こうじ神父今週の説教

日曜日の福音メッセージをお届けします。

聖霊降臨の主日(ヨハネ15:26-27;16:12-15)聖霊の炎で造り替えられる

2015-05-24 | Weblog
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(音声ファイルは、MP3形式です。再生ソフトをを用意してください。)
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こうじ神父
「今週の説教」
15/05/24(No.770)
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聖霊降臨の主日
(ヨハネ15:26-27;16:12-15)
聖霊の炎で造り替えられる
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めったに味わえないイセエビとアワビを先週いただきまして、木曜日の福見のミサで、保育園児と小学生を前に、イセエビをいただいたことをわたしなりに披露しました。

浜串の司祭館のチャイムが鳴ったので誰かなぁと思って二階から下りて行ったら、イセエビが玄関に横たわり、苦しそうにしていた。よく見ると足が何本かちぎれている。

これはきっと車にひかれてしまったに違いない。そのままにしていたら死んでしまうので、わたしがイセエビの耳元で「食べてもいいですか」と聞いたら、「うん」と言った。そういう話を披露しました。

保育園児はポカンと口を開けて聞いていましたが、小学生は全員わたしに反論があるといった顔でした。その中で学年がいちばん下の子供が、「イセエビがチャイムを押すはずがない。イセエビが『うん』と言うはずがない」と、最後までわたしの主張に異を唱えていたそうです。

木曜日は、全員そろってわたしのもとで要理のお勉強ですが、上級生がわたしを教え諭すかのように「神父さま、イセエビはチャイムを押したりしませんよ。押せるはずがないでしょ」と釘を刺されました。「わたしが下りて行ったときにイセエビがいたのだから、イセエビが押したに違いない」「イセエビはそんなことしません」子供たちはわたしの嘘を見破れるほど立派になったのだなぁと感心しました。

一方で子供だましのような嘘を言い、一方で福音の学びを語る主任司祭の舌は、どうなっているのでしょうか。ですが子供にも分かるような嘘を言うのはわたしに限ったことではないでしょう。どんな人にも、聖霊降臨の恵みに触れて、変わっていく必要があるわけです。その聖霊降臨は、わたしたちをどのように変えてくださるのでしょうか。

本日聖霊降臨の主日の第一朗読では「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。」(使2・1-4)とあります。

「炎」は、熱を伴うものです。聖霊が使徒たちに降ると、彼らに熱意が注ぎ込まれたのでした。また、聖霊は舌の形で現れたということですから、この「炎のような舌」は弟子たちの舌を「熱意をもってイエスの復活を宣べ伝える舌」に造り替えたということでしょう。

ところで復活後の弟子たちについて、弟子たちの人間的な部分、イエスの復活に遭遇してもなお簡単には変わらない部分が書き記されています。ヨハネ福音書によると、「シモン・ペトロ、ディディモと呼ばれるトマス、ガリラヤのカナ出身のナタナエル、ゼベダイの子たち、それに、ほかの二人の弟子が一緒にいた。シモン・ペトロが、『わたしは漁に行く』と言うと、彼らは、『わたしたちも一緒に行こう』と言った。彼らは出て行って、舟に乗り込んだ。しかし、その夜は何もとれなかった」(21・2-3)とありまして、復活したイエスに出会った後も、自分たちの食べ物の心配がまず頭にあったのです。

この後イエスが岸辺に立ち、何も魚が取れなかった弟子たちに「子たちよ、何か食べる物があるか」(21・5)と言いました。ここでも復活したイエスは弟子たちの心配を取り去ってくださるのですが、「イエスが死者の中から復活した後、弟子たちに現れたのは、これでもう三度目」(21・14)だったのです。弟子たちでさえも、聖霊による照らしがなければなかなか変われないことが暗示されていると思います。

聖霊降臨を身近に感じるために、例えを見つけました。炎を入れて造り替えられるものと言ったら何でしょうか。わたしが思い付いたのは、刃物・包丁です。たとえば出刃包丁は、火で精錬されて強く切れ味の鋭い包丁に生まれ変わります。わたしは左利きで、自分に合った包丁を持っていなかったのですが、チャンスを与えられて左利きの包丁を作ってもらい、愛用しています。すばらしいこの包丁は、火で精錬されて、単なる鉄の塊から、切れ味鋭い刃物に生まれ変わったのです。

聖霊降臨は、わたしたちに同じ体験をさせてくれるのだと思います。炎のような舌が一人一人の上にとどまります。特に、堅信の秘跡を通して、聖霊がとどまり、わたしたちの舌を火で精錬して、復活したキリストを宣べ伝える者、キリストの兵士としてくださるのです。火で精錬された包丁が、手入れを怠らないならばいつまでも鋭い切れ味を保つように、聖霊という炎で精錬されたわたしたちの舌は、わたしたちが悪意で間違った使い方をしない限り、いつまでもキリストを伝える舌であり続けるのです。

福音朗読の中で聖霊は、「真理の霊」「真理をことごとく悟らせる霊」として示されています。洗礼を受けたわたしたちには、すでに真理があふれるほどに注がれているのですが、わたしたちは神がお与えになる真理に疎く、たとえその真理にたどり着いても語る言葉を持ち合わせていません。そこでイエスは真理をことごとく悟らせる聖霊を遣わし、わたしたちを造り替えてくださいます。

問題は、わたしたちが心を開くかどうかです。聖霊という火によって精錬されることを喜んで受け入れましょう。わたしたちの舌が、キリストを宣べ伝える舌となることを喜びましょう。福音朗読の前に歌った「聖霊の続唱」を、心の中で歌い続け、わたしたちの舌が、いつもみことばを語れる状態に保たれるよう、今日のミサの中で願いましょう。

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‥次の説教は‥‥
三位一体の主日
(マタイ28:16-20)
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ちょっとひとやすみ
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▼聖母月、公言していたロザリオに集まる人々へのお魚のプレゼントがなかなか一筋縄ではいかない。台風が邪魔をしてくるし、釣りに行くチャンスが巡って来た日に小潮で魚の活性が上がらなかったり、最終週は司祭の黙想会で大司教館に缶詰めである。
▼こういう場合、すぐに白旗を上げるのが手っ取り早い。「白旗」と言えば、母の日に、母親にお魚を釣ってお刺身を食べさせてはあげたのだが、その様子をうかがわせる写真を撮影するのをすっかり忘れてしまった。そのせいで関連する写真をメルマガ第768号に一枚も用意できなかった。すぐに白旗を上げて謝っておきたい。大変申し訳ない。
▼今回の「ロザリオ参加者全員にささやかなお魚のプレゼント計画」も、ほぼ絶望的である。黙想会から帰ってきて31日に釣り大会があるが、この日だけで鯛を40匹釣り上げられるはずがない。
▼まぁ、話としてはわたしにとっても魚を楽しみにしている信徒にとっても盛り上がっただろうから、それで勘弁してほしい。聖母月に限らずチャンスがあれば小教区の信徒に喜んでもらえるようにしようと思う。月曜日の休みなどは特にそうだ。休暇の月曜日に釣りをすれば、自分のリフレッシュとお魚を喜んでくれる信徒と、両方にメリットがある。
▼そう言えば小学生時代の同級生が前日に電話で確認をしてから訪ねてきた。「こちらに赴任して釣りをしているそうだが、ぜひ自分も連れて行ってくれ」ということだった。ということで同級生を連れて3時間ボート釣りを案内した。1時間は船頭であるわたしの腕が悪く、釣れる場所に案内できなかった。
▼不本意ながら、小物が簡単に釣れる沿岸に連れて行き、カサゴ釣りを1時間した。案の定カサゴがポンポン釣れたが、わたしとしては鯛を釣らせてあげたかったので、消化不良のまま帰らせるとわたしが納得できない。
▼そこで残り1時間は、釣れるか釣れないか分からないけれども、自分がここと思う場所で、自分が用意した釣り道具で、釣りを付き合ってくれと頼んで残り1時間鯛ラバでの釣りを決行した。
▼30分は何の反応もなかった。わたしもかなり焦っていたが、直後にイトヨリの当たりが自分に来た。鯛は釣れなかったが、こんな釣り方で釣れるんだよという「しるし」にはなったかなと言って、わたしの心の中では釣りは終了していた。
▼その10分後だった。同級生のリールが音を立てた。「ジーーーー」と道糸が出ていく。このチャンスを逃したら最後だ。自分の仕掛けは回収してボートに置き、同級生のやり取りのサポートに徹する。少しドラグを緩めに設定していたのでなかなかリールが巻けない。もう少しドラグを締め、後は同級生の竿さばきの能力を信じて見守ることにした。
▼ユラユラと上がって来たのは2kg弱のマダイだった。同級生が喜んだのはもちろんだが、わたしは責任を果たせてホッとしたし、同時にあらためてここは秘密の場所にしておかなければと思った。こうして鯛ラバ釣りの面白さをまた一人味わって帰った。

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今週の1枚
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第377回目。小学校以来の同級生はわたし以上にりっぱなお腹になっていた。

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