拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

zefiro=西風=そよ風=春の風

2015-08-23 13:02:44 | 音楽
”zefIro torna”(西風もどり~モンテヴェルディとマレンツィオ)の”zefiro”は、その言葉だけ聞くと「そよ風」を思い浮かべるが、「ゼフィロス」(西風の神様)からきてるから「西風」が先だろう。モンテヴェルディらの歌詞も、西風(春風)が吹いて春めいてきたのに我が身は……と嘆く内容だから「西風」が相応しい。ヨーロッパでは西風がそよそよ吹いてきたら春の到来ということで、ボッティチェリの「春」にも神様の姿で描かれてる。同じ画家の「ヴィーナスの誕生」にも描かれてるが、同じゼフィロでも「春」の方は右側にいて青色なのに対して「ヴィーナスの誕生」の方は左にいて肌色で息(西風)を吹きかけている(左から吹いてるのが地図的には西風っぽい)。どちらの絵も中央にはヴィーナスがいて、首がひんまがってるところは同じ(裸体と着衣の違いはある。)。さて、モンテヴェルディには”zefiro torna”が二つあって、シャコンヌ(Zefiro torna e di soavi accenti……)のほかに、”Zefiro torna, e'l bel tempo rimena”がある。後者にはマレンツィオも曲を付けている。「春が来た」と喜んでいたと思ったら”ma”(しかし)ときて、一転、曲想が暗くなる。それに対し、シャコンヌは、繰り返されるメロディーが陽気だから、総じて明るい。

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