職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

「山小屋暮らし」と「砂利道」と「戦争詩」と「智恵子抄」……を組み合わせて、自分の「魂の置き場所」を

2006-11-07 08:20:20 | Weblog



■〈すこやかみなみネット通信11月号〉がきょう発行になった。
 いつもより1週間遅れ。
 職員会議が10/30、学年会議が11/1という設定だったからだ。

■通信は、臨時号を除いて、通常A4版12ページはめこみ式だ。
 今回の各ページの見出し。

(1)教育改革は学校・家庭・地域の連携から
(2)(参観授業後の)思春期子育て講座のご案内
(3)~(4④ブレないで可能性を信じて教育実践を積みかさねよう(本校の経営の重点と教育再生会議)
(5)1学年通信 特集 盛況だった親子レク
(6)2学年通信 特集 職場体験学習始まる
(7)3学年通信 特集 八戸市合同音楽祭感動のステージ
(8)保健便り〈ほっと〉冬じたくは進んでいますか?
(9)部活動など大会結果 科学部県大会で好成績
(10)部活動実施計画
(11)教務月報
(12)600字の教育学




 この最後の「600字の教育学」コーナーで、9月号から「2学期始業式・式辞のつづき」として「魂の置き場所を求めて」を連載してきた。
 ずっと書きつづけたいのだが、いつまでも2学期の始業式・式辞をつづけるわけにはいかない。
 今回で終わることにする。

     ◇

■600字の教育学=2学期始業式式辞のつづき。
 前回は、S27年、高村光太郎が、十和田国立公園記念碑・智恵子夫人像の完成後、再びこの小屋(光太郎山荘)に帰るつもりで、(栄養障害と結核で)血を吐きながら東京に向かうところまで書いた。



■山荘駐車場の脇に赤いレンガづくりの小さな食堂&売店「詩の森」がある。
 メニューの中に「光太郎そば」「冷やし光太郎そば」というのがあった。
 せっかくだから、冷やし光太郎そばを注文する。
 「よくかき混ぜて食べてください」と女主人がテーブルに運んできたそばの上には、ネギ、納豆、卵、ワサビなどが盛りつけてあった。
 20歳の頃、一度やってきたことがあるが、この店のことはまったく記憶にない。
 たぶん、「詩の森」は、まだなかったのだろう。
 そのときは、案内してくれた土地の人がもってきてくれた弁当を、光太郎山荘の裏山にある、クリや松、コブシ、コナラ、ハンノキなどに囲まれた「智恵子展望台」で食べた。








■軽い食事を済ませたところだと言われましたが、おむすび一個を呈上し、たくあんの漬物でいっしょに食事をしました。(『言葉はどこからどこへ』(宮地裕)から引用)
 光太郎がお茶を入れてくれました。
 「夏を越すのは二度目だが、夏は疲れるから、日中は仕事に出ない。
 畑は五畝ほど。
 野菜などの副食物を自給するつもりでいるが、なかなかできない。
 耕具・肥料・殺虫剤、みな不足で困る。
 しかし、いずれは一反までは耕作して、アトリエも近くに建てて、農業と彫刻を両立させたい。
 一年の耕作の予定はよく組むが、思うようにはいかない。
 夜のランプの油が悪いから本が読めない。
 ろうそくは高くて買えない。
 彫刻の材料も木もない。
 今はただ刀がさびないように研いでいるが、近く、小さい物から彫りたいと思っている。(中略)
 それにしても夏は体が弱る。
 冬、小屋の北側はすっかり雪にうずもれる。
 南側にも三尺ほど雪が積もるが、私は血色がよくなって元気が出る。」
 

■照れくさいが、転記しながら、わたしは、光太郎の「一反までは」を、あるいは「アトリエも近くに」を、あるいは「近く、小さい物から」を、これからやろうとする自分の教育の仕事に置き換えている。
 すなわち「山小屋暮らし」と「砂利道」と「戦争詩」と「智恵子抄」……を組み合わせて、自分の「魂の置き場所」をつくりだし、そのうえに「自分の教育の仕事」を築いていこうと決意しているのだ。
 ここを再訪してよかったと思った。
 ここを離れなければいけない時間が近づいている。
 ここに最初にやってきた青年(=過去のわたし)と案内者のことを、もう少し書きこまなければならないとも思うが、青年も案内者も、ここに立っている、頭髪が減りはじめ、鬢に白髪が目立つようになった「男」には気づかないだろう。
 だから、もういい。




■帰路は、光太郎の山小屋から、はなむけ号で花巻駅まで。
 来るときはゆるやかなのぼりだったから、逆にここから花巻駅へは快適なくだり10㎞になる。
 そして、花巻駅から16:02発のJR快速はまゆり、盛岡駅から16:34発の IGRいわて銀河鉄道と乗り継ぐ予定。
 と思っていたら、突然の僥倖。
 光太郎山荘前のバス停に、岩手県交通の、これまでに見たことがないようなすすけたバスが止まっている。
 これにはなむけ号をのせる。

■画像は上から、①光太郎山荘に到着したはなむけ号&山荘周辺の風景&光太郎畑 ②食堂内&食堂のメニュー ③小屋の障子 ④智恵子展望台からの眺め ⑤岩手県交通バスに乗り込む直前のはなむけ号。

[2006年11月07日(火)]

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