パリ(Paris)は都市計画された街だ。ガイドブック的に言えば「セーヌ川の中洲・シテ島に先住民・パリシイ族が住みついたのは紀元前。ローマの支配を経て5世紀ころからフランスの首都として本格的に街が拡大しはじめた」とでもなろうか。19世紀に大改造が行われ、現在の街区が形成された。ルーブル美術館に建つカルーゼル凱旋門から、コンコルド広場・シャンゼリゼ通りを経てエトワール凱旋門に至るラインが、パリの歴史軸だ。 . . . 本文を読む
パリではスリに気をつけるよう、息子からも忠告されていた。しかし危険は他にもあった。犬の糞である。石造りの建物が連なる街路を、しっとりとした光沢を湛えて延びて行く石畳の歩道。それは世界遺産の街へと誘う情緒あふれるプロムナード、であるはずだ。しかし点々と犬の痕跡が散らばっているのは何故だ! 形をそのまま残したもの、踏まれて滑った跡を印しているもの、足下に集中していないと、いつ餌食になるかわからない。 . . . 本文を読む