万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

犠牲強要型政治―橋下大阪市長と北朝鮮の共通点

2012年05月15日 17時29分55秒 | 日本政治
電力使用制限令、経験することが必要…橋下市長(読売新聞) - goo ニュース
 大飯原原発の再稼働に反対している大阪市の橋下市長は、東電管内の企業や住民生活のことなど眼中になく、”電力制限令も、経験することが必要”と嘯いているそうです。この思想回路には、北朝鮮との共通点が見えるのです。

 北朝鮮では、独裁者の交代後も”先軍政治”の看板が下されることはなく、三代目の金正恩氏の下で軍事独裁体制が続いています。その大義名分は、朝鮮戦争が停戦状態にある中で、”北朝鮮の主権と安全を守ること”であり、この目的のためには、国民に対して、”飢えと貧困に耐えよ”と強要しているのです。かくして、北朝鮮は、民間産業も育たず、世界最低レベルの生活水準の国となりました。つまり、北朝鮮は、何時起きるか分からない第二次朝鮮戦争のために、半世紀を越える長期間にわたり、国民を犠牲にしているのです。橋下大阪市長もまた、住民や企業に対して、貧困への忍耐を求めていることにおいて、北朝鮮と変わりはありません。橋下市長の大義名分は、”原発事故による危険から住民を守ること”ですが、この原発事故が、何時起きるか分からないところも、北朝鮮と同じなのです。

 誰もが否定できないような”正義”を掲げて、国民や住民に困窮と忍耐を強いることは、政治家として正しい態度なのでしょうか。”経験することが必要”という傲慢な言葉にも、北朝鮮同様の不遜な”指導者意識”が伺えるのです。

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