万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国際交渉に弱い日本国政府

2009年06月10日 15時37分00秒 | 国際政治
クラスター弾禁止条約を承認=拉致禁止条約も-参院本会議(時事通信) - goo ニュース
 本日、「クラスター爆弾禁止条約」と「拉致禁止条約」の二つの条約が、参議院本会議で可決されました。両条約の内容から、日本国政府の国際交渉力の弱さが垣間見られるのです。

 何故ならば、両条約とも、日本国の国益に照らしてみますと、マイナス要因が多すぎるのです。「クラスター爆弾禁止条約」については、海岸線の長い日本国の地形を考えますと、防衛用の使用や、加盟国固有の事情に基づく留保を認めるよう、主張すべきであったかもしれません。また、「拉致禁止条約」についても、遡及効を認めないと言うことで、北朝鮮の拉致事件には適用されません。拉致という行為は、法の一般原則にも反する犯罪行為ですし、被害状況が現在まで継続しているのですから、北朝鮮の拉致事件への適用を主張してもよさそうなものです。

 結局、これらの条約は、日本国にとりましては、防衛力を弱めるとともに、拉致事件の解決にも何らの影響も与えなかったことになります。国際社会における日本国の発言力の弱さが、自国を蝕んでいるようにも思えるのです。

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コメント (12)
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