Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

Dance With ONION

2016-02-15 21:10:29 | Fish On The Boat
『玉ねぎ』


玉ねぎって、安くて好きさ。

そして、血液をサラサラにしてくれるっていうじゃなぁい?
たくさん食べたくなってくるよね。

たくさん食べても、安くて好きさ。

ちょっと辛いが生で食べるよ、
ツナと和えてね、マヨも混ぜてね、
ララララおいしい。

玉ねぎって、安くて好きさ。
たくさん食べても、安くて好きさ。





『玉ねぎ2』


玉ねぎって、何層?変装?軍曹?

むいてもむいてもきりがなさそう、
でも、あるよね、何層?

これって正体を隠すため、
何枚もまとっているわけ、変装?

あの辛さと目にしみる感じ、
将校による尋問みたいだね、軍曹?

玉ねぎって、何層?変装?軍曹?
(あっ、そう…)
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続・石沢雅史トイウ人

2008-02-09 17:55:29 | Fish On The Boat
この間、久しぶりに石沢雅史と会ったときのこと。
前もって考えていた“作戦”を実行に移したときのこと。

石沢にこう条件付きの質問をした。
もしもこの質問に正解を出したら一万円を賞金としてだすが、
もしも不正解だったら参加料として一万円頂くというもの。
そして、誰もが知っているような常識内での問題なので、
それほど難しくないし、問題を聞いてからパスもできる、とした。
やってみるかい、と問うと石沢は「やる」と即答した。
問題はこうだ。
「○むけん、この○に当てはまる言葉はなんでしょう」
石沢は言う。
「えー、○むけん?二つ浮かんでるんだけど、どっちかと考えてるんだよね」
僕は言う。
「さー、一か八か、賭けてみたら?」
「そうだなぁ、こっちいっとくか、言うぞ、せえの…、“た”」
と石沢が応えた。
「“た”?いいの?“たむけん”だね?ファイナルアンサー?」と訊くと、
石沢は「おう」と意を決する。
もったいぶって2,3秒くらい間をあけてから僕が正否を告げる。
「ざんねーーーん!正解は“し”です!“しむけん”でしたー」
あごをワナワナと震わせながら石沢はくやしがる。
「そっちかー!いや迷ったんだよねー…」
「はい、参加料一万円」と手のひらを上に手を差し出すと、
石沢はくやしそうにポケットから財布を取り出し、
しぶしぶと一万円札を抜き取って手渡してきた。
「絶対今度それ取り返すからな」と彼は言ったが、
僕はその後、一切この類の賭けには乗らなかった。
こんな、答えをどっちにもできるような問題に疑いもなく乗ってくるあたり、
そしてちゃんと一万円を差し出すこの素直さ、
それが石沢雅史の魅力の一つなのです。へ、へ。
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石沢雅史トイウ人(アトガキニカエテ)

2007-07-30 00:03:01 | Fish On The Boat
石沢雅史から電話がかかってきたのは、午後6時半を少し過ぎた頃だった。
もちろん、このブログに対して言いたいことがあるから電話をよこしたのだ。
「ジンギスカンの話はするな」と石沢は声のトーンを落とし、静かな声で抗議した。
客観的にあの出来事を語っているのを読んでみると、
悲しすぎたから、というのがその理由である。
彼のために書いておくが、このブログの記事を読むだけだと、
石沢雅史という人間は、欲望に凝り固まりながらも柔弱であり、
スケールが小さいながらも独断的な傾向にある人間のように思えるだろう
(そしてそこには常人からちょっとはみ出したようなおかしさもあるし、
常人的なおかしさも含まれている)。
しかしそれは、彼の人生の、ある部分では特殊な
ごくごく一部を切り取って見せたからであって、
現実に接してみる彼は、どちらかといえば気さくで、ほがらかな人物である。
それゆえに、逆説的に彼のことを書いてみようと思いたったのだ。
またいつか、石沢雅史という人について何か書く日があるかもしれない。
そのときは今回とはまた違った方向性のものになるだろう。
そうなるまでは書かないつもりだ。

なーんてね。
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石沢雅史トイウ人(4)

2007-07-28 00:01:31 | Fish On The Boat
石沢雅史はソフトクリームに目がなく、
たびたび「アイスの家」やそういった業種の店に足を運ぶ。
彼にとってのささやかな贅沢の一つなのである。
あるうだるように暑い休日の午後、石沢はいつものように「アイスの家」に車をとめた。
お客が列をなし次々とアイスクリームやソフトクリームを手に各人の車へと戻っていく。
石沢はそれをずっと眺め回していた。まだ買う時ではない。
お客がソフトクリームを持って去っていくさまをじーっと見て欲求を高めていくのだ。
「食べたい、食べたい…」。でも我慢する。まだその時じゃない。
彼は20分そうしていた。ただ眺めていたのだ。そうやって渇望のピークに達した時、
ついに車を出てカウンターに向かった。
そしてソフトクリームを片手に、車に戻る前から舐めた。抜群に美味かった。
石沢はむさぼるようにソフトクリームを平らげていく。
だが、いつもはこうじゃないのだ。欲求を高めるために待ったりなんかしない。
それゆえに、腹がいっぱいで苦しみながら食べることもある。
腹具合を計算できないのだ。欲望に理性が負けるためだ。
そんな石沢雅史を、僕はちょっぴり守ってあげたくなるのです。
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石沢雅史トイウ人(3)

2007-07-27 00:16:04 | Fish On The Boat
短髪がここ数年の石沢雅史のトレードマークになっている。
長いところでも2.5cmほどで、中途半端な角刈りといったありさま。
短髪に変えた当時、会社の上司や仲のいい同僚、友人などには
「職人」「板前」などと呼ばれた。
石沢はそんな他者の反応を面白がっていたし、
鏡で眺める自分の姿にも満足していた。
少しでも髪が伸びると、ムチでおわれた競走馬のように急いで床屋へ赴くくらいだった。
なぜ、そんなに気に入っているかというと、
それは、その髪型が、内に宿すかわいた欲望とは対照的な、
地味でストイックな印象を見る者に与えたからだった。
いわば、仮面の役割をその髪型は果たしていたのだ。
だが、その仮面の地味さゆえなのか、
親戚の3歳になる男の子には軽く見られてしまっている。
彼には「まさし」と名前を呼び捨てにされている。
それどころか、その子のとってほしいものが石沢の近くにあるときには、
石沢に向かって「とってください」「とって」ではなく、
「ウー!」と手を前に伸ばし、どすのきいた声でうながすのだった。
そのあたり、石沢はちょっとはがゆく思っている。
「なんだその言い方は。なんなら自分でとればいいじゃないか」
だが、親戚の子だし簡単に叱っていいものか彼は迷い続けるのであった。
そのような石沢雅史は少しかわゆく見える。
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石沢雅史トイウ人(2)

2007-07-25 00:00:55 | Fish On The Boat
石沢雅史は幼少の頃、ガチャガチャでたびたび不正をはたらいていた。
子供銀行の十円玉を二十円のガチャガチャにインサートして、
景品を盗んでいたのだった。
この精神性は、35歳を迎えた今もなお彼の中に息づいている。
DVDやCDの違法コピーもそういった彼の精神性を示す一つの表れである。
常識や良識といった以前に、個人的な経済的理由のため、
抑えることのできなかった欲望が彼をそういう人間に育てたのだった。
まだ不惑を迎えていないにもかかわらず、
彼は頑としてその生き方に疑問を持とうとはしない。
石沢にもしも子供が出来るという日がきたら、彼はどう変化するのだろうか。
それが楽しみでならない。あるいは変わらないのだろうか。
どちらにせよ、僕は彼を嫌いになれない気がします。
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石沢雅史トイウ人(1)

2007-07-24 00:12:22 | Fish On The Boat
石沢雅史はジンギスカンの匂いを嗅ぐために、
「かねひろ」という味付けジンギスカンの店を訪れた。
そこでは生肉をテイクアウトもできるし、その場で食べることもでき、
店内にはジンギスカンの匂いが充満しているのだった。
「ジンギスカンのにおい、かぎにいこうぜ」石沢はそういって僕を誘い、
僕は静かに同意し、彼の後をついて店内に入った。
けっして、ジンギスカンを食べるのでも、買うのでもなく、
ほんの数秒間、店内に入って肺いっぱいににおいを吸い込むだけ。
そうして、店員が応対にでる前に店を出た。帰宅。
昼ごはんはたまごかけごはんだった。僕もご相伴にあずかる。
「いやー、ジンギスカンのにおいうまかったなぁ」そう石沢雅史は、
ほころび、横にベターっと広がった笑顔で言った。本当にうれしそうに。
うまい匂いだったと確かな口ぶちでかたりながら、たまごかけごはんをすすっていく。
そんな石沢雅史が、僕にはなんとも嫌いになれないのです。
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雪空

2006-12-09 22:23:26 | Fish On The Boat
僕が住んでいる地方の景色はすっかり雪化粧をし、
本格的な冬を迎え始めています。
札幌などの都会へでると、
街のネオンがしんしんと降る雪を照らしていて、
静かに聖夜へカウントダウンしているように見えます。


降る雪、

積もる雪。


重なり合って浮かび上がる、
立体的な賛美歌が聞こえてくるよう。


降る雪、

積もる雪。


人通りの無い冷たい道路の真ん中でかたく丸くなっている猫にも、
暖かな幸運が訪れますように。
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スピーチレス

2005-06-10 00:16:03 | Fish On The Boat
その昔。
自分の時間がたくさんあった頃の一時期です。
一匹のうさぎを追いかけて穴ぐらを探すような毎日を過ごしていました。
僕は少しませていたので、うさぎの穴ぐらの奥には不思議の国が広がっていることを知っていて、
それが目的だったのです。
竜巻にあえて襲われてみるのも一つの手段であることをやはり知っていましたが、
ちょっと過激な方法であるため、敬遠していました。受身であるぶん、てっとりばやくはあるのですが、
できるだけ、事前のリスクが少ないほうがよかった。

そして、ある日、突然、待ち焦がれていたチャンスをつかみました。
穴ぐらを発見したのです。
その先に何があるのか、大体の見当はついてはいます。
しかし、もしかすると、その先は無数の骸が転がっている世界である可能性もあるのです。
それでも、ここまで来た以上、引き返す気持ちは何グラムも持ち合わせていません。

レツゴー・・・。

足の運ぶまま、吸い込まれていくまま、その先を、その先をずっと目指しました。
穴ぐらの景観はだんだん変わっていきます。まず光が届かなくなり、
内部の起伏が少しづつゆるやかになる。足の裏の接する地盤の感触だけが頼りになるのです。
踏みしめることによって、奥へ進んでいることをなんとか知覚する。
一歩一歩前へ足をだしているのだから進んでいるのだろう、という程度ではあります。
手探りして、どんどん周囲が狭くなっていくことを知って、最終的には這って先を目指します。
漆黒につつまれているためか、時間感覚がつかめなくなる。
どれだけたったか、どれだけ進んだか、本当にわからなくなったとき、その道は終わりました。

そして眼前に広がった世界。
それは・・・・、まったく何も無い世界。
僕はひっくり返るでもなく、ただただそこで、あぐらをかいたのでした。
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caution

2004-10-28 23:58:26 | Fish On The Boat
ねえ、ねえ、泣く木って知ってる?栗山の。
あれ、切ろうとした人がみんな死んじゃう木。
あ、知ってる?
こないださー、その木がある道通ったのね。
8時か9時かだったかな、夜の。
それで、誰かが「この辺じゃないか、泣く木あるの」って言ってえ、
もうそのとき久しぶりに泣く木ってきいたわけ。最初なんのことかわからなかった。
・・・あー!あー!って感じ。
それで、みんな泣く木についていろいろ知っていることをちらほら話しだしたの。
最後に泣く木を切った人も湖だったよな、とか、
そば通ると眠くなるんだっけ、みたいなこと。
で、話してるうちに、お地蔵さん?か何かの横通ったのね、で、誰かが「ここ!ここ!今のだ」って言って、
場所は詳しくしらなかったから、あーそうなのか、ここなのかって考えてたら、
急に、急にだよ?車の天井のところがドンッ!って鳴ったの!
かなりの音だよ。思い切りグーで叩いたような音。誰かいたずらしたのかと思ったんだけど、
なんか、みんながみんな、今の誰よ何よ、って顔してるわけ。
ちょっと疲れていながら冗談言い合う雰囲気だったから、まるでそんなイタズラとかって
起こら無さそな感じなの。
それに天井だよ?外から叩かれたような音だったの。
だから、何かが降ってきて屋根にぶつかったのかとも思ったのさ。
その瞬間、今のが「泣く木だ」って誰かがいったんだけど、もうすぐにそれ打ち消して、
スパイダーマンがはりついてるんじゃないか、みてみろ、とかまたふざけた感じに戻って、
泣く木の話をしなくなったのさ。
で、居酒屋に着いて、予約時間までちょっとだけ待たなきゃいけなくて車停めたらまたドンッって天井が
叩かれたような音がして。もう誰も泣く木の話をしてないのにまたかって思ったよ、しつこいってさ。
その音が泣く木だって決まったわけじゃないけど、最初のタイミングがタイミングだし、
誰もその音について説明しないしできないし、不思議だからさ。
あれきっと泣く木だと思った。
ちょっと怖かった。そういうの初めてだから。
心霊スポットとかいっても、たいてい雰囲気が怖いだけだったりしない?
平和の滝もそうだったし。
何かの加減でへんなものが見えたような気がするだとか、風の音かもしれないけれど、妙な音が聞こえた
とかさ、勘違いとすれすれの事しかおきないじゃない、せいぜい、普通はさ。
普通っていうか、仮になにかあったとしてもさ。
「気のせいかもしれないけど」だとか「見間違いかもしれないけど」だとか「○○な気がしたんだけど」
とか、いつも曖昧だったりしない?
怖がるにしても、そういう曖昧なところで十分怖がるじゃない。
それがさ、みんながみんな、8人がはっきり音を聞いたんだよ。あ、雨は降ってないよ。その一時間前くらいまでは
降ってたんだけど、その時は晴れてた。
ほんと、問答無用な感じがするよ、ああいうのって。
映画だとかさ、テレビだとかさ、見てもウソだってわかるじゃない。わかってて面白がるじゃない。
作ってるほうも、こうしたほうが怖いからと思って、そういう意図でやってるんだろうなって気がする
じゃない。それが全然違うんだって、実際。
ほんと、真剣勝負っていうか、笑えないよほんと。冗談通じない感じだから。甘くないから。
よくわかんないけど、シリアスだよ。いきなり強制的にシリアスさの中に放り込まれるっていうのかな。
向こうの、っていうか、なんか感じるんだよね、相手っていうのを仮にだけど思い浮かばさって、
その真剣さっていうの?怖がらせる気って全くなくて、ただ結果的にこっちが怖がるっていうのかな。
しばらく一人では通りたくないね。
あそこは、ヤバイ。
ヤバイ気がする。
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