万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

韓国議員の北方領土訪問は竹島占拠の不法性をアピール

2011年05月28日 15時33分11秒 | 国際政治
北方領土、韓国議員が初訪問 竹島問題、日本に圧力(産経新聞) - goo ニュース
 今月24日に、韓国の「独島領土守護対策特別委員会」に所属する議員三名が、国後島を訪問したそうです。ロシアとの共闘を見せ付けることで、日本国に竹島問題で圧力をかけようする思惑からの行動のようですが、この訪問、むしろ、韓国による竹島の不法占拠を、国際社会に印象付けることになるのではないでしょうか。

 これまで韓国政府は、竹島は”歴史的にも、法的にも韓国領”と主張し、日本国政府による司法解決の要求を”領土問題は存在しない”と突っぱねてきました。一方、北方領土については、国際社会では、ロシアによる不法占領状態が継続しているとする認識があり、アメリカは、1956年の日ソ共同宣言当時から、日本領とする立場を表明しています。EUの欧州議会でも、2005年7月に、北方領土を日本国に返還することを求める決議を行っているのです。韓国が、領土問題についてロシアとの共闘をアピールすることは、それはすなわち、竹島が北方領土と同様に、現実には領土問題が存在し、しかも、それが不法占拠であることを、自ら暗に認めたことに他なりません。

 北方領土と竹島とは、不法占拠に至った歴史的な経緯も、法的な根拠も違っていますので、本来は、同列には扱えないのですが(竹島占拠の方が不法性が明確・・・)、韓国議員の北方領土訪問は、当初の思惑とは逆の方向に向かうのではないでしょうか。

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コメント (6)
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