拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

"doch"と"aber"(ヴァルキューレは"doch" のみ)

2015-08-31 12:22:50 | 音楽
某国会議員がトーク番組で「きついと思われているが真実ではない?」と聞かれて「×」を出して「私はきつい」と言っていた。このような否定的質問に対する肯定的解答の際、日本語では「いいえ」だが英語では"yes"。ドイツ語では"ja"ではなく(もちろん"nein"でもなく)"doch"。Doch、(この"Doch"のように)"doch"は"aber"(="but")と同じ「しかし」の意味でも使う。私が知ってるオペラでの用法では、自分の発言を自分で訂正する場合が多いかな。例えば、ベートーヴェンのフィデリオの大詰め、大臣が「フロレスタンの鎖を切ってやれ、Doch halt!(いや待て)」とか、ヴァルキューレで、ジークリンデがジークムントの声を「昔聴いた……Doch nein!(いや違う)」等々。もともとヴァーグナーのテキストは"doch"のオンパレードで"aber"は出てこない(こともない。次の記事参照)。ヴァルキューレのテキストを見ても、"doch"はうじゃうじゃ出てくるが、"aber"は一個もない。

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