日当たりの良い場所にあるカエデは、
すでに一週間以上前から色づき始めていたのだが、
このところの冷え込みでその色づきも本格的になった。
真下から捉えたカエデ紅葉は、
この時期だけの自然界の彩であり感嘆ものだが・・・・
彩られた葉を自らの木漏れ日で演出しているのも面白いし、
陽に透かされた一枚一枚の葉脈の赤さも面白い。
木漏れ日によってもたらす「陽」と「陰」も、
様々なアングルで撮ってみたいと思わせるに十分である。
巻頭の写真のように、雑木の幼木越しに撮って見ても面白い。
が・・・・・
年に一度の紅葉をバックにして幼木に焦点を合わせると、
この時期にしか得られない面白さがあった。
「陰」の部分があってこその「陽」であるのだが、
陰に焦点を合わせると・・・・主題が陽ではなく陰に変化する。
つまり主題によっては陰が陽に変わりうるということかもしれない。
で・・・・
下の写真は雑木の中の赤いガマズミの実に焦点を合わせた。
こうなるとカエデ紅葉は当たり前のように主題から外れてゆく。
が・・・
カエデの赤い色がなければ詰まらない写真になってしまうのである。
紅葉は移ろい行く自然のひとつだが、
周辺の草木や昆虫も、その紅葉を見る人間もまた自然の移ろいのさ中にあるということである。