拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

コウモリ~

2019-07-22 17:43:04 | 音楽
昨日の記事はリンク先のFBで少なからぬ方にイイネを押していただいたが(イイネを下さった方に幸あれ!)、はたしてどの点が良かったんだか分からない。某オペレッタの通唱会企画をあたためている点か、ラインベルガーのミサ曲がよかった点か、やっぱりシュッツが良かった点か、はたまたワインのボトルを三本空にした点か(一人ではありません。四人で、です)。因みに、「某オペレッタ」とはJシュトラウスの「こうもり」である。そういえば、以前、「『こうもり』の通唱会をやったら歌い手は隣の人とキスをしなければならない」とか書いた覚えがある。いざ実現となったらそんなことは言いませんから(言ったら誰も来ないし)。ということで、以下、私の「こうもり」体験。カウンターテナーのヨッヘン・コヴァルスキーを初めて生で聴いたのはウィーンの国立歌劇場の引越公演の「こうもり」だった(オルロフスキー)。某有名音楽評論家が新聞の批評欄にこの公演のことを書いていて、コヴァルスキーが登場した途端に客席から拍手がわいたのにびっくりした、日本の聴衆はいつからこんなに「通」になったんだ、と書いていて、その記事をよんだわれわれは逆にその評論家がコヴァルスキーのことを知らなかったことにびっくりした。そのウィーンの国立歌劇場の「こうもり」はかなり前、元旦にウィーンでも観た。ヴァイクル、デルネシュと言った重量級の歌手が出ていて豪華だったが(デルネシュのオルロフスキーはかっこよかった)、その前の日にフォルクスオーパー(オペレッタ専門劇場)で観た「こうもり」の方が手慣れていて楽しかった。やはり「餅は餅屋」と思った。このオペレッタの映像はたくさん出ていてどれも名演奏。ベームのは往年の名ヘルデンテナー・ヴィントガッセンがオルロフスキーなのが見物だし、プライがアイゼンシュタインを歌ってるやつは指揮がドミンゴで、オケピットで「チェレスタ・アイーダ」を歌い出したりして楽しいし、ボニング指揮のやつは第2幕の宴会シーンでサザーランドがマリリン・ホーンとパヴァロッティを助さん格さんみたいに従わせて出てくるのが豪華だが、やはりすごいのはクライバー指揮のやつ。件のキスのシーン、途中からカメラはクライバーだけを撮す。その指揮ぶりの優雅なことと言ったら。私は残念ながらクライバーの「こうもり」を生で観てない。だが、日本にオケ・コンサートを振りに来たとき序曲を聴いた。振る前に客席に向いて曲目紹介。初日は「Die Fledermaus,Ouvertüre」とドイツ語で、二日目は「コウモリ~」と日本語で。この「コウモリ~」が耳に焼き付いている。もう一曲のアンコールは「雷鳴と電光」だったが(クライバーはこの曲を「こうもり」の第2幕で演奏する)、振り向きざまあまりに早く振り始めるもんだからオケが間に合わず、最初の「ジャン」が鳴らなかったっけ。

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