拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ケチャップ

2024-05-09 09:01:20 | グルメ

五文字のイタリアンのイカ墨の色が薄くなっていてびっくり。

メニューには「口が汚れない」ように「セピア色」に「改良」したとあるが、私には、円安による材料費高騰のおりイカ墨をケチったように感じられてならない。ネットでは賛否が渦巻いているらしいが、私は、イカ墨と名乗る以上は黒光りしていてほしいクチである(黒くなったクチは拭けば済む)。

イタリアンと言えば、私がスパゲティを食べ始めたのは学生の頃、主に喫茶店だったが、メニューにあったのはナポリタンとミートソースのみ。そのナポリタンはイタリアのナポリとは関係なく日本のオリジナルであるという話は随分人口に膾炙しているところだが、ミートソースも同様で、イタリアで挽肉を使ったボロネーゼは茶色いがジャパニーズ・ミートソースは赤かった。そう、ナポリタンもミートソースも味付けの基本はケチャップだった。

そんな私に初めてケチャップ味でないイタリアンを味わせてくれたのが五文字のお店である。当時、このお店は上場前で、厨房には白い服を着たシェフがいて、店内で「調理」をしていた。私のお気に入りは「ディアボラ風焼肉ハンバーグの盛り合わせ」と「牛肉カルパッチョ」であった(どちらも今はメニューにない)。その後、このお店は上場して外食産業を代表する大会社となった。そして、厨房に白い服を着たシェフがいなくなった。そもそも包丁が使われてないそうである。まあ、そのくらいのコストカットをしなければこの値上げラッシュの中、現在の価格を維持できないのだろう。

その後、世の中がイタ飯屋さんだらけになり、ケチャップ味でないイタリアンに慣れ親しんでる今日この頃、事件が起きた。豚の挽肉を半額で買ったので、ミートソースにしようと思いスーパーにトマト缶を買いに行くと、なんとトマト缶の列が空っぽ(これが事件)。円安による物価高で生のトマトが買えないから消費者が皆トマト缶に飛びついたのだろうか。そのときひらめいた。冷蔵庫にケチャップがある。オムライスくらいにしか使わないから量はたっぷり残っている。もともと私のイタリアンのお里はケチャップ畑。お里に戻ろう、ケチャップでミートソースを作ろう、と思い立ったのである。そして、実行した。甘かった。お里は遠くなりにけり、と思った。

ところで、イカ墨料理があるのになぜタコ墨料理を聞かないのだろう、と思ったら、タコ墨は体の奥にあって取り出すのが大変だから、あと、イカ墨よりタコ墨の方がさらさらなので食材にからみにくいから、ということらしい。

因みに、ともに軟体動物であるイカとタコはそれぞれ進化(?)して怪獣になっている。イカの怪獣はゲゾラであり、タコの怪獣はスダールである。「ゲゾラ」は「ゲソ」から来てることは容易に推測できる。「スダール」は「酢だこ」から?と思ったら当たりらしい。いずれの命名者も居酒屋の常連に違いない。ところで、ゲゾラは体が大きいことのほか、これといった武器を持ってない(クチから殺人墨光線を吐いたりしない)。なら、ダイオウイカとたいして違わないのではないか。ダイオウイカを差し置いてあえて怪獣として登場させる意味があったのか?スダールは「ウルトラQ」に登場した怪獣だが、ウルトラQ放送時はダイオウイカの認知度が低かったのかもしれない(深海における生態をNHKが大騒ぎして放送したのは最近のことである)。



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