MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

素晴らしき谷津の里山、谷津ミュージアム(我孫子市)逍遥(2)

2013年11月20日 | あらかると

昨日は谷津の両側に広がる里山の道のうち、
東我孫子カントリークラブとは反対側を紹介したが、
今日はその道程の間の光景などの写真を。

谷津は耕作地と、耕作放置部分とに分かれているが、
収穫シーズンの終わった晩秋は、
耕作放置区域の荒れ野原の光景が写真的には面白い。

今回遭遇したのはやや強い風に舞っていた「荻(おぎ)」の穂綿で、
風に吹き上げられ、陽の光を受けきらきらと舞っていた。


風に踊らされている荻の穂は、
すべてブレて写っているが、このブレこそが当日の風模様であり、
写真から風を感じることができれば幸いである。


蒲の穂も開きかけて綿を見せ始めているが、
やがてこれも風に吹かれて舞っていく。
蒲の穂の体積自体はさほど大きくはないが、綿穂になると10倍近くに増えて、
あちこちに運ばれ、風がさえぎられた場所には穂綿の吹き溜まりができることがある。
ときには、蜘蛛の巣に纏わり付いて巣の機能を低下させることもある。


谷津の地形のためか或いは南風から西風に変化した為か、
荻の穂は右から左へと煽られていた。
太陽光も斜光となり日暮れが近いことを感じさせる。


15時を過ぎると荻野原や葦原も日陰が多くなってきた。


谷津は両側の里山で守られているためか、
やや暖かさが残っているようで、昆虫の蠢きや
寒波襲来で大津川周辺から消えてしまった蜻蛉の飛翔が見られた。
ため池のような湿地があちこちで見られ(人工的なものはビオトープと呼ばれる)、
動植物の多様性の存在が感じられた。


写真を撮っているとイトトンボが足に止まったので捕まえた。
夏に比べれば動きも鈍く、青さが美しいはずの体色も褐色に近かった。
まん丸の複眼や体の特徴からオオアオイトトンボのようである。


野菊もあちこちに咲いていたが、
その殆どは葉に光沢がありすべすべとしていたなどの特徴から、
カントウヨメナ(関東嫁菜)と思われる。


途中で出会った地元の女性の話によると、夏が特別に良いようで、
満月のこもれびの下で見た「ホタル」は素晴らしかったとのこと。
写真を撮ることが好きだということで、
別れてから暫くして振り返ると、何かを撮っている最中だった。

この女性には谷津について様々なレクチャーをしていただいたが、
この谷津を知ってからまだ1年もたっていないというのに、
谷津については知らないことがないほどに熟知していたのである。


春夏秋冬にかかわらず、時間があったら何度でも写真を撮りに行きたい場所となった。
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