Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

スカーレット・ヨハンソン

2010-11-30 19:24:48 | days
このあいだ、フランシス・フォード・コッポラの娘の
ソフィア・コッポラの第二回監督作品である
『ロスト・イン・トランスレーション』をレンタルして観たのです。
ソフィア・コッポラは女子の間で人気があるような人というイメージがあります。
写真家でもあったんじゃなかったっけ。
「ガーリー」という言葉も、ソフィア・コッポラ発じゃなかったのかな。

とまぁ、いろいろと誤りがありそうな、彼女のイメージを抱きつつ観た
『ロスト・イン・トランスレーション』は、
欧米のフリをしようとしてる奇妙な都市・東京に舞い込んだ、
おじさん俳優と若い人妻の、短い冒険と魂の交流みたいな感想を持ちました。
「非日常」という言葉にふさわしい都会が東京だというわけです。

ソフィア・コッポラの監督作といえば、
やはり『ヴァージン・スーサイズ』が思い浮かびます。
というか、今作とそれしか思い浮かびませんが…。
『ヴァージン』には、子役から大人俳優へ順調に成長した、
『スパイダーマン』シリーズのヒロイン役で知られる
キルスティン・ダンストが、まずその作品の中心の、目玉の女優として、
たぶん集客をも見込んだキャスティングとして出演しています。
当時の彼女は、女の子受けしそうな可愛さだったかなぁという記憶があります。
そして、わきを固めるのは、今作からブレイクしていった、
最近は音沙汰はないのですが、ジョシュ・ハートネットがいました。
さらに、もっと脇役で、スターウォーズEP2~3のシリーズで、
主人公アナキン・スカイウォーカーを演じた、ヘイデン・クリステンセンが
出演していました。
音楽では、10ccやTodd Rundgrenなどが話題を集めたように思います。
新たな才能の誕生、すなわちソフィア監督と若きスターの誕生がシンクロした作品とも
言えるものだったのです。

さて、そんな第一作目でしたから、今作『ロスト・イン・トランスレーション』にも、
目利きのソフィアらしいフレッシュな才能が起用されているのではないかという期待を
持ってしまいます。そして、そんな期待に応えるかのように、
スカーレット・ヨハンソンという素晴らしい、
かわいくてセクシーな女優さんが起用されていました。

というか、今頃スカーレット・ヨハンソンに注目するという
この遅さはなんなんだという気がしないでもありませんが、そこは自分に正直に、
ここ数年はあまりDVDをレンタルしたりしていなかったことを
告白して、厚顔無恥な感じで話を進めていきます。
なんたって、この作品は2003年の作品らしいです…。

金髪に、あどけなさもある人好きしそうな顔。
強調しなくても、バストもヒップも存在感抜群。
でも、役柄もあるでしょうが、セクシャリティを武器にしているような
いやらしさは感じないんですよね。

大学の哲学科を出ている設定で、そんな外見ですからね、まいってしまいます。
見ているうちになれてきて、そんなんでもないかなっていう気にもなりましたが、
それでも、また違う作品で彼女を見てみたくなりました。

そんなわけで、長澤まさみちゃんのつぎに魅力的な女性を発見です。
欧米の女優さんでは、ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー、ナタリー・ポートマンに続く
フェイバリットスターの誕生になります。
ちなみに、その昔、ジョディ・フォスターも好きだったのですが、ごらんください、
ジョディ、ウィノナ、ナタリー、と「マウントレーニア・カフェラッテ」のCMキャラクターを務めた
女優さんばかりです。このぶんだと、スカーレットもカフェラッテのCMに出るかもしれませんよ。

ちなみに、ウィノナの時には、競馬場の売店で貼られていたカフェラッテのポスターを、
夏開催が終わる日にこっそり頂いてきたのを覚えています。
うれしかったなぁ。
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99岡村サン復帰

2010-11-27 21:14:03 | days
岡村さんが復帰するということで、
久しぶりにテレビを見ましたわ。

岡村さんは、ナイナイのオールナイトニッポンを聴くから好きになったんですよねー。
まぁ、もともと、いいともの時代から好きですけど。

ちょっと太ったのだっていいじゃないの~。
禁煙したのなんて、よくよく身体のことを考えてのことですよね、いいことじゃないの~。
みんなの寄せ書きに「ヤバい」と言っていた岡村さんも良かったね~。

なにより、登場した時に、うわぁと思って、涙が出そうになりました。
これからもテレビやラジオで活躍してほしいですが、
なによりも身体に気をつけてくださいといいたいですね。

良かった、良かった。

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『若き友人たちへ 筑紫哲也ラスト・メッセージ』

2010-11-26 00:20:48 | 読書。
読書。
『若き友人たちへ 筑紫哲也ラスト・メッセージ』 筑紫哲也
を読んだ。

2008年に肺がんのために亡くなった、
ニュースキャスター、ジャーナリストの筑紫哲也さんによる、
2005年ころに行われたと思われる大学院生を対象にした講義を主軸として、
他の原稿などもまとめた本がこれです。

若者たちに向けて、「こんな世の中にしてしまったのは、僕たち大人たちなんだ…」
というようなことを、自らの保身抜きで、そして自らの世代の代表として、
若者から搾取する多くの小ズルイ大人たちを告発するかのように言ってくれます。
そういうところから、この本は始まります。

「そんな常識も知らないで」と言いながら、
まるで常識を教えなかったり小出しにしたりする大人って
多いと思うんです、僕の経験からしても。
それは、勝手に自分で学びなさい、ということなのかもしれない。
でも、若者が勝手に自分で学べるくらい、
この世界は開かれていない状況になってしまっているし、フェアじゃない。
また、大人が若者にいちいち教えるのが面倒だから、他の誰かが教えればいいというような、
上の世代として持っているはずの責任を逃れようとする姿勢からくるのかもしれないし、
若者に知識を与えないことで、自らの保身のため、アドバンテージを持とうとする狡猾な考えからくる
行為なのかもしれないです。

そういうのをとっぱらって、もったいぶることなく、
筑紫哲也さんは、若者たちに言葉を投げかける。
受け手が扱いやすいようなフラットさだし、現代の物事の核心をついている言葉。
そしてその言葉は、いろいろな知の道を照らす光となり、
好奇心や探究心を刺激することにもなる。
ましてや、もたらされた知識は、世界を見る目を著しくクリアにしてくれる。
つまり、若者の「やる気」のスタートラインとしては絶好のポジションを与えてくれるのです。

僕はもう、若者といえるか微妙な年でもあるし、まぁ青年ですし、
近所のスーパーなんかでも、おばちゃんに「お兄さん」と呼ばれる感じではあります。
それでも、筑紫さんがもたらしてくれた知識と知恵のかけらと常識というものが
大変ありがたかったです。
どうして、こう、みんなが知っていたらいいのにという部分は、暗部というか、
闇の中にあって、どうにか光で照らさなければ見つけられないものなのでしょう。
大声で言ってくれる人もいないものなんですよね。
今回だって、たまたま雑誌でこの本が紹介されていたのを知って、買ってみたら
すごく良かったわけで、口コミで野火のように広がる本ではないことに、
「きっと、この本に暴露される真実によって、困る人たちが多いのだろうな」ということが
わかったりします…、たぶん、ですけどね。
教訓としては、やっぱり自分から進んで求めないといけないということですね。
この本でいえば、「求めよ、されば与えられん」を地で行く本でした。
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」という本であるかもしれませんよ。

巻末に、筑紫さんが16歳の時に書いた、幼少時からそれまでを振り返る作文が掲載されています。
それを読んで、まぁ、誤解を持たれるかもしれませんが、僕はこういう感想を持ちました。
やっぱり、手持ちのカードが良い人だったんだな、と。

作家・東野圭吾さんの『時生』という小説にこんなセリフがあります。

「苦労が顔に出たら惨めやからね。それに悲観しててもしょうがない。
そら誰でも恵まれた家庭に生まれたいけど、
自分では親を選ばれへん。配られたカードで精一杯勝負するしかないやろ」
(東野圭吾『時生』P278 竹美のセリフ)

筑紫さんに比べれば、僕のカードは良くないようですが、それで精一杯やるのが人生ってもんですね。
ぐだぐだ言っても何にもなりませんからね。とはいえ、この小説の竹美に比べたら、
僕のは全然良いカードだとは思います。

このブログを読んでくださっている方々の中にも、
手持ちのカードが良くない人っているかもしれないですね。
100%の力を出せる環境がととのっていたなら!なんて考えて悶々とすることが
あるかもしれませんが、大体の人間は、万全の状態で事に臨むことが難しい中で、
なんとか結果を出したりするものだと思うのですよ。例外はあるとしても。
それに、この筑紫さんの本にも出てきますが、制約のある中で作られた映画が
20世紀のもっとも評価の高い映画だったっていいますからね、
人間だって、もしかすると、そういう制約に縛られながら必死に生きることで
素晴らしい何かを得られる場合もあるかもしれないです。
悲観はしないことですね。

えーと、この本ですが、高校生以上は必読というポジションに置こうと思います。
この本で書かれている「考えない日本人」に、どうやら僕は片足を突っ込んでいるようなので、
なんとか、その泥沼から片足を引っこ抜いて、筑紫さんの最後っ屁を胸一杯に吸い込んだ者として、
またこのブログなんかで、わーわー言っていきたいです(なんだそれ)。
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言葉ヲ因数分解スル

2010-11-22 22:19:48 | 考えの切れ端
ふと思い立って、それも今読んでいる本の何気ない一節にふれて、
言葉を因数分解する能力について考えた。

言葉の因数分解とは、たとえば「立ち往生」という言葉を、
「目的に到達できないままただ立ちつくす」というように噛み砕くこと。
こういうのって、実は「う~ん」と考えるのに時間がかかるので、
忙しい人には向いていないし、忙しくなくてもイラチ(イライラしがち)な人には出来難いこと。
そこを僕はやっていきたい、と。

辞書をひけば早いじゃん、なんて思う方が多数いらっしゃると思いますが、
どうしてもうまく噛み砕いて言えない言葉は辞書を引いて、大意をつかんで
覚えるのが良いかもしれないですね。
頭を絞ればでてくるような、言葉の因数分解だったならば、
時間をかけて、ひねり出すことに、何かしら、頭を鍛えるような効果が
あるような気がしませんか?

言葉を覚えることなんていうのは、まずは模倣と暗記から始まるものです。
でも、つねにそうだったなら面白くありませんし、機知っていう能力を養えないような
気がするんです。模倣と暗記を繰り返して、ためた知識を今度は応用に使おう、
道具として使おう、それが、言葉の因数分解によって訓練されるのではないかと
僕は、今の時点ではそう考えています。

言葉の因数分解が切に必要だなと感じたのは、
小学校に上がるか上がらないかの子どもと接した時。
うまく説明してあげたいし、それがスポンジ並みの吸収力をもつ彼らの脳に蓄えられるのを計算してのこと。
大人の言葉をちょっと知っているんだぞっていう優越感を持たせたい気もするんですよ。
自分が"おこちゃま"だった頃、クラスで先生が、「これ、どういうのか知っている?」なんて
生徒に問いかけて、一人だけ手をあげて、「これこれこういう意味です」なんて答えて正解を
貰った時の、周囲の羨望のまなざしというものが恥ずかしくもあり誇らしくもあって、
総じて言えば、心をぐらぐらとゆすぶられるような体験をしました。
そういうのが原体験となって、大人になっても、誰もやっていないことをやりたいな、っていう
秘かな願望みたいなものに繋がると思うんですよ。僕だってそうでしたからね(なんで過去形なの)。

つまりは、大人になった自分の言語脳を鍛えるために言葉の素因数分解を心がけることと、
子どもを育てる意味で、うまく言葉を伝承させていくために、大人は普段から言葉の素因数分解を
心がけたほうがいいんじゃないか、ということです。

なんとなく、説得力もあるでしょう?
でも、この記事に限らず、ごく私的な見解ですからね。
「そうなのか?」「いや、違う気がする?」など自由に読んでください。
ブログっていうものも、そういうものですよね。
ある個人のアイデアや主張が多い気がします。

と、Tweetをきっかけに一つ記事が書けました。
今後も、Tweetと連動させて記事を書くことも多くなるかもしれません。
Comments (4)
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『短命の食事 長命の食事』

2010-11-21 21:00:46 | 読書。
読書。
『短命の食事 長命の食事』 丸元淑生
を読んだ。

どうやら、アメリカでの研究結果の方向へと偏ったむきのある、
健康で長生きするための食事指南の本でした。
どうなんでしょう、やっぱり、食の健康に対する研究もアメリカが最先端を行っているから
それに倣って紹介しているのかなぁとも思いましたが…。
だけど、欧米人よりも日本人のほうが平均寿命が長かったりしますよね。
アメリカ人なんか、脂ぎった食事ばかりしている不健康なイメージがあります。
マクドナルドしかり、ケンタッキーしかり…。
逆に言えば、そういうものを食べている分、
それだけ危機感が強いという現れなのでしょうか、研究が最先端を行っているのは。
とにかく、何故著者はアメリカかぶれ的な栄養学の実践の立場にいるのかに、
まずハテナが浮かんだのでした。

…という若干、斜に構えた入り方をしましたが、
それは、いろいろと軽く不安をあおられたり、
「これは間違いなのでは」と否定したくなる部分があったりしたからです。
否定したくなる部分は、ビタミンCに対して、過剰にその効果を謳っているところです。
ならびに、頭が良くなるなどと一時期言われた、青魚に多く含まれるDHAという成分を、
本当に頭が良くなるのだよというふうに解説していたのが、それも違うんじゃないのと
思えた点でした。何故、僕が異を唱えるのかと言えば、雑誌『Newton』の最近の号で、
ビタミンCの記事、ならびに、脳の記事でのDHAの記述を読んでいたからです。
アメリカが偉いっていったって、こちとら『Newton』には東大の先生ですからね。
その東大の先生が「DHAが頭を良くする科学的根拠はありません」と明言しているのですから、
僕はこっちを信じたくなります。

でも、そんな否定的に思う部分は、実は少なかったんですけどね。
マーガリンやショートニングというトランス脂肪酸なるものを含んだ食べ物の極悪さなどは、
この本を読まなければ知り得ませんでしたし。
マーガリンは良くないって、子どもの頃に聞いて、それが常識になっていましたが、
理由がわからなかったです。その理由が書いてありました。
このトランス脂肪酸っていうのは、動脈硬化や糖尿病、そして心臓病を引き起こす物質だということです。
マーガリンなどは、自然界にもともと存在しないタイプの食べ物であって、
人間が無理やり作り出したものであり、
顕微鏡でよく見てみると、細胞膜に入りこむものにしてはとがった形をしていて、
燃焼もしにくくて時間がかかる厄介なシロモノなんだそうです。
アメリカでは、このトランス脂肪酸が未熟児を生育することもわかっていて、
2000年代後半、ニューヨーク市でまず最初に外食店でトランス脂肪酸を多く含むものを販売することを禁じ、
続いて、カリフォルニア州でも同様の措置が取られたそうです。
アメリカに限らず、EU圏でもそのようで、アジア・アフリカはただぼーっとそれをやりすごしている
状態なのだそうな。その危険性に対する危機感をアジア・アフリカはもっていないのか、
それとも、利権が絡むので規制に踏み切れないのか、
はたまた、欧米の白人種の神経症的な過剰な不安の発露にすぎないのか。
ケンタッキーやマクドナルドでは、欧米で使えなくなったショートニングやマーガリンを在庫不良に
しないために、アジアに回したっていう話がネット上にありましたよ。本当か嘘かはわかりません。

それと、みなさんが立ち読みしたかのように、その中身をちょこっとばらしてしまいますが、
リンゴと玉ねぎは群を抜いて身体に良いらしいですよ。
僕は、青りんごの王林を3日前から毎日食べるようにしました。影響されすぎでしょうか。

最後に、この本の著者の丸山淑生さんに触れておきます。
2008年に小胞性食道がんという進行の速いがんのために74歳で亡くなっているんです。
果たして、このような、健康で長生きしようという本などで、栄養の摂取方法を説いて
自らも実践している人が、74歳くらいで亡くなるものかという気がしませんか。
ただ、健康に目覚めたのが遅く、48歳までタバコを吸っていたそうですし、
30代までは不健康な食事だったそうです。おまけにずっと酒好きで…。
言っていることとやっていることが違う人なの、って思ったりもしますね。
食事でとるのが難しい栄養素をサプリメントで補おうなんて、
本当にアメリカナイズされている感じの人だという印象を持ちましたから、
そのアメリカのやり方っていうのがあっているのかいないのかもわからないところでしょうか。

TwitterでハクさんやResoさんにもTweet頂いたのですが、
タバコをスパスパ吸っていても、90歳まで生きるような人はいるし、
食事だけが長寿の原因になるものでもないんじゃないかということなんですね。
遺伝的要素もあれば、運動も大事でしょうし、精神面での健康も軽く見ることはできない。
いろいろな要素が絡まりあって、それが好循環した時に「健康で長寿!」という
条件が成り立つのかもしれないですね。

いろいろごたごた言っていますが、少し離れた感じで読むと知識がつく感じがします。
なぜ、少し離れるかというと、DHAのような、本当かどうかわからないことを本当らしく
書いてあったりもするからです。
ですので、この本を読んだら、他の栄養学関連の解説書、入門書なんかも読んでみると
立体的で客観的な知識が得られるんじゃないかなと思います。

あとがきでは、著者の娘さんが、著者の亡くなり方についてなどを書いてらっしゃいます。
各方面への謝意もそうでしたが、父親の著作の中に、娘の書くあとがきという形でありながら、
さらに健康のためのレシピをいくつも追加してくれていたところが、
微笑ましく思えました。

まぁ、この僕の感想文を読んで、あーだこーだ思案をするようでしたら、
読んでみたほうが早いです。まずは立ち読みへGoでしょうか。

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『希望の国のエクソダス』

2010-11-17 21:49:58 | 読書。
読書。
『希望の国のエクソダス』 村上龍
を読んだ。

2000年に刊行された小説で、舞台は2001年から2008年までの、当時から見て近未来。
今は2010年の暮れ間近ですから、旬を逃してしまったのもいい所の作品。
作品を下に見て言うならば、時代遅れになってしまった作品…、しかし。

本当にこの『希望の国のエクソダス』が時代遅れになった作品なのだろうか。
2000年当時から見える「可能性の未来」をスケッチしたものとして、
逆算的に当時を振り返る価値はないだろうか。
はたまた、その当時著者が予見した時代の流れにどれだけ今の時代が当てはまっているか、
確認してみる楽しみはないだろうか。

本作を読了した一読者の意見として言えば、
たしかに、もはや近未来小説としては読めないものの、パラレルワールドとしての
物語の価値は十分にある作品だったということです。

中学生の集団不登校から続く、既存の社会への挑戦。
いや、挑戦などという言葉では語弊がありそうです。
中学生たちの建設的で放埓なムーブメントは、
既存の社会と同列の文脈で行われた行為ではありませんでした。
民主主義の資本主義経済の範疇ではあったけれども。

作者の村上龍さんは、この小説で何を伝えたかったのか。
中学生に希望を託すような浅はかなテーマはこめていないと言います。
でも、僕には、この小説を中学生が読めば、人によっては非常に
良いエネルギーになるものだと思いました。
「僕らはまだ子供だけれど、これだけのことやれる可能性はあるんだ」なんて
元気になる人もいるでしょう。
一方で、ふがいない社会を構築してきた大人たちみんなにはこの小説はどう読めるか。
自信を失い、生き方を子どもたちに提示できず、ビジョンも無い大人たち。
きっと、そのことを直視しないようにしている人が多いのではないでしょうか。
だから、この小説を読むことで、自分の弱い部分を認め、中学生なんかに社会が転覆させられなど
してたまるものかという、ある種の義憤を呼び起こすこともあり、著者はそれを目的としているようでもあります。

とまぁ、まどろっこしく書くと、全然この小説の良さが伝わりませんね。

インターネットの技術の話にしても、経済動向の話にしても、かなり専門的で、
相当な取材を重ねたのだろうなぁと読めましたし、
何よりそれらの情報を咀嚼して小説にしてしまった作者の力量にため息が出ました。

序盤の50ページくらいなんて、並みの小説を読んでいる気になるんだけれど、
読み進めると、どっぷりとその世界にはまり込むし、文章の精緻さにも気付くことになりますね。
さすがに、村上龍という人はすごいです。

文章を書く上で、「抑制」というのと、「ブレない」ということと、
「伝えるべきものがしっかりある」ということと、「哲学することができる」のが大事なのではないかと、
読み終ってから考えましたね。
僕も文章が上手くなりたいタチなので、そのあたりを踏まえて、いつもよりも時間がかかっても良いから、
しっかりした文章を…、たとえばこのブログ記事なんか最たるものですが、
書いていかねばなぁと思い立ちました。

ちなみに、どうでもいいような感じに読めるかもしれない僕の文章の、
書くスピードは「2000字程度/一時間」ですね、今のところ。
読みなおして、誤字脱字などを直す時間も含めてかな。
これが速いのか遅いのか普通なのかはまったくわかりません。
もっと文章の精度を高めて、一時間に1200字くらいだったら良い方らしい、
というのをWEBで調べて見つけましたね。

閑話休題。
この小説の中学生たちのやり方なんですが、序盤から犯罪まがいのことをけっこうやります。
それに対して、大人たちが手出しができないよな状態なのですが、
それはちょっと作者は大人たちをなめ過ぎているなぁという気がしました。
なめているというか、物語を進めるうえで大人にはおとなしくしてもらったという感じ。
中学生が犯罪のようなことをしでかす、そういう場面では大人も奮起するでしょうし、
その気持ちに伴うくらいの、戦うための技術を持った人も大勢いるでしょうからね。
だから、実際に中学生が集団不登校を起こしたとしても、そこから大成功へ向かう道筋は
うまくいかないだろうというのが僕の見解です。
たぶん、ホリエモンみたいに捕まると思います。

それでも、思考実験的にこのフィクションを楽しみ、さらに危機感を感じたり、
自分の無知を再確認したりしても良いのだと思います。
そこから得られるポジティブなエネルギーってあると思うもの。

それと、坂本龍一さんが今作に登場するんですが、
他の村上龍さんの作品にも出てきたことがあったような?
『五分後の世界』は坂本さんモデルの音楽家だったかな。
坂本ファンとしては、「うわっ」って思います。

そういうわけで、またそのうち村上龍さんの作品を読みたいです。
というか、龍さんの作品は20作品くらい読んでるような気がしないでもない。
今だと『歌うクジラ』が気になりますねぇ。

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再ビ、Sweet Hertz

2010-11-15 18:56:00 | days
おなじみ日曜日22時からニッポン放送で放送されているラジオ番組、
『長澤まさみ Sweet Hertz』。

野球中継で番組が飛んでしまうことが多々あるのですが、
そういうシーズンも終わり、これからは落ち着いて、
毎週長澤まさみちゃんのおしゃべりが聴けるよね~と、
寒い冬の到来の中での暖かなひと時をこれからしばらく確保できることをほんのりと喜びながら、
昨日も番組を聴きました。

昨日は、「長澤クリエイティブルーム」の回でした。
身近なモノをテーマに選び、「もしもこんな○○があったら」
と、クリエイティブな発想をリスナーから求めるコーナーです。

今回のテーマはティッシュペーパーでした。
実は前回のこのコーナーで、なんとまさみちゃんにネタメールを読んで頂いたのでした。
あのドキドキ感覚めやらぬ中、またネタを投稿していた今回、
「もしかして!?」の気持ちとともに放送を聴いていましたら、
なんと、しょっぱなから僕のネタメールが読んでもらえました。
応募者多数のかなり被ったネタのようでしたが、その中で、僕のメールが代表させていただきました。

ネタの内容は、
「この番組のオープニングにあるような名言が(まさみちゃんのラジオでは、
毎回オープニングにいろいろな偉人や著名人の名言を紹介しています)一枚一枚のティッシュに書かれている」
というようなものでした。

いやいや、もうないよね~、とも考えていたのに、またまさみちゃんにハンドルネームを
読んでもらえたなんて!彼女の口から僕の名前が!きゃ~。

今年ハトッテモ良イ年デス…。

次回のテーマはカメラ。
コーナーを盛り上げる意味でも、また投稿するつもりです。
リスナーのみんなからわんさかメールがニッポン放送に送られて、
作家さんが腰を抜かしそうになるくらいになったら面白いですよね。
どなたか書いていた気がしますが、本当にこのコーナーでのまさみちゃんやリスナーの発想から
新商品が開発されたら、番組が伝説になります。
いろいろな業種の商品開発課のひとたち!要注目ですよ、この番組のこのコーナーは。

というわけで、この僥倖をエネルギーに変えて…、
昨日のバレーボールの感動も元気に変えて…、
前向きな方向に進んでいきたいです。
いいですよねぇ、そういう気分にしてもらえるものってね!
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世界バレー3位決定戦・アメリカ戦

2010-11-14 21:46:03 | スポーツ
世界バレー3位決定戦のアメリカ戦は、
フルセットの末に日本が勝利して、32年ぶりのメダルを獲得しました!
おめでとう!

あのパフォーマンスですからメダル獲得は当然の結果ですよね。
あれだけの頑張りを見せてくれて、
素人目にもわかる女子バレーのレベルアップ加減。
昨日、ブラジルフルセットで負けたときには、
もうご褒美としてメダルをあげたいくらいだと思いましたが、
彼女たちは、自分たちの力の限りを尽くしてアメリカを圧倒し、
銅メダルを手に入れたんですからねぇ、
素晴らしいと言うよりも他に言葉がありません。

観ていて元気が湧いてきた~。
おいらも頑張らないかんって思うよなぁ、こういうのを見ると。
選手たちは「みなさんの応援のおかげで…」なんて言いますけど、
そんなみなさんは彼女たちの頑張りのおかげで熱のこもった応援をしたくなるわけだし、
僕と同じように、元気をもらって、日々の活力を得ることになるわけで。
これぞ、好循環ですね。
そういう好循環の輪の中にいるような感じで、おいらも嬉しい。

やれるだけのことを全力でやる。
努力は十二分にすることで、自信につながる。
練習は嘘をつかない。

僕は運動選手ではありませんから、鍛えたいのは脳みそと健康力です。
それにだってきっと通じる部分はあると思うのです。

前向きな力が湧いてきた。そんな日曜の夜。

全日本女子は、みんな可愛いし、格好いいし、プロフェッショナルでした。
本当におめでとうございました。
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世界バレー・ブラジル戦

2010-11-13 21:41:36 | スポーツ
世界バレー決勝ラウンドに全日本が駒を進めたわけですけれども、
その初戦の相手、決勝戦のかかった相手が、
世界ランク1位のブラジルだったんですねぇ。

すごいラリーをものにしたセットもあり、一時はセットカウント2-0で
ブラジルを凌駕していたわが全日本ですが、
そこから、22-25という点数のセットを2度やって2セット落としてしまい、
勝負は第5セットへ…。

残念ながらブラジルに圧倒されて決勝戦進出はなりませんでした。
が、しかし、全日本の選手の一人一人のプレーといい、
その繋がり、チームワークといい、光り輝いていましたね。
根性も座っていたし、技術のレベルも相当に高く見えたし、
ジャイアンツの原監督風に言えば、王者ブラジルと胸を突き合わせて戦っていました。
そして、そういう戦いができるっていうのは、
それだけ全日本のレベルが向上したっていう証左であることは間違いありません。

ブラジルとの差はなんだったか?
体格差はもちろんありましたが、
日本のレシーブ能力はブラジル以上のものがあったと思います。
身体能力の差ももちろんあるでしょうけれど、
サーブや連携の細やかさではブラジルに負けていません。
じゃ、精神力の差だ、なんて、言う方がいらっしゃるかもしれませんが、
僕は精神力だなんて言いたくないですね。
精神力でなんでもできるなんて考えると思考停止に陥ってしまって、
もっと改善の余地があるものも、そのどこを改善するかがわからなくなります。
じゃ、僕はどこを改善したらよいと言うのか。
じゃーーん、「体力」ですよ。
サッカーでも同じようなことを僕は言いますが、ああいうフルセットにもつれて、
それでなおプレーの質を落とさないためには体力だと思います。
いや、技術や連携はもういいよっていう話ではありませんからね。

明日はアメリカと3位決定戦のようですね。
心して、応援テレビ観戦したいです。

今日は負けたけれど、本当に良いものをみたなぁっていう、
心的エネルギーをもらった心地がしました。
心地がしたどころか、本当に活力が宿ってきています。
その活力を、今夜は読書へ向けて、僕の国語能力や知識の向上につなげたいと思います。

明日もがんばってね、全日本!
選手がみんな年下でビビる!
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Twitter対応

2010-11-12 02:32:13 | days
この僕のブログを含むgooブログが
Twitterブログパーツ対応になりました。

早速、左下に貼り付けてみましたので、
おいおい、vitamix(mask555)は何をさえずっているのだ?
とお思いの方は読んでやってください。

そして、Twitterに興味をもたれた方は始めてみると面白いですよ。
んでもって、僕をフォローしてくだされば、もれなくチューしてさしあげます、
老若男女問わずね!
まぁキスって「x」で終わりですけどぉ。

あぁ、舐めたこと言ってんなーって怒ってページを閉じないでください。
良かれと思い、あの、良かれと思って…あぁ…。

なんて遊んでいるうちにお時間です。

これからも、Twitterともどもよろしくお願いいたします。



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