港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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卒業論文の想い出

2023-10-30 10:02:50 | 建築
卒業論文の想い出といっても昭和40年(1965年)ごろで随分昔である。
建築学科は卒業論文と卒業設計を両方出さねばならなかった。
テーマは、掲示板に張り出されていて、菊竹清訓先生(当時講師だった)の「商店街の研究」というものを選んだ。
当時、菊竹事務所は、東急田園都市構想の仕事を受けており、それに役立てる資料をつくるために卒論のテーマをだしたのだと思う。
菊竹先生のテーマは3つほどあり、一つのテーマで複数の人がかかわってよいことになっていた。
わたしはO君と一緒にこの商店街の研究に取り組んだ。
商店街は、当時典型的なサラリーマンの住宅地の核となっている私鉄の駅前の「下北沢」、「三軒茶屋」、「学芸大学前」の3つを比較することであった。
当時は、まだスーパーマーケットなどはあまり普及していなくて、どこも小規模な小売店舗が集積した商業地であった。
私はこの商業地で下町的雰囲気でにぎわいがある「下北沢」、「三軒茶屋」が特にひかれた。
打ち合わせは菊竹事務所で行われたが、菊竹事務所は当時全盛の時で、事務所の中はぴりぴりしたような緊張感があった。
打ち合わせは菊竹先生はほとんどでてこず、入ったばかりの新人社員が担当でうちあわせをした。
眼鏡をかけ、神経質そうな頭のよさそうな社員であった。それが伊東豊雄氏であった。
現在では、ややふっくらして穏やかな雰囲気があるが、当時は隙のない、きりりとした様子であった。
商業地を比較する場合、消費者がその商業地について、どのような利用をしているかまたどのような感想を持っているかが重要である。
その周辺の住宅地を一定間隔で選んでアンケート調査を行った。
今では考えられないが一軒、一軒訪問して聞き取り調査を行った。
当時は専業主婦が多く、ほとんど在宅しており、いやな顔せず、アンケートにこたえてくれた。
それどころか「あなたまじめな大学生ね」とほめられ、「うちの娘を紹介するわ」と娘さんが顔をだしたりした。
都市計画での施設の利用圏域の重要性を認識し、その後、利用圏域の研究に取り組んだ。
卒論何とかまとめて、提出した。田園都市構想にどのように使われたかはわからないが。



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