ヒルデガルト・ベーレンス

何としたこと、数日前、２年下のＭ君へのお返事でヒルデガルト・ベーレンスのことを書いたとき、亡くなってたって知らなかった。しかも、日本で亡くなってたんですね。ベーレンス、私は１９８０年代のバイロイトの指輪のブリュンヒルデで、大好きになった。ブリュンヒルデって、ドラマティックソプラノの役なんで、野太い声の人が歌う。メゾ・ソプラノが歌ったりもする。そういうとき、高音がかなりきつい。ところが、ベーレンスは上にいけばいくほど声が澄んでいきます。８５年だったかな、バイロイトのＦＭ聴いてたら、ベーレンスが不調というアナウンス、でも、歌って。どこが不調なの？ていう感じ（特に高音）。同じことを生で感じた。小澤征爾指揮の演奏会にベーレンスがきて歌うってんで楽しみにしてたら、始まる前に小澤さんが（息子さん、１０時からのドラマで出てました。「さくら」も見てましたよー）、そそくさと舞台に出てきて、ベーレンスが不調、だけど、とーってもいい人なんで歌ってくれる、って言って、たしかに風邪かーと納得するところがあったけど、高音はどこが不調なの？っていうくらいまったくいつものとおり。大体風邪ひくと高音が出なくなるのに。その後、トモワ・シントウとのジョイント・コンサートも聴きました（なんでも、お二人のお子さん同士がご夫婦だとか）。で、数年前、ルネ・コロとヴァルキューレの第１幕の二重唱を歌うってんで、こんなずっこいことない（コロのジークムント（ジークフリートではない。）って、超魅力的）、と思って行ったらベーレンスはキャンセル（代役はマルトン。）。トモワ・シントウとのジョイント・コンサートが生で聴いた最後でした。合掌。