拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

アナザーストーリー(「紺碧の空」と「ザ・グレイト」)

2020-05-22 10:09:51 | 音楽
「紺碧の空」完成!(朝ドラ「エール」)NHKの働き方改革(?)で土曜日に物語の進行はないこととなったから絶対今日完成することは分かっていた。やはり2番までとか聞くと当時が蘇って感慨無量である。あらためて聞くとワセダらしい。高い「ソ」(移動ド)が連続して出てくる。何も考えないで声をはりあげるにはうってつけである。そこへいくと、慶応の「若き血」はシック。作曲は、おおっ、堀内敬三ではないか!こうした傾向はそれぞれの校歌にも表れている。「都の西北」は「ド」ばっかり(「運命」のエンディングもまっさお)。「ド」以外は大半は「ミ」「ソ」でほぼ主和音である。そこへいくと、慶応の塾歌(校歌)はもっと複雑。慶応出身者でも「若き血」は歌えるが塾歌は歌えないという人がいるが、私は神宮で敵の校歌ながらいい曲だなぁ、と思って聴いているうちにほぼ覚えてしまった。そう、早慶戦には行きましたとも。早慶戦の学生応援席のチケットは簡単にはとれないのだが、サークルに入っていると組織的に手配するから手に入る(団員が練習を休んでかわりばんこにチケット購入の列に並ぶ)。あまりイベントに血がたぎらない面々が多かった室内合唱団もさすがに早慶戦となるとシンジケートを組んでがんばった。ドラマでは、小山田耕三(山田耕筰)が作曲した応援歌があったそうだが、それホント?神宮で歌った覚えがない。歌ったのは、校歌と「紺碧」と、それから「早稲田の栄光」。「早稲田の栄光」は芥川也寸志作曲で、この歌はシックで大好きだった(低音部が半音で動くところがゾクゾクした)。応援部のサイトをみると、他にもたくさん応援曲があるようだ。タモリさんが作詞したものもある。それを聞いたのは「笑っていいとも」のテレフォンショッキングに某女流作家がゲストで出たときのこと。少し前に同番組に出た黒柳徹子が番組の進行を無視してほぼ1時間しゃべり続けたのに対抗して番組ジャックを図った作家が、「あなたいい詩を書いてるじゃない」と言って紹介したのだった(この日こういうこともあった。この時期、タモリさんはカメラに映らないテーブル上で放送できない絵を書くのを日課にされていたが、作家が「あたしがもし今これをカメラの前にかざしたら」と脅したため、タモリさんはその紙を食べてしまった。だが、作家がカメラの前にかざしたのたら猥褻物陳列罪に問われるのは作家である)。ドラマの話に戻る。結局、裕一(古関裕而)が「紺碧」を仕上げることができたのは、ワセダの応援団長の説得のおかげということか。実は、私、裕一が「書けない。西洋音楽なら書ける」と言ったのを聞いて、あるストーリーを考えていた。裕一がシューベルトの「ザ・グレイト」(西洋音楽)を聞いて、で、インスピレーションが沸いて「紺碧」を仕上げる、というアナザー・ストーリーである。ドラマがこのストーリーを取り入れるわけはないが、それでも0.01%くらいはあるのではないか、と思って、今朝はその期待もあってわくわくしながら見たのだがやはりあるはずはなかった(こない馬はとことん来ない)。そりゃそうだ。「紺碧の空」の出だしは「ドーレミ、ソーラド」、「ザ・グレイト」のでだしは「ドーレミ、ラーシド」。似てるのはここだけ。速さも全然違う。これで似てるなんて言ってたら由紀さおりの「夜明けのスキャット」はサイモンとガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」とほぼ同じ曲である(それでも、「ザ・グレイト」を歌ってると、いつの間にか「紺碧の空」になる)。「都の西北」についてもフォローしておこう。大学の入学式のとき、合唱団が校歌を歌った。ユニゾンでドばっかだな、と思いながら聴いていたら、3番でいきなり4度上に転調し、しかもハーモニーが付いた。おおっ、と思った。究極のツンデレである。思わず「結婚して下さい」といいそうになった(ならない)。おろっ、もうこんな分量になってしまった。実は、「紺碧の空」は、ワセダの附属でもなんでもないのに高校時代から歌っていた話も書きたかったのだが、それは次回に回そう。ひとつだけおまけ。「室内合唱団の面々は血がたぎらない」と書いた。古楽を歌っているうちに精気を吸い取られるのだろうか。でも、そこは若者たちである。水面下でおおっぴらに言えないような恋愛沙汰が多数繰り広げられていた。私はそのあたりの情報通であった。墓場まで持って行きたくない、明日死ぬとなったらぜーんぶブログでばらしてやろう。

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1 コメント

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早稲田絡み (神戸の鬚)
2020-05-25 07:59:50
ヒンデミットの「 ウェーバーの主題による交響的変容」フィナーレをぜひお聞きいただきたい。
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