拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

「ク」と発音したくなるのは人情?

2015-01-28 09:56:07 | 音楽
カンタータの第4番(バッハ)の歌詞に「verkuendigt」がある。元の形は「verkuendigen」で発音は「フェルキュンディゲン」だが、「……digt」になると発音は「……ディヒトゥ」になる(はず)。でも、ほんとだろうか?ドイツ人の多くは「……ディクトゥ」と言ってる。元が「……ゲン」だから「……クトゥ」と言いたくなるのが人情!?もしかして、「ヒ」と言ってるのはハンブルクの人だけ?(ハンブルクの人は、自分たちの街を「ハンブルヒ」と言う。)だもんで、今さらながら調べる。独和大辞典では、件の単語の原型の発音記号に「( )2」が付いてる。これは「語形変化に伴うクとヒの転換」を意味する。「ヒ」に一票。それから、Wiktionary(ネット辞書。これ、変化形にも発音記号が付いてて重宝)では明確に「ヒ」。これで二票。で、決定打=バイエルン放送協会のラジオニュースを聞いてたら、「kuindigt」がたくさん出てきて、アナウンサーは全員が「ヒ」(一人、レポートをした記者らしき人が「ク」だった。)。バイエルンはハンブルクと逆で、「ヒ」も「ク」になる土地柄。そこで「ヒ」なんだから、標準語は「ヒ」でよいようだ(とか言っても標準語を話すのはアナウンサーくらい。だから、いろんな発音がある。)。とにかく、解決!ところが、まだくすぶってる問題がある。件のカンタータの第5曲、コラール旋律を歌うアルトは「……digt」だんだけど、他のパートは「……diget」(「e」が入ってる)。音に合わせるため(=語呂合わせ)に「e」を入れたり取ったりするのは日常茶飯事。すると困った。「e」が入ってたら「……ディゲットゥ」と読まざるを得ない。同じ曲に「ク(グ)」と「ヒ」が混在する?

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