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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ノーベル平和賞に一石を投じたオバマ大統領の演説

2009年12月11日 12時48分27秒 | アメリカ
オバマ氏が語る「正しい戦争と正しい平和」 大量破壊兵器を作った男の平和賞を受賞して(gooニュース・ニュースな英語) - goo ニュース
 アメリカのオバマ大統領がノーベル平和賞受賞者に選ばれた理由は、チェコにおける”核兵器廃絶演説”にあったとされています。遠い理想であれ、核兵器保有国が、核廃絶という大目標を掲げたことに。

 平和的理想主義者としてオバマ大統領を評価してきた理想主義者の人々は、正しい戦争を認める受賞演説には失望したかもしれません。しかしながら、もし、演説に語られるように、アフガニスタンへの3万人の増派によって、タリバン勢力が一掃され、アフガニスタンに平和が訪れるとしますと、オバマ大統領の決断こそ、平和に大きく貢献したことになります。アフガニスタンが安定化すれば、テロや恐怖支配から人々を救うと共に、多くの民間の人々の命をも助けることになるのですから。

 この演説は、非暴力・無抵抗の理想主義から正しい戦争を是認する現実主義へと平和観を180度変えたとしましたら、それは、選考者の意図を離れて、ノーベル平和賞を現実の世界に引き戻したことを意味するかもしれません。それはまた、正義感をもって現実に存在する悪―他者の自由や権利を侵害し、苦しみを与える国や人―と闘う人々にとっても、希望を与えるものになるのではないでしょうか。

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コメント (4)
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