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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国営テレビの声明はカダフィの遺言か

2011年05月15日 14時28分41秒 | 中近東
カダフィ氏「NATOは臆病者」 国営テレビで肉声(朝日新聞) - goo ニュース
 激しい戦いが続くリビアでは、首都トリポリへの空爆により、カダフィ氏が負傷したとするニュースが流れる一方で、国営テレビでは、この情報を打ち消すかのように、肉声の声明が放送されたそうです。”NATOは臆病”と罵って。

 しかしながら、この声明の内容を読んでみますと、どこか遺言のようにも思えるてくるのです。声明では、「臆病者の十字軍に言う。私はお前たちの手が届かない場所にいる。私は多くの人々の心の中に住んでいるのだ」と述べたそうです。”手の届かない場所”という表現は、天国といった死後の世界を想起させますし(国民を虐殺したカダフィ氏には、地獄の方が相応しいかもしれない・・・)、”人々の心の中に住む”という言い回しも、もはやこの世には存在しないことを暗示しています。

 実際のところ、カダフィ氏の生死は不明ですが、少なくともこの声明文を録音した時点において、氏は、空爆による死を覚悟していると推測されます。このことは、NATOを臆病者呼ばわりする強気な言葉とは裏腹に、カダフィ側が、相当に追い詰められていることを示しているのではないでしょうか。

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