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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

民主党政権の危ない”小早川路線”

2009年12月15日 15時31分00秒 | 国際政治
「普天間、アジアの問題」 ケリー元次官補 米孤立主義も懸念(産経新聞) - goo ニュース
 軍人には軍人の倫理というものがあり、同盟の信義を守ることもその一つです。同盟軍の結成を約束した以上、一方がそれを破りますと、戦争の勝敗がひっくり返ることがあるからです。同盟の信義が綻べば、勝てる戦にも負けてしまいます。

 天下分け目の関ヶ原の戦いで西軍が敗北した最大の要因は、小早川軍の寝返りであったとされています。鶴翼の陣では、翼の先端に位置する部隊が反対を向くと、両陣の形成は逆転します。陣形の最重要部分にあった小早川軍の寝返りは、かくして、関ヶ原の勝敗を決することになったのです。このお話は、これでお終いではなく、続きがあります。東軍の勝利に貢献した小早川秀秋は、徳川家康から重用されるどころか、やがて疎まれてゆきます(一度裏切ったものは信頼を得られない・・・)。裏切り者として陰口をたたかれ、良心の痛みに耐えかねた小早川は、ついには精神を病んでしまうのです。

 民主党政権の急速な中国への接近を見ていますと、つい、この小早川の裏切りの顛末を思い出してしまいます。本人たちには自覚がないのかもしれませんが、こうした行為は、同盟国に対する信義に反していることは言うまでもありません。有事が起きても、まったくあてにできない国と見なされることでしょう。 かりに、将来において米中対立が起きるとすると、日本国の地政学上の位置は、両陣営の要に当たります。民主党政権の”小早川路線”が、やがて日本国に災いを呼び込むのではないかと、心配になるのです。

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コメント (6)
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