拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

才能の発見

2010-07-18 20:56:57 | インポート
水木しげるさんの「墓場鬼太郎」(ゲゲゲの鬼太郎の旧名)の復刻版第1巻、どこの本屋さんでも売り切れです。増刷されて8月にはまた店頭に並ぶようです。まさに、大逆転ですねー。ぜんぜん売れなくて、「こんなに収入が低いはずはない」という理由で税務調査に入られた方の漫画が何十年もたった後、私のようなものが本屋さんで探し回るような超ベストセラーになったのですから(その前から十二分、成功されていたわけですが。)。それにしても、40代まで大変なご苦労をされた末に、大成功されたこと、ご本人や奥様が偉いなーと思うのと同時に、才能ってやつは、早くから認められることもあれば、認められるまでうんと時間がかかることもあり(才能自体は早くから開花していても、なかなか認められない、ということです。)、それどころか、一生認められないまんま終わってしまうこともあるんだなー、と改めて考えさせられました。音楽でも、大バッハの真価が初めて理解されたのは、死後、メンデルスゾーンがマタイ受難曲を復活上演した時です。他にも、生前は、批評家に酷評され、死後、本来得られるべき評価を獲得した作曲家がたくさんいます。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲など、初演の時は、「悪臭のする音楽」(その意味は、「鼻持ちならない音楽」だ、という説もあります。私、ロシア語は、「ダー」と「スパシーバ」しか知りませんので、どうなのかは分かりません。)と評されたそうです。いったい、そういう批評家ってぇのは、なんのために存在するのでしょうか。偉い芸術家に試練を与えるため、とか言うのでしょうかね。他方、芸術の真価を見抜いてその価値を広めることに尽力する人たちは、作者と同様、賞賛されてしかるべきだと思います。その意味で、メンデルスゾーンは、本当に偉いと思います。

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