万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

COP15-虚しい日本国の努力

2009年12月18日 13時41分31秒 | 国際政治
「新たな枠組みに中国参加を」日中首脳会談で首相(読売新聞) - goo ニュース
 最近の温暖化ガス削減交渉の場は、実質的な効果を狙う政策ではなく、政治によって支配されているようです。その最たる事例が、突出した日本国の負担です。

 日本国政府が発表した温暖化ガス25%削減目標や支援総額の4割にも上る日本国の途上国支援の財政負担は、もし、地球温暖化の原因が二酸化炭素排出量の増加にあり、しかも、日本国がその4割を輩出しているのであるならば、当然、原因を作っている以上、日本国が負うべきものであるかもしれません。しかしながら、もし、そうではないならば、この巨大な負担は、客観的に見て、合理的でも公平でもありません。しかも、民主党政権は、政策効果など度外視して、自ら率先して、この不公平な立場に日本国を置こうとしているのです。

 日本国が過剰な負担を負う一方で、今後とも排出量の増加が見込まれている中国は、京都議定書の延長を主張し、自らに削減義務を負わせるつもりはないようです。原因国ではない国が、たとえ高い削減目標を掲げても、その効果には限界があるのですから、日本国の努力は、何とも虚しいと思うのです。
 
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