自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

膝通を克服して健康登山! 団塊世代に贈るLOHAS情報です。

ボケてもがんでも 死ぬまで我が家   田中奈保美・著 2022/2

2022-04-25 17:20:17 | 生き方


著者は女性だけの異業種交流ネットワークで知り合った
ライターさんで、三十年くらい交流のある方です。
(2010年の「枯れるように死にたい」も老人医療の
問題点を鋭く突く力作でした。)

そして今回は、まさに彼女がご主人の看取りをされた内容で、
私にとっても、身につまされる緊迫感を感じるほど切実なもの。
ショッキングなことは、ご主人が長年、病院や老人医療施設で
活躍された<気骨のお医者さん>なのに、認知症になられ、
がんの痛みからも逃れられなかったことです。

どんなに健康に留意していても、ヘルシーな生活に徹していても
誰でもがこの二重苦に陥る可能性がある、ということなのです。
大事なことは、正しい対処で、「本人を安心させてあげること」

鬱病の人に「頑張るのよ」なんて言っちゃいけないのと同様に、
物忘れで混乱状態にある人にキツイ言葉や𠮟責は禁物です。でも、
看病(介護)する人も、極限に近く疲れていれば、分かっていても
つい、キツイ言葉や表情が出てしまうらしいので大変です。

この本を読んで思うのは、認知症患者への接し方についての、
最新の知識や知恵の重要性です。例えば、
p.35 (何度も繰り返される、同じ質問にさすがにイラっとして
    その日の外出がおじゃんになってしまった経験から)
   
   以来、私は「さっき言いました」を禁句とし、尋ねられた
   ことに対しては、毎回初めて聞かれたこととして答える、を
   肝に銘じました。

   夫は単にわからないから私に尋ねているのであって、
   何度も同じ質問を繰り返しているという認識はないのでしょう。
p.36 だとしたら物忘れの酷さを指摘されたくなないでしょうし、
   責められれば嫌な思いをするだけです。

   (中略)五回目になると顔が少しひきつるか、声のトーンが
   上がりそうになります。なので、そうなる前に用事を見つけた
   ふりをして、速やかに夫の前から姿を消すことにしました。

   しばらく離れている間に認知症のお陰もあり、夫はこだわって
   いた出来事をすっかり忘れ、一件落着となります。

なぁ~るほど・・・・・ 言われてみれば、尤もなことだけれど、
プロの介護者でなく、一日中追い回されて疲労の曲にある家族は
なかなか思いつかないことかもしれません。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする