | 読書。
読書。
『The Gravure』 夏菜 撮影:立木義浩
を読んだ。

夏菜ちゃんの写真集。
夏菜ちゃんは映画『ガンツ』でしかみたことがないかもしれない。
バラエティ番組に出演されたときとか、他のドラマだとかしらないもの。
あとはCMでみるのとブログを見にいったりするくらいです。

それでも、やっぱり、『ガンツ』がかわいかったですよね。
最初に真っ裸でガンツの部屋に転送されてくるシーンで、
世のもろもろのエロ河童たちは鼻の下をのばしたはず。
純朴な少年は、顔を赤らめたでしょう。

本作は露出の多い、グラビア!感の高い写真集でした。
かわいくてセクシーです。

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『からくり民主主義』

2015-09-28 23:09:32 | 読書。
読書。
『からくり民主主義』 橋秀実
を読んだ。

「からくり・民主主義」ではなくて、「からくり民主・主義」だそうです。
内容に関しては、巻末の村上春樹さんの解説によってすっきりしました。

ノンフィクションなんだけれど、各章に結論というものがない。
それが悪く言えば、著者の意見や考え方が無いように映るのだけれど、
よく言えば、白黒決めずにそのままのかたちで問題をあぶり出していて
真実性があるということになる、というところに、
もやもやがあるんですね、読んでいて。

そういう気持ちわるさを序盤から感じながら、
距離を置いた視点だなあ、だとか、考えちゃうんです。
だけれど、安易に結論や意見をおしつけるような手法というのは、
実はほんとうじゃなくて、著者のように、
深くなるまで深めていく、それも自然にあるがままを見て、
というやり方を経てこそ、言えることってでてくるのでしょう。
村上春樹さんが解説でそのようなことを書かれていて、
「ああ!」と思いました。
物書きとはかくありたいですね。

また、もう10年以上前の本だから、トピックが古いのです。
しかし、いまに繋がる「しがらんだ世界」がそこにはあるのでした。
そして、春樹さんがいうように、
それが「ぼくらが生きている困った世界」なのでした。

短気をおこさず、困ったものは困ったものだとして、
正統に弱りはててみる。
そういう姿勢だってあるんだよって、
この本で教えられたような気がします。

ぼくはけっこう、場合のよっては気の長いところがあるというか、
物事を留保しながら考えるところがある人なのですが、
著者の橋秀実さんほど徹底して、
弱っちゃうくらい困るまで、現実をありのまま見ることって、
たぶん耐えられないんですよ。

こういう橋さんの姿勢っていうのは、
声高にものを言って、主張を押し通そうとするような、
パワーで意のままにしようとする、
いま流行にみえる風潮とは正反対だなあと思いました。


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『レンブラントとフェルメール』

2015-09-21 21:49:50 | 読書。
読書。
『レンブラントとフェルメール』 岡田昌幸
を読んだ。

読書の秋と、芸術の秋の一石二鳥。
17世紀オランダの巨匠、レンブラントとフェルメールを扱った本です。

まず、レンブラントは多作で知られ、存命中から巨匠となった画家です。
ぼくの印象だと、宗教画なども多く、
画風も昔の絵だよなぁという気がするのですけど、
なかなか動的で、生命力を宿しているような絵が多いです。
ただ、黒とか茶とかそういう色合いが多い。

続いてフェルメールですが、
これはもう、存命中は売れなくて画商をやっていたらしいです。
残した作品も30数点で、19世紀の後半に再発見されて、
それまでは無名の画家だったのだけれど、巨匠となった人だそう。
「真珠の耳飾りの少女」が有名ですが、ああいう、魅力のぐっと詰まって
心が惹かれる作品よりも、静的で、
詩的かつ私的な感じの構図が多いと思いました。
それに、「真珠の耳飾りの少女」の青いターバンもそうですが、
使われている青の静けさと落ち着きが印象的。

この二人の巨匠に共通するのは、
二人とも破産していることです。
いや、フェルメールは、彼の死後に家族が破産申告をしたのだったか。
いまもそうかもしれませんが、画家が生きていくのは大変だったのかな。

レンブラントは銅版画も数多く残したようで、
それらも本書には収録されています。
銅版画ってこういうものかっていうのがわかりますね。
彼の銅版画はぼくは好きでした。

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『アート鑑賞、超入門!』

2015-09-20 00:04:37 | 読書。
読書。
『アート鑑賞、超入門!』 藤田令伊
を読んだ。

絵画をみるときに、
いろいろな作品をそれぞれ数十秒という短い時間で眺めていって、
「ああ、癒されたあ」という見方がもっともがさつな見方なのかもしれない。
よくみる、時間をかけてみる、なぜこうなのだと問いかける、
などを自分なりにやって浮かびあがるものが絵画・美術品にはあるようだ。

と、以上がぼくが前半部を読んだ段階の感想なのですが、
要所要所や終章で、著者は、
そんなざっくりした気分転換の見方だっていいんだよ、と寛容に言っている。
そりゃあ、深い鑑賞の仕方もあって、
そういうやり方で、作品と相対する鑑賞者としての自分が磨かれもするのだけれど、
「レベルの高い見方をしないといけない」という強迫観念を持ってしまえば、
アートとの心理的な隔たりが生まれて、アートに親しむことができなくなる。
少しずつ、自分の興味の度合いを確かめながら、鑑賞の仕方のレベルを考えればいいわけです。

おおきく、感性的鑑賞、知性的鑑賞、知識的鑑賞という三つを紹介しています。
さらに、批判的な見方だって悪いわけじゃないという納得の論を述べていて、
加えて、アート鑑賞によって他者の視点というものへの気づきが得られること、
そして、他者そのものの心理になる「寄り添い」
という鑑賞について触れている。

このあたり、ぼくは読書で近いことをやっているなあと再確認することになった。
とくに「寄り添い」は、文章をなぞりながら、作者の考えやイメージを
自分の中に再現しようとするような読み方をしていることがある。
また、肯定と批判のあいだをゆれ動く心理でいることについても述べられている。
そういうゆれ動きのブレって、実はほんとうの姿勢なんだってぼくもそう考えている。

「すべての道はローマに通ず」のように、
違ったジャンルの考え方やノウハウが、
他のジャンルでも役に立つっていう例になりますね。

途中、名画を図示して、
いろいろと読者に考えさせるところが折に触れてでてくるのですが、
その図がカラーであればなおよかったなと思います。
ま、それでも、事足りてましたけども。

この本に書かれているような姿勢が一般化すると、
世の中もっとこなれて成熟してくるよなあという感想です。


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『はつ恋』

2015-09-19 01:18:17 | days
読書。
『はつ恋』 ツルゲーネフ 神西清・訳
を読んだ。

19世紀ロシアの小説です。

16歳の少年ヴラジミールが
近所に越してきた5歳年上の公爵令嬢ジナイーダに恋をするお話。
ジナイーダはたいそう美しく、慕う男たちも多い。
そんななか、どんどん胸を熱くしていくヴラジミールなのだが・・・。

ちょっと笑ってしまう箇所もありましたが、
全体としてロマンティックだし、一気読みで味わってしまうこと推奨です。

恋の感情を、読者の心中にたちのぼらせるような、
ささやかに再体験させるような
(もっと夢中に読書するなら、ささやかどころじゃないのですが)、
そんな恋愛小説になっている、半分くらい読んでの感想。

残りの半分を読むと、ぐっと甘く苦くなりました。
文学らしい、読者の胸をかきむしる感じだな、と。

溌剌として魅力的な女の人には惹かれるけれど、
結婚するくらい親密になってからケンカしたら、
ぼくはどれだけ自分を抑えられるだろうかと
考えることがあります。
それだけ、女の人っていうのは、
男のこころの隙間まで浸透するものだということ。
男のこころの奥底近くまで浸透していながら、
ケンカのときには反旗を翻されるのだから、
男っていうのは防衛反応みたいに、
自分の領域からどうやってでも女を締め出そうとする。
それがやっかいだよね、男女関係、って思うわけです。
いや、女からして逆もまたしかりだったりして。

おもしろかったです。


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『河合隼雄のカウンセリング入門』

2015-09-17 23:28:12 | 読書。
読書。
『河合隼雄のカウンセリング入門』 河合隼雄
を読んだ。

セラピストとして名高い、故・河合隼雄さんの、
40歳前のころの講座を4つ収録したものです。
カウンセリングの基礎の基礎である、
その立場や姿勢について述べている。

しかしながら、
カウンセリングの技術的なことに終始しているわけではなくて、
一般の人として、他者と向かいあうためだったり、
自分自身を知るためだったりすることに役立つ考えや
知識がたくさんでてきます。

たとえば、
頑張れない人に対して、そのひとのなかに怠け心をみるよりも、
まず劣等感が強いのではないかと見るべきじゃないか、というような考えもそう。

また、
早期解決をまず考えるというのがセオリーかもしれないけれど、
早期解決が本当の解決になるとは限らない。
早期解決にこだわらずに、その問題(こういう場合の多くは人間の心理の問題)が
本当に必要とする解決策を見つけるべきなんだろうと思う。
早期解決で解決したようにみえても、
それはうわべだけの解決だったり、
いっときの対症療法だったりする。
そうすると、そのうちぶりかえしたりこじらせたりするんだと思う。
問題と真正面から向き合って、
自分から克服していける方法がもっとも好ましいんじゃないだろうか。
と思うようになる箇所もでてきたりなどして、
考えながら読んでしまう。

自分で自分の気持ちをごまかすことによって、
それから自分のこころを起点としたヘンなことが起こってくる、
というカウンセラーならではのこころの見方もありました。

と、いうように、少し内容の欠片をならべただけでも
いろいろと興味をひかれるのではないかと思うのです。

そして、最後になりますが、
カウンセリングの目的としてのその本質が書かれていたので、
紹介しましょう。

___________________

人間というのは、相当な悪環境に放りこまれて、
相当な悩みがあり、相当に嫌なことがあっても、
自分で立ち上がってくる、そういう力を持っているということですね。
___________________


これは、カウンセラーが立ち会って、
話を聞いてあげることによって、
クライエントが自分の力で立ち上がってくると言っているんです。
なかなか一人だけで考えて、難しい境遇から脱することはできなかったりする。
その手伝いをカウンセラーはするのだ、と言っている。

これを聞いて、ぼくはこう思ったんだけれど、
たとえばSNSの言葉でも、誰かの名言でも、
誰かの本でもいいですけど、そういうのに触れて、
「あっ」と共感したり発見したり、
気づかされたりすることってあるでしょう?
それも一種の、カウンセリングによって自分が立ち上がることにつながるものと
同じような意味合いを秘めているんじゃないだろうか。
そういう言葉によって、癒されたり励みになったりする。
まあ、でも、これはあくまでぼくの私見です。

ぼくは河合隼雄さんの本を昔から何冊か読んでいますが、
この本こそ、その考え方や知識の土台となる本であると感じました。
この『カウンセリング入門』からはじめて、
人間の理解を深めていくのもおもしろいと思いますよ。


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『恋愛脳』

2015-09-12 15:30:39 | 読書。
読書。
『恋愛脳』 黒川伊保子
を読んだ。

男性脳と女性脳の違いを、かたい論説文ではなく、
やわらかなエッセイで説明してくれる本です。

まず、男性と女性の脳はその構造上からして違うということ。
右脳と左脳をつなぐ脳梁の太さが違い、
女性の方が男性よりも太いのだそうだ。
つまり、右脳と左脳の情報のやり取りが
男性のよりもブロードバンドでされる。

また、脳梁が太いことによって、
女性は、見える世界が2次元の平面的な空間にみえがちだそうで、
男性は、3次元の点的な世界に見えがちなのだとか。
そのせいで、女性は、そのあたりにあるものをつぶさに見ることができて、
その影響で、人を見る時も顔のつくりを目・鼻・口というように近視眼的に
見る傾向が強いそうです。
男性脳の見方としては、女性の姿勢や、スタイルなど、
空間の中にある女性の姿を見る傾向が強いそうなんです。
言われてみると、女性と男性のアタマの違いってそうかもしれない
なんて思いました。

それと、
女の人は恋するだけで傷つくんだとという66頁のくだりもおもしろい。
その理由もさらっと書かれていたけど、
男の恋のためいきと女の恋のためいきじゃ、重みが違うみたいだ。

自分の気持ちに忠実に、
それを好きな男にさらすことが女性的な恋愛だという。
それって、おとなになるために与えられた教養に反することだから
、女の人は恋するだけで傷つくらしい。
男にはそういう強烈な情念はたいていの時にはないから、
よくわからないんだね。

そして、女性はやはり言葉に対するウェイトが重いようだ。
なんでもかんでも言葉中心らしい。
うわべの言葉でもやっぱりうれしいらしい。
たまに、男からみて調子のいいオトコが異性からの人気を持つ場合があるが、
たくさんの言葉にとろんとなっちゃうんだろうか。
女性は気をつけて!
ぼくはメモしとく(へっへっへ)。

20代から30代の女性に向けて書かれた本らしいですが、
実際は幅広い層の人たちに読まれた本なのだとか。
ぼくもとてもおもしろく読めました。
著者の黒川さんの、小説もいけそうな、
感性のこもった文体も魅力的でしたね。


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『おかんメール』

2015-09-08 00:01:02 | 読書。
読書。
『おかんメール』 おかんメール制作委員会 編
を読んだ。

「かわいい娘へ。いとしい息子へ。
母の愛と破壊力に満ちた〝爆笑"メッセージ集!!!」
と表紙に書かれていましたが、
ほんとにおもしろい、吹きだしてしまうおかんメールの数々でした。

_________

from:お母さん
Sub:ニュース(^o^)/

「お父さんが
リストラだよ(^o^)/」

________

とかいうメールが満載です。

なんでこうなっちゃうんだろうね、世のお母さんがた。

日ごろからそんな感じなんでしょうかね。
伝えたいことや心ごとはあるけれど、
表現力がいまいちで、そのもやもやのまるごとをなんとか表出して
ぶつけて、察してもらって伝達するっていう。

頭の整理がつかない場合、言葉や概念を覚えると
整理がいくぶんつくようになります。

日々、忙しいお母さんたちは、そういうヒマもなく、
気持ちでずんずん進んでいくような、
日常を猪突猛進で生きているからこその
こういう表現伝達になるのかもしれない。
まぁ、そうはいっても、一様には言えないですけど。
いろいろなバリエーションがあります。

「ほら、あれあるでしょ、わかるでしょ」的なことを、
メールという文字だけの表現にすると、
ある種デタラメなものにその意味を押し込めてしまう。
また、単に、文字を打つのに慣れていないことも、
おもしろいメールを打ってしまう理由としてありますよね。

表現された文字なんかはよくわからないけれど、
そこに悪戦苦闘しつつ、伝えよう、コミュニケーションしよう、
とするお母さんたちの気持ちっていうのは、
温かだったりして、悪いもんじゃないなっていう気がします。

タイポレベルなら、ぼくだってよくやっちゃうし、
その系統の間違いなら人ごとじゃありません。

実は「ったく、しょうがないなぁ」って温かく笑ったり、
にこやかな気持ちで返したりできる、
そういう寛容な気持ちを育むものかもしれないですよ、
おかんメールって。

著者 :
扶桑社
発売日 : 2014-05-10

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『迫りくる「息子介護」の時代』

2015-09-07 02:11:25 | 読書。
読書。
『迫りくる「息子介護」の時代』 平山亮 解説・上野千鶴子
を読んだ。

むかしは、介護といえば、女性がこれにあたるものとされる向きが強かった。
娘であったり、息子の嫁であったり。
それがいまや、配偶者による介護だったり、
息子による介護だったりというのが、増えているようですね。

とくに息子介護については、
一人っ子化、晩婚化、独身でいる人の増大という
現代人の在り様の傾向が影響していて、
さらに、就職難や、介護が理解されない社会構造なども
その背景としてあるような状態。

本書ではその解決については述べられませんが、
現状分析としては、なかなかに的を突いたものになっているように
読み受けました。

なにせ、ぼく自身が息子介護とは言わないまでも(主介護者が親父だから)、
母親が介護を必要とする身なので、ご飯を作ることをメインに、
面倒を見ていたりする。
だから、本書のとくに4章から5章にかけてはよくわかる感じでした。

4章は介護者と被介護者である親の関係について書いてあり、
5章では、介護者である息子の交友関係について書いてある。

5章では、コンパニオンシップとコンフィダントという関係が示される。
コンパニオンシップというのは、楽しみを追求するために特化した関係で、
共通の趣味に興じたり、一緒においしい食事やお酒を楽しんだり、という
付き合いのことです。
一方のコンフィダントというのは、悩みや問題を共有しあう
「話しやすくわかりあえる」相手のことをいいます。

そして、介護者である息子は、友人たちとの関係が希薄になるとも
書かれていてぼくもそうなのですが、そんな中、
ぼくの友人関係にはコンフィダントはまるで無いなあと気づかされたりしました。

同性との交友関係って男の場合そういうのばかりらしいですね。
本書の言葉の通りに言えば、「馴れ合い、張り合い」の関係。
このあいだ芥川賞を取った羽田圭介さんの言葉で言えば、
「牽制しあう関係」となります。

ところが、異性の友人っていうのは、
コンフィダントになりやすいそうです。
このあたりは心得ておかないと、と思います。

また、おもしろいのは、
女性の友だち付き合いは「差し向かい face to face」で、
男性の友だち付き合いは「横並び side by side」と言われる、とのところ。
差し向かいは「おしゃべり」中心のことを言っていて、
横並びは「同じ行動をする(共行動)」中心のことを言っているみたいです。
女性は言葉やしぐさ表情などで確かめあって、
男性はその存在の雰囲気を共有するみたいなことで確かめ合う感じでしょうかね。
それで、男同士の横並び、つまり共行動ってなんかわかる気がするわけです。
…連れションとか。

そんなところもありながら、
中盤以降は集中して読ませる内容でした。
介護は大変だけれど、目をそらせない現実としてあって。
ぼくも最悪の事態にはならないようにじたばたせねばと考えているところです。

介護をとらえた本としては入門編としての位置づけがなされると思います。


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『クローディアの秘密』

2015-09-01 22:53:09 | 読書。
読書。
『クローディアの秘密』 E.L.カニグズバーグ 松永ふみ子・訳
を読んだ。

児童文学の名作のひとつとして、
よく本書も名前が挙げられているので、
どれどれ、と読んでみました。

スタジオ・ジブリの宮崎駿さんも映画化したかった作品だそう。

主人公の女の子クローディアが、弟を誘って家出をします。
その家出に選んだ場所は、ニューヨークのメトロポリタン美術館。
いったいどんな家出生活になっていくのか?

おもしろかったです。
たんたんとした文章ではありながら、
引っ張っていくストーリーが強いんです。
なので、自然と文章にも力が宿るという気がしました。
無駄がなく、冗長さもほとんどなく、
形容詞さえあまり使われないような文章で、
しっかり読み手の気持ちを捉えていくというのには、
著者は化学専攻の理系の女性だそうですが、
本質的なところから話を組み立てるというやり方に
秘密がありそうに感じました。

奇しくも今日、ほぼ日の連載「目標を、達成しやすくするヒント。」で読み、
「これか!」とわかったことがあって、
それは、世界観・初期設定だけを考えて、
それからいきなり本番として小説を書き始めるのは演繹で、
いろいろ勉強して枠組みを作ってやるのは帰納だということ。

この作品はまず第一稿の段階ではきっと演繹でつくられていると思うんです。
それから書き直したり修正したりしているような気がする。
ちなみに、数学者は演繹的な考え方をし、
大部分の人は帰納的な考え方をするそうです。

著者のカニグズバーグ夫人の名前は初めて知りました。
本書のほかにもいろいろと作品を残された人のようですので、
また機会を作って読んでみたいなと思いました。


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