万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

南シナ海問題―日本国政府は司法解決に向けてフィリピン支援を

2012年05月10日 15時37分41秒 | その他
比に「最後通告」=中国系香港紙(時事通信) - goo ニュース
 南シナ海のスカボロー礁をめぐり、中国とフィリピンとの関係は緊迫化していると報じられています。フィリピン政府は、国際海洋法裁判所での解決を提案したそうですが、日本国政府は、フィリピン政府を支援すべきなのではないでしょうか。

 南シナ海問題の行方については、中国との間に東シナ海、並びに、尖閣諸島問題を抱える日本国政府もまた、無関心ではいられません。仮に、中国が、フィリピンからの司法解決の申し出を拒絶し、軍事力に訴えるとなれば、当然に、中国側の東シナ海での行動も予測がつきます。つまり、東シナ海でも、中国は、軍事力で日本国をねじ伏せようとすることでしょう。このことは、曲がりなりにも、第二次世界大戦後に築き上げてきた、法に基づく国際秩序を、中国が、根底から覆すことを意味します。中国の遵法精神の低さは、しばしば安全保障上のリスクとして指摘されてきましたが、南シナ海の軍事衝突を転機として、アジアは、弱肉強食の時代に逆戻りするかもしれないのです。アメリカは、米比相互援助条約に基づいて、フィリピンを支援する構えとのことですが、中国の覇権主義を抑えるべく、日本国政府もまた、この問題に対する対応を急ぐ必要があります。

 フィリピンの司法解決の申し出は、平和解決の道を示すものです。日本国政府は、まずは、司法解決に応じるよう中国政府を説得すると共に、国際社会に向けて司法解決への支持を表明するなど、フィリピンが目指す国際海洋法裁判所での解決に協力すべきと思うのです。

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コメント (4)
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