日本にはドラマティックソプラノが少ないっていうのはやっぱり体格でしょうか。かのビルギット・ニルソンは、相当大きかったようで、アイーダをよく歌ってたマリア・キアーラ(とっても上手。私が日本で最高のレオノーレだと思ってるYさんは、キアーラを、あの人いいわね、きれいで、と言ってた。そう言えばYさん、ギネス・ジョーンズのことも、ある時とってもきれいに見えた、と言ってた。)が、あるとき歌い終えて楽屋に戻ると、「とっても大きな女の人」が有無を言わさずキアーラを抱き上げて、あなた、なんて上手なの!ってほめてくれたんだとか。キアーラ、最初、誰だか分からなくて、こんな狼藉を働くのはどこの誰かと思ったら、ニルソンだったんだと(ニルソン自身は、あたしは農家の出だから大きいの、と言ってる。)。ニルソンは、最後まで高音を保ってました(1990年台、メトでレヴァインのデビュー25周年コンサートが開かれたとき登場したニルソン、さすがにまとまった歌は歌いませんでしたが、「ヴァイキングの子孫」らしくお祝いする、と言って、ブリュンヒルデの「ホヨトホー」を。相変わらずの力強く、かつ澄み切った高音でした。ニルソンより前のブリュンヒルデ、アストリッド・ヴァルナイの前が、キルステン・フラグスタートで、神格化されてますが、フラグスタートは後年高音がきつかったようで、フルトヴェングラー指揮のイゾルデでは、一瞬高音に飛ぶとこ(むずかしい)は、黒頭さんが代わりに出してるそうな。そう聞いて聴くと、分かります。
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