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(まだご覧になっていない方にはネタバレの危険性あり、ご注意)
②は空気感。それは②-1:「音としてのアンビエンス」、そして②-2:「関係者が醸し出す空気感とインスピレーション」ということか。②-1:「音としてのアンビエンス」とはスタジオの響きをレコーディングすることだが、リバーブのようなエフェクトでは再現できない効果があるのは事実。とくにミュージシャンにとってその場で演奏してプレイバックする際にはプラシーボ効果もあるだろう。しかしそれ以上の効果が②-2:「関係者が醸し出す空気感とインスピレーション」。レコーディングはメンタルであり、そのコントロールは非常に重要。その場に居合わせるバンドメンバーだけでなく、エンジニアやスタッフの醸し出す空気感が非常に重要になる。レコーディングの時も押し潰されそうなメンタルを救ってくれる(特にミスのテイクを連発している時…)のも彼ら。演奏するためのプレイバックの良い音・アンビエンスや、その演奏環境を作るホスピタリティーだけでなく、重要なのは笑顔であって映画の中でも笑顔のシーンは溢れる(シリアスな局面も当然あっただろうがその場面は当然カットだろう…苦笑)。それら神輿を担いでくれる人によってインスピレーションも高まり、演奏も良くなる。話は飛ぶが、このホスピタリティーの部分?でのエピソードが印象的。矢野顕子が子供同伴でスタジオ入りした際、夜遅くなるとキック(バスドラ)のミュートに使う毛布をかけてドラム・ブース内で寝かせた話を披露しているが、これを聴いた瞬間にゾワっと全身に痒みが走った…(笑)(音響ハウスの毛布ならダニなどなく清潔な筈だが)。(続)