拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

「オッペンハイマー」を見たけど「オッペンハイマー」は買えなかった件

2024-04-02 20:22:43 | 映画

アカデミー賞をたくさん獲った「オッペンハイマー」を見に行ってきた。予め、登場人物が多くて一回見ただけじゃよく分からないと聞いていて、ありゃ、それじゃ私には難しい、なにしろ私は顔認証能力がとことん低いから、と二の足を踏んでたんだけど、ここは一発「勇気」を出して行ってきました。噂は本当。最後まで名前と顔・性格・役回りが一致しない人が大半。同時並行的にいくつかの取調べシーンが進行するんだけど、それが何を審議してるかもほぼ分からずじまい。なのに、どんどんはまっていって、尺の長さはまったく気にならず、とーーーっても面白かった、でも全然分からなかったから勉強してまた来よう!二度目のゴジラよりも先に、こちらの二度目を先に行こう……これが感想。以下、なるべくネタバレにならないような、私らしい本線からそれた感想をいくつか。

断捨離に励んでる今、買わないと決めたパンフレットだったけど、とにかく分からないことだらけだから買わないワケにはいかない。だから、買いました。私みたいな人が多かったようで、パンフレットの売れ行きは(1200円もするわりには)好調のようでした。あと、先週見に行った「砂の惑星PartⅡ」もパンフレットを買ったんだけど、あっちは原作の改変の理由が知りたかったから。あっちもワケが分からないと言ってる人が多いみたいだけど私はよく分かった。原作を随分読んだからね。

こんな社会派のテーマの映画で、R15って、やっぱりそういうシーンがあるってこと?あるってことでした。

劇中に、ある女性の登場人物を「プリマドナー」と形容するシーンがあった。「プリマドンナ」みたい、ってことなのでしょう。「高慢」「偉そう」「上から目線」「漱石の小説に出てきそうな女」って訳がぴったりの方でした。

私がどんなに顔認証能力がないかっていうとね、この映画に「アイアンマン」(を演じた俳優さん)が出てるんだけど、私、最後まで別の人をアイアンマンだと思ってた。パンフレットを見て初めて勘違いに気づいたのでした。で、そのアイアンマンの俳優さんの役名が「ストローズ」。へー、ドイツ語名の「Strauss」(シュトラウス)は、アメリカ南部の発音だと「ストローズ」になるんだ!

細部がからきし分からなくても原爆を作ったアメリカの科学者っていう基本線は知ってたから、「脱落」しないで済んだのだろう。広島・長崎に投下するシーンはないとは予め聞いていたけど、そのシーンがなくても、作り手の罪悪感はよく伝わってきました。一つ、高校時代のことを思い出した。英語の時間に先生がアメリカからの留学生を教室に連れてきて、いろいろお話をしたなかで、その留学生が「アメリカが日本に原爆を落としたことについて、日本人がアメリカ人のことを恨んでないか心配してる」と言うのを聞いて、へー、公の場では、アメリカ人は、原爆投下は戦争終結のために必要だったんだと言ってるけど市民レベルではこんな風に思ってる人もいるのか、と思った。逆に、アメリカ人って、ああ見えて実は弱い人が多くて(だから、よく泣きよく慰めてる)、自分に言い訳をしなければ受け止められないのかな、とも思った。それにしても、腹立たしいのはあそこまで戦争を長引かせたこと。半年前にやめてれば原爆投下も沖縄戦もなかった。

オッペンハイマーを見たから、ドイツのライン地方のワインの「オッパンハイマー・クレーテンブルンネン」を買おうと思ったんだけど、映画館が入ってるショッピングモールにはなかった。代わりにフランケン地方のワインを買いました。

フランケン地方のワインは、瓶のこの形が特徴的。

追記。映画の音楽はほとんどが弦楽合奏。面白かったのは、オッペンハイマーの講義が最初受講生一人で始まったときのBGMはヴァイオリンのソロ、だんだん受講生が増えるごとにソロがソリになり、合奏になっていったことでした。



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