goo blog サービス終了のお知らせ 

万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国政府は1300万人の無戸籍に戸籍の追認を

2011年05月11日 21時30分45秒 | アジア
中国、一人っ子政策が招いた1300万人無戸籍(読売新聞) - goo ニュース
 中国政府が長期にわたって実施してきた”一人っ子政策”は、全人口の1%当たる1300万人の無戸籍児を出現させてしまったそうです。無戸籍のままですと、国民とは認められず、充分に社会保障を受けられないといった不利益を蒙ることになります。

 中国の国籍法の第4条には、「父母の双方又は一方が中国の公民で、本人が中国で生まれた場合は中国国籍を有する。」とあります。つまり、無戸籍とはいえ、1300万人の人々は、中国国籍を保有しており、国籍はあるが、戸籍がない状態なのです。中国政府は、この数値を、国家統計局の調査で把握したそうですが、政府が実態を掴んだ以上、戸籍への正式な記載を許可するべきなのではないでしょうか。大量の無戸籍の問題は、事後的な戸籍の追認で解決します。

 我が国への中国人不法入国者の中には、無戸籍の人が少なくないと聞きます。自国の国民を正確に把握し、出入国を厳正に管理することは、中国が、責任ある現代国家となる第一歩であると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菅首相擁護論―イギリスの議会制民主主義は消えたのか

2011年05月11日 15時29分18秒 | ヨーロッパ
なぜ菅首相は「唐突」な決断をし批判されるのか――政治の意思決定プロセスを日英比較から考える(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 菅首相の浜岡原発停止要請は、電力供給が産業ならびに生活の基本インフラであるため、中部電力、中部地方の企業、住民・・・など、そのマイナス影響の範囲は測りしれません。当然に、非難の声が上がったのですが、イギリス政治と比較して擁護する意見もあり、いささか驚いています。

 上久保氏の擁護論によりますと、イギリス政治には、(1)イギリスの政治的な意思決定は、密室で行われる、(2)議会の審議がなくとも、首相の決断で、即日に増税が実施できる、(3)首相の決定は専門家の検証に耐えるものでなければならない(専門性)、(4)国民は政治決定の公共性を評価基準にしている、という特徴があるそうです。しかしながら、この特徴、これまでのイギリス・モデルとは、正反対なのです。(4)はその通りとしても、かつてのイギリス・モデルは、(1)政治的な課題はオープンに議論する、(2)マグナ・カルタ以来の伝統により、財政権は、議会にある、(3)首相決定は、議会の議論に耐えるものでなければならない、というものであり、それ故に、議会制民主主義の母国とされてきたのです。

 奇妙なことに、菅首相のみならず、議会軽視の独裁型政治家として知られる小沢氏もまた、イギリスを政治制度のモデルと見なしています。もし、擁護論が主張するように、イギリスの政治システムが首相独断型に移行しているならば、我が国は、現在のイギリスのシステムを、参考とすべき民主主義国家のモデルとすることには、極めて慎重にならざるを得ないと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする