◆先述したように、2度目の〈詩の土砂降り大会〉をやるまで、高村光太郎のことはすっかり忘れていた。 だから、光太郎について論じる資格もないし、もちろんその体力も備わっていない。 今、わたしがやろうとしていることは、やれることは、①「太田山口の山小屋暮らし」と②「原野と畑の間を縫う砂利道」と③「戦争詩のすべて」と④「いわゆる智恵子抄として一括りにされる詩編の中の2、3編」とから、〈7/21~8/15 孤独な魂が還る場所を求めて〉というテーマのなかにある「場所」の像を結ぶことだけだ。 ■軽い食事を済ませたところだと言われましたが、おむすび一個を呈上し、たくあんの漬物でいっしょに食事をしました。 光太郎がお茶を入れてくれました。 「夏を越すのは二度目だが、夏は疲れるから、日中は仕事に出ない。 畑は五畝ほど。野菜などの副食物を自給するつもりでいるが、なかなかできない。 耕具・肥料・殺虫剤、みな不足で困る。 しかし、いずれは一反までは耕作して、アトリエも近くに建てて、農業と彫刻を両立させたい。 一年の耕作の予定はよく組むが、思うようにはいかない。 夜のランプの油が悪いから本が読めない。ろうそくは高くて買えない。 彫刻の材料も木もない。今はただ刀がさびないように研いでいるが、近く、小さい物から彫りたいと思っている(中略) それにしても夏は体が弱る。 冬、小屋の北側はすっかり雪にうずもれる。南側にも三尺ほど雪が積もるが、私は血色がよくなって元気が出る。」(『言葉はどこからどこへ』(宮地裕)から引用) ■照れくさい話だが、転記しながら、わたしは、光太郎の「一反までは」を、あるいは「アトリエも近くに」を、「近く、小さい物から」を、これからやろうとする自分の教育の仕事に置き換えている。 すなわち「山小屋暮らし」と「砂利道」と「戦争詩」と「智恵子抄」……を組み合わせて、おそらくどこにもない「場所」をつくりだそうとしているのだ。 ここに最初にやってきた青年と案内者のことを、もう少し書きこまなければならないとも思うが、青年も案内者も、ここに立っている、頭髪が減りはじめ、鬢に白髪が目立つようになった「男」のことは知らない。だから、もういいだろう。 ■いよいよ小屋を離れる時間になった。 花巻駅発16:02のJR快速はまゆり、盛岡駅発16:34の IGRいわて銀河鉄道と乗り継ぐ予定だ。 来るときはゆるやかなのぼりだったから、逆にここから花巻駅へは快適なくだり10㎞になる。 と思っていたら、岩手県交通の、これまでに見たことがないようなすすけたパスが来た。 これにはなむけ号をのせることにした。 ■画像は、上から「智恵子展望台からの眺め」「小屋の障子」「やってきた岩手県交通バス花巻駅行」 にほんブログ村 ★わたしの公式ホームページにも、ぜひ、来てください。公式ホームページには、トータルの、全身の、わたしが存在します。待ってまっせぇ~ィ !!!!!!!!!! ☆公式ホームページへ ★わたしのWEB無人駅線のページにも、ぜひ、来てください。あっというまに、魂が無人駅線の世界に、全身、移動できます。待ってまっせぇ~ィ !!!!!!!!!! ☆WEB無人駅線ページへ |
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