読書。
『これからの防災・減災がわかる本』 河田惠昭
を読んだ。
東日本大震災の記憶。
被災したわけではないので次のような言い方が誤解を生みそうなことも
考えられるのですが、…3年近経ってその「リアルさ」というものが薄れてきています。
とはいえ、まだまだ復興について忘れたわけではないですし、
福島第一原発事故が収束したとは考えていません。
そんななか、手に取ったのが2008年出版のこの『これからの防災・減災がわかる本』でした。
本書で、これから備えておかなければいけない災害として述べられているのは、
首都直下型地震や東海・東南海・南海地震で、2008年当時にもまったく
(少なくとも公には)東日本大震災は想定されていなかったことがわかります。
だからといって、本書の価値が無いわけではまったくないのです。
これまでの日本の大きな災害や世界の大きな災害を紹介あるところからはじまり、
地震などのメカニズムを簡単に教えてくれて、危機管理や事前・事後対応のありかたなどを
わかりやすく箇条書きのように可視化した形で紹介してくれます。
地震のメカニズムでは、共振という、地震の揺れの波長が建物などの構造物とあってしまうことで、
崩壊する現象が書かれていて、むかしテレビで観たことがあるなぁと改めて学びました。
新しい知識として目立って読めたものには、
専門用語である「正常化の偏見(正常化バイアス)」がありました。
これは、津波警報が出ても、「なあに、二階に避難すれば大丈夫」だとか、
「いつも低い津波だからきっと今度もそうだ」とタカをくくってしまう心理のことを言うそうです。
災害による死亡者の割合では65歳以上の高齢者が多いそうですが、
それは、高齢のために身体の自由がきかないということよりも、
こういった高齢者自身が自身の勘や経験をあてにしてしまうがゆえの判断力の衰えである、
「正常化の偏見」によるものだ、と本書にはありました。
そして、ここが大発見でした。
「自助・共助・公助の意識」というものです。
災害が起こる前は、自分で自分をを助けるべきだという自助の意識、
周囲の人とともに助け合おうとする共助という意識、
自治体や国といった公的機関の助けをあてにする公助という意識は、
1:2:7の割合だそうで、
これが災害後になると、7:2:1に逆転するそうです。
つまり、災害を経験すると、「自分のことは自分で守らねばならない」という意識が大きく育ち、
「国や自治体はあてにならない」という幻滅が生じるということです。
これは真理であると思いました。
自分は自分で助けてやらねばならないという「自助」というもの。
そして、これは災害時に限らず、各人が生きていくうえで一番大切なことなんじゃないでしょうか。
自助は危機管理の上で大事だ、と本書の最後のほうでも再度書かれていましたが、
要するに、スポーツ選手なんかが一時期よくインタビューで答えていたことが多かった、
「危機感を持つ」という意識に直結するのです。
危機感を持つことで、自助の意識が高まるということは、
他人をあてにせずに自分でよく考えるということです。
そうやって、スポーツ選手は成長してきたのかなと思えやしませんか。
「満足しない」という言葉もスポーツ選手からよく聴かれますが、
それも、この「自助」に繋がることがわかりますよね。
そうやって、自助への意識を「危機感を持つ」のと「満足しない」ことで
作っているということになります。
これが、イチロー選手くらいになると、一本一本のヒットに満足する。
満足しないなんてありえないということになりますが、
そうやって超一流の野球選手で有り続けられるのは、
イチローさんはイチローさんなりの、「満足しない」というスイッチ以外の
スイッチでもって、自助の精神をオンにしているからなんじゃないかなと思うわけです。
まぁ、それほどまでに、「自助」は大事でしょうということで、
僕もこの意識は少しづつ高めていくべきで、今は足りていないと思っています。
ということで、そういうところにまで思索が飛んでいきもするんですが、
本書はしっかりした防災や減災の意識付けをする本です。
この方面の基礎中の基礎の知識を教えてくれているので、
自然災害、特に地震の多い日本に住んでいるみなさんは、
読んでおいたほうがいいだろうなぁと思いました。
『これからの防災・減災がわかる本』 河田惠昭
を読んだ。
東日本大震災の記憶。
被災したわけではないので次のような言い方が誤解を生みそうなことも
考えられるのですが、…3年近経ってその「リアルさ」というものが薄れてきています。
とはいえ、まだまだ復興について忘れたわけではないですし、
福島第一原発事故が収束したとは考えていません。
そんななか、手に取ったのが2008年出版のこの『これからの防災・減災がわかる本』でした。
本書で、これから備えておかなければいけない災害として述べられているのは、
首都直下型地震や東海・東南海・南海地震で、2008年当時にもまったく
(少なくとも公には)東日本大震災は想定されていなかったことがわかります。
だからといって、本書の価値が無いわけではまったくないのです。
これまでの日本の大きな災害や世界の大きな災害を紹介あるところからはじまり、
地震などのメカニズムを簡単に教えてくれて、危機管理や事前・事後対応のありかたなどを
わかりやすく箇条書きのように可視化した形で紹介してくれます。
地震のメカニズムでは、共振という、地震の揺れの波長が建物などの構造物とあってしまうことで、
崩壊する現象が書かれていて、むかしテレビで観たことがあるなぁと改めて学びました。
新しい知識として目立って読めたものには、
専門用語である「正常化の偏見(正常化バイアス)」がありました。
これは、津波警報が出ても、「なあに、二階に避難すれば大丈夫」だとか、
「いつも低い津波だからきっと今度もそうだ」とタカをくくってしまう心理のことを言うそうです。
災害による死亡者の割合では65歳以上の高齢者が多いそうですが、
それは、高齢のために身体の自由がきかないということよりも、
こういった高齢者自身が自身の勘や経験をあてにしてしまうがゆえの判断力の衰えである、
「正常化の偏見」によるものだ、と本書にはありました。
そして、ここが大発見でした。
「自助・共助・公助の意識」というものです。
災害が起こる前は、自分で自分をを助けるべきだという自助の意識、
周囲の人とともに助け合おうとする共助という意識、
自治体や国といった公的機関の助けをあてにする公助という意識は、
1:2:7の割合だそうで、
これが災害後になると、7:2:1に逆転するそうです。
つまり、災害を経験すると、「自分のことは自分で守らねばならない」という意識が大きく育ち、
「国や自治体はあてにならない」という幻滅が生じるということです。
これは真理であると思いました。
自分は自分で助けてやらねばならないという「自助」というもの。
そして、これは災害時に限らず、各人が生きていくうえで一番大切なことなんじゃないでしょうか。
自助は危機管理の上で大事だ、と本書の最後のほうでも再度書かれていましたが、
要するに、スポーツ選手なんかが一時期よくインタビューで答えていたことが多かった、
「危機感を持つ」という意識に直結するのです。
危機感を持つことで、自助の意識が高まるということは、
他人をあてにせずに自分でよく考えるということです。
そうやって、スポーツ選手は成長してきたのかなと思えやしませんか。
「満足しない」という言葉もスポーツ選手からよく聴かれますが、
それも、この「自助」に繋がることがわかりますよね。
そうやって、自助への意識を「危機感を持つ」のと「満足しない」ことで
作っているということになります。
これが、イチロー選手くらいになると、一本一本のヒットに満足する。
満足しないなんてありえないということになりますが、
そうやって超一流の野球選手で有り続けられるのは、
イチローさんはイチローさんなりの、「満足しない」というスイッチ以外の
スイッチでもって、自助の精神をオンにしているからなんじゃないかなと思うわけです。
まぁ、それほどまでに、「自助」は大事でしょうということで、
僕もこの意識は少しづつ高めていくべきで、今は足りていないと思っています。
ということで、そういうところにまで思索が飛んでいきもするんですが、
本書はしっかりした防災や減災の意識付けをする本です。
この方面の基礎中の基礎の知識を教えてくれているので、
自然災害、特に地震の多い日本に住んでいるみなさんは、
読んでおいたほうがいいだろうなぁと思いました。
ここが大発見でした。「自助・共助・公助の意識」というものです。災害が起こる前は、自分で自分をを助けるべきだという自助の意識、周囲の人とともに助け合おうとする共助という意識、自治体や国といった公的機関の助けをあてにする公助という意識は、1:2:7の割合だそうで、これが災害後になると、7:2:1に逆転するそうです。つまり、災害を経験すると、「自分のことは自分で守らねばならない」という意識が大きく育ち、「国や自治体はあてにならない」という幻滅が生じるということです。これは真理であると思いました。自分は自分で助けてやらねばならないという「自助」というもの。そして、これは災害時に限らず、各人が生きていくうえで一番大切なことなんじゃないでしょうか。自助は危機管理の上で大事だ、と本書の最後のほうでも再度書かれていましたが、要するに、スポーツ選手なんかが一時期よくインタビューで答えていたことが多かった、「危機感を持つ」という意識に直結するのです。危機感を持つことで、自助の意識が高まるということは、他人をあてにせずに自分でよく考えるということです。そうやって、スポーツ選手は成長してきたのかなと思えやしませんか。「満足しない」という言葉もスポーツ選手からよく聴かれますが、それも、この「自助」に繋がることがわかりますよね。そうやって、自助への意識を「危機感を持つ」のと「満足しない」ことで作っているということになります。これが、イチロー選手くらいになると、一本一本のヒットに満足する。満足しないなんてありえないということになりますが、そうやって超一流の野球選手で有り続けられるのは、イチローさんはイチローさんなりの、「満足しない」というスイッチ以外のスイッチでもって、自助の精神をオンにしているからなんじゃないかなと思うわけです。