万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

原発再稼働問題―国民を”生殺し”にする民主党政権

2012年05月06日 15時47分29秒 | 日本経済
原発42年ぶり稼働ゼロ 泊3号機検査で全50基停止(朝日新聞) - goo ニュース
 野党時代、民主党は、しばしば国会で”牛歩戦術”を使ったものですし、ボイコットやサボタージュも身近な戦法なのでしょう。与党となるに至り、今度は、政策決定に、これらの手法を用いたいようです。産業や国民に与える損害など眼中になく…。

 折しも、5月5日をもって、日本全国の原発は全て停止しました。ストレス・テストの済んだ大飯原原発さえ再開の見通しは立たず、電力危機だけは、確実に日本国を蝕んでいます。しかも、政府が優柔不断で決断を先延ばしにすればするほど、産業界も国民も身動きがとれなくなるのです。原発が早期に再稼働される見通しがあれば、電力危機を非常事態として捉え、それに耐えることもできます。一方、金輪際、一切原発を再稼働させないとするならば、早期に抜本的な対策を立てなくてはなりません。ところが、政策決定がどちらつかずですと、企業も国民も、どちらの方向にも動けなくなるのです。例えば、莫大なコストをかけて、自家発電施設を建設したとしても、原発が再稼働した場合には、この投資は、全くの無駄になります。また、短期間で収拾することを見越して何らの手を打たないでいますと、時間の経過とともに損失だけが累積されてゆき、やがて耐え得る限界を越えてしまいます。

 このままでは、我が国の経済も国民生活も”生殺し”の状態となり、ようやく決定された時には、時すでに遅しともなりかねません。政府の怠慢をみる限り、我が国の産業潰しが民主党政権の真の狙いではないかと疑われても、仕方がないと思うのです。

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コメント (10)
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