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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国政府による海外メディアへの謝罪要求の問題点

2011年05月01日 15時53分43秒 | 日本政治
仏番組、原爆と震災比べ「復興努力してない」 謝罪拒否(朝日新聞) - goo ニュース
 民主党政権が成立して以来、日本国政府が、海外のメディアに対して謝罪を要求するというケースが見られるようになりました。イギリスのBBCへの抗議は、広島と長崎の被爆者への侮辱ということでしたが、東日本大震災に際しては、日の丸に亀裂を描いたアメリカの雑誌社、そうして、原爆と震災を比べて風刺したフランスの有料テレビと相次いでいます。

 日本国政府は、我が国の名誉を守ろうとしたのでしょうが、行きすぎた要求は、相手国の言論や表現の自由を侵害することになりかねません。特に、相手が民間のメディアともなりますと、外国政府が乗り出してくることに対して、自国の自由に対する不当な侵害や内政干渉として、抵抗や反発が起きるかもしれないのです。実際に、フランスのテレビ局は、表現の自由を理由に、日本国政府の謝罪要求を拒否したそうです。

 もちろん、日本国にも言論の自由があるのですから、こうした番組や描写に対して、不快感を表明することはできます。しかしながら、それは、政府ではなく、日本国の国民やマスコミが、民間レベルで言うべきことではないかと思うのです。

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コメント (2)
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