職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

今月は通常の仕事のほかに講演とかシンポジウムとかを何本も引き受けてしまい、身も心もボロボロになった

2007-10-30 20:44:21 | Weblog


★みなみ中の窓外の風景もすっかり秋になったよ

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◆土・日は、たいていいくつか仕事を抱え込んで迎えることになる。
 それをスカッとぜんぶやり終えることができればいいのだが、たいていは多くを残したまま、鬱々と月曜日を迎えることになる。
 しかし、10/27(土)・28(日)は、はじめから仕事をしないことに決めていた。
 今月、通常の仕事のほかに、講演とかシンポジウムとかを何本も引き受けてしまい、身も心もボロボロになったからだ。
 ゴロゴロして、新しい意欲がわきあがるのを待とうと思った。

◆28(日)は、雲ひとつないお天気だった。
 朝、7時40分に出発し、9時に猿倉温泉に到着。
 北八甲田側に、室内の湯船2つ、露天2つ。
 南八甲田側に、露天2つ。
 まず、北八甲田側の湯船に入る。
 先客はひとりだった。
 真正面に高田大岳を眺めながら、露天に浸かる。
 山頂付近を雲が流れていく。
 猿倉は今回がはじめてだったので、即、沈潜、瞑想というわけにはいかないが(わたしは何度も通い、慣れないと「瞑想」状態に入ることができない性分)、「80分間」で、こういう非日常的な空間に至れるというのは、最高だ。

◆まず、自分の教師としての素朴な思いから述べる。
 教師になって10年間くらいは、中学生は、中1より中2、中2より中3と、知的にどんどん生意気になり、中3ともなると、「先生は今、芥川龍之介の死と白樺派との関連について述べられましたが、具体的には白樺派のだれですか? 具体的な作品もあげて説明してください」とか、「先生は今、日光東照宮のケバケバとした色彩がキライだとおっしゃいましたが、それは先生に美術史的な教養が欠けているからではありませんか?」とか議論をふっかけてくるものだ……と思っていた。
 だから、授業中、軽率なことを言ってはいけないと身構えているところが、わたしにはあった。
 ところが、その後、こうとは限らない、すなわち、知的にどんどん生意気にならないこともあるのだということがわかってきた。

 途中の説明ははしょる。

 これ以降のわたしの教師(学級担任・国語科担任)としての実践は、すべて、中1より中2、中2より中3と、どんどん知的に生意気に育てるための挑戦だった。

◆下記の「朝と帰りの会で育てる」もそうだ。(ずっと以前の職員室通信の記事の再掲)

〈ねらい〉
(1)会話の中で適切に接続詞(接続語)が使える中学生
(2)公的な場で適切な声量で、かつ明瞭に話せる中学生
(3)政治・経済について語れる中学生
(4)日本国家のことについてわたし(小高)と議論ができる中学生。

〈実践〉
1.帰りの会の〈30秒間スピーチ〉で鍛える
(1)30秒間スピーチ。1日2人。
(2)スピーチの中に必ず3種類の接続詞を含ませる。
(3)教室の後ろに接続詞一覧表を掲示。
  (逆接 しかし・だが…… 順接 それで・すると・だから……)

2.国語科の壁読み(音読)で鍛える
(1)国語の時間(最初の3分間)に、一人一人、教室の4面の壁に向かって立ち、教科書の指定された範囲を各個に音読する。
(2)3分間のうち初め1分間は発声練習。北原白秋の『五十音』

3.朝と帰りの会の〈係・委員の発表〉で鍛える
(1)係・当番・委員・役員は原則として前に出て発言させる。
(2)教科係も前に出てていねいに発表させる。大事なところは繰り返させる。(聞く生徒には、教室じゅう、カッカッカッカッ……と音がして生徒の肩が波打つくらいにメモを取らせる。)


4.帰りの会の〈書く時間〉で鍛える
(1)帰りの会のプログラムの中に、毎週1回、200字程度で書く時間を設定する。
(2)テーマは、国内外の諸問題・事件、学校・学級・家・自分に関すること。
(3)本人の了解を得た上で(場合によっては匿名で)、次の日の「担任の先生の話」の中で紹介したり、学級通信に掲載したりする。

5.読書で鍛える  ←現在の学習指導要領下では不可
(1)毎週1時間(5時間のうち)、読書の時間を設定する。
(2)つづきを家で読みたい場合は、時間の終わりに学級の図書委員が貸し出しの手続きをとる。

 計画的に検証をしたわけではないので、個人の変容や集団の変容についてのコメントは控える。
 しかし、いろいろ試みたなかでは、〈30秒間スピーチ〉〈壁読み・発声練習〉〈カッカッカッカッ……のメモ〉などについては、手応えがあり、確実に子どもが変わっていく、育っていくという実感があった。
 先生方もいろいろ実践例をお持ちのことと思う。
 その実践と教科指導とを連携・融合させて、中1より中2、中2より中3と、どんどん知的に育てることに挑戦してほしい。

◆上記のわたしの実践に関連させて、今後のみなみ中の教育について、2点。

 1点は、やはり読書だ。
 教師の感動話や説諭だけでは、子どもは絶対に知的に育たない。(10/25『図書だより』によると、2年生の図書室利用が極端に少ない。体>知の3年生になるのでは……と恐れている。)
 読書意欲を高める方策をいくつか……。
(1)友人とか教師とか人を介して「わたしも読んでみよう」という意欲につながることが多いので、「この本はよかった」という話題を広げる工夫を。
 また、わたしは、書物の一部分を印刷して配ったり、音読(いわゆる読み聞かせ)したりして、つづきを読むことを推奨した。

(2)前号で、みなみ小が、これから学習する単元に関係する本のリストを配布するという例を紹介したが、他に、これから学習する単元に関する本を抜き出して、いわゆる「別置コーナー」を作る方法がある。
 例=理科・単元「生命を維持するしくみ」嘉瀬先生が推薦する書物。
 このなかに、「単元とは関係ないが……」と別種の書物を2、3冊ひそませるのもおもしろいかもしれない。

 2点は、音読だ。
 授業のポイント、ポイントで「みんなで読んでみましょう!」とガンガン音読させたい。
 「いっしょに読みましょう」
 「全員起立、3回読んだら座りましょう」
 「念のためにもう一度」
 すべて音読! いつでも音読! 何でも音読!
 音読は思考を活性化させる。
 ただし、現在のみなみ中の音読は、国語科も含めて、声に張りがなく、テンションが低く、音読しないよりはマシというレベルにとどまっている。
 力強い、張りのある、明るい声を出すには、やはりそれなりの心構えと訓練が必要である。
 立つ姿勢、頭の角度、教科書の持ち方、息の使い方、口のあけ方、声の出し方、正しい発声などがしっかりしていないと、はっきりした声は出せない。
 「いっしょに読みましょう」で一瞬のうちに上記の条件がクリアーできるようにしたい。


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