蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

新潟へ

2012-01-12 22:35:50 | 自然
冬型の気圧配置が激しくなると、東京から200キロと離れていない新潟県の南端までの間で天候が激変する。
東京が冬晴れの日は、日本海側は大雪の事が多い。


関東平野の北端から谷川岳方面を眺める。山々の南面には雪はないが、すっかり雪雲に覆われている。
関越高速を行けば、雪雲の中に直ぐに突入することになる。


雪雲の中に入れば霧が立ち込め、薄らと雪が積もる。トンネルの関東側だが日照は既に見られない。


新潟も特に雪深いエリアに入れば、凍てついた風景となる。

この厳しい季節にkikouchiが新潟や長野を目指すのは、ひとつはスキーのため。正直、未だに雪は魅力的だし、スピードへの本能的愛着もつのるばかり。
しかし、スキーは半日もやれば充分。kikouchiは、原則として1本のリフトは途中で止まらず減速しないで滑りきる事を目指している。それを、どんどん続ければ午前券だけで体力の限界に達してしまう。半日券や一回券が終了した所で、ゲレ食ではなくそれなりに目指した所で昼食を食べるのもよい。
その後は、温泉につかったり、街の雪景色を撮りに行くのもよし。ただ、機材(と言えるほどの物も持っていないのだが)のために気を使うのがめんどくさく、スキーのついでの写真は、ほとんどが手の中に収まるコンデジを起用。
また雪国の冬景色ゆえ、寺社庭園といった文化的な被写体を相手にする機会も、都に較べれば本当にごく僅か。運動の後の適度な疲労感があり、夜の呑みも想定されていれば、悲しいかなその範囲から外へは興味は広がらない。
と言う訳で、これからしばらく、紅葉の京都ではなく、雪中の居酒屋など食べ歩き写真が増えそうな情勢。
奥行きのないつまらない映像と切り捨てられても、返せる言葉も無し。
もし、それでも少しは面白みもあるかと、御覧頂けるなら、それに勝る幸せはございません。


国泰寺 雪姿  高岡市

2012-01-11 22:25:55 | 古民家、庭園
前の晩からの雪が20センチは積もっていたと思う。160号線からの道は雪のために道幅が狭くなったような印象ががあり、帰り道の事を考えて気ぜわしくなっていたようにも思う。


一度クルマを停め、長靴にはきかえて境内を歩けば、そのような心配事でわさわさした気分など、消し飛んでしまう。
山門はあくまで威厳があり、雪でほとんど無音となった世界が展開した。


臨済宗の古刹でありながら、この時には他の拝観客の姿は見られなかった。




本堂の手前の池の周辺は、碧豊かな季節には瑞々しい姿を見せるのだが、全てが凍りついた雪と氷の世界と化していた。
雪はこれだけ庭の姿を変えてしまうが、春になり暖かい季節がめぐれば、その痕跡など一つも残さずに消え去ってしまう。見事な自然の装置である。


方丈庭園の月泉庭は、普段は厳しい石庭なのだが、雪に覆われた石がまた別の表情を見せてくれた。
右手の裏山は、あくまで静まりきった世界。
しかし雪に覆われた石は、さらに表情豊かになる場面も感じられる。






海沿いの湿気の多い雪は、石の表面にペッたりとへばり付くような感じがある。内陸のサラッとした雪の姿とは大分違いがあるように思った。
石庭の撮影は、靴を脱ぎ素足で縁側に立って行った。全身の体温を吸われてしまいそうな、冷え切った縁側だったが、撮影時にはそれ程とも感じなかった。


居酒屋 ゆた  越後湯沢

2012-01-10 23:53:14 | 日本料理
温泉宿が並ぶ湯沢駅西口にある居酒屋である。シーズンの盛りは、いつも満員だが、この日は運よくカウンターが空いていた。


ビールを頼めば生だこのお通し。鮮度よし。


花弁茸のホイル包み焼き。バター醤油が味の決め手となっている。


かきフライ。ボリュームはあるが、鮮度がよくてお腹の負担にならない。
相当に空腹だったので、これで一安心という感じであった。


越後もち豚の串焼き。
脂の甘みがたまらない。


流石にさっぱりとしたものが欲しくなり、自家製漬物三種。
どうも湯沢町ではキムチが流行っているような感じだ。


締めは揚げ出汁豆腐。
冬の夜の、酒呑みコースだった。


一本杉商店街  七尾市 石川県

2012-01-09 23:33:47 | お散歩
一本杉商店街は、その昔の街道に面しており、歴史は古い。


急な雪に合い、県道50号線不通の事もあり、この街に入ったのは予定よりも大幅に遅くなり、夕闇が迫っていた。
一本杉の語り部がおられるお店をめざし、まずは昆布他、出汁の材料では屈指と思われる「しら井」さんで、買い物。出汁に関してはお金を惜しんではいけないように常々感じている。
実に様々な種類の昆布が説明付きで陳列され、それなりに買い込むことにした。


昆布屋さんで、是非とも寄ってもらいたいお店が他に2軒あるという。
ひとつは鳥居醤油店さん。






土蔵造りの醤油倉を案内していただいた。
女主人自ら、醤油を絞る姿を披露して下さったのだが、こちらの腕のせいでボケボケの写真となった。


3軒目は和蝋燭のお店。なかなか灯す機会も無いのだが、やはり信心と結び付いた能登の姿なのだろう。




こちらの2階は、ギャラリーになっていて、お願いすればいつでも見学が可能のようだ。






ギャラリーで、実に便利なものを発見した。
じつはkikouchiは、関節が固い。胡坐の宴席でも長時間に及べば翌日に微妙に響いてくる。
それを、このような座椅子を目立たないように用いれば、とても気持ち良く和のコースをいただけそうだ。
まさしくkikouchiに必要なものと確信した。


すし屋の城光  氷見 富山県

2012-01-07 22:13:05 | 寿司
今年は夏場のいなだの豊漁に始まり、鰤は大漁のようである。鰤と言えば、氷見。
氷見の鰤は見事に脂が載っているが、鮮度がよいので何の問題も感じさせない。しかし、氷見の醤油はかなり甘みが勝る味付けである。それを意識してか、関係ないのか、原則塩で食べさせる寿司があるというので、試食した。まさしく、見事であった。


お店は、特に場所を選んで作られたようにも思われない。それでもホテルからのタクシーでは、行く先は一言で通じた。
お店に入り、お任せ握りを注文した。すかさず「苦手なものは、ないでしょうか?」との質問。
固すぎるイカは苦手な旨、お話しすると、では試してみましょう、と早速にアオリイカの握り。
包丁目が丁寧に入り、固さなど微塵も感じさせない。見事な技を早速に見せられた。




続いて、ひらめ、そして昆布締め。
どちらも塩の仕事がしてあり、醤油は不要。これは、富山の醤油が甘いかどうかの問題ではなく、これだけのイマジネーションをもてるお店が全国に何軒あるか
問題のように思われる。




お任せの寿司は続いて、黒ムツにに甘エビ。
ここに至っても、仕事が生きて、醤油は不要。握りの姿もいかにもだが、本当に塩をベースの寿司が美味しい。




白海老も、カニも、本当にうまかった。
こういう甲殻類が実に新鮮な状態で手に入るから、塩で食べさせる握り、という発想がわいてくるのかもしれない。
白海老も、かにも、もしかしたら塩を少しだけつけるのがよいような食材である、


バイ貝は胡椒の風味で味わった。
驚くほど生きがいいアジは、ポン酢塩がピッタリ。




酸味のあるマグロの赤身や、脂が見事な鰤は醤油を進められ、試してみた。
これまでの仕事の多い寿司の延長と思えば、かなり甘味のきつい醤油もそういう事かと、思えてくる。


一人前は煮ハマグリで終了。


しかし、この日は、輪島の朝市にかなりの時間付き合ったり、角海屋を捜しまわったり、挙句の果てに県道50号線が予告もなく雪で不通となり、能登半島の横断に想像以上の時間がかかってしまい昼食は一口も食べていない。当然、これでは収まらない。

塩で食べる白身、とお題をだせば、ささっとサヨリが出されてくる。繊細な魚に塩は向いている気もするが。


締めは、甘エビを巻ものにしていただいた。
海苔の状態もよく、実に好ましい姿と感じた。

これで二人で散々飲んで13000円。
こういうのは、ありがたい。


角海屋  輪島市天領黒島

2012-01-06 22:06:52 | 古民家、庭園
黒島集落は、17世紀末から江戸の最後まで天領として栄えたという。
漁村であった地域に、江戸になってから日本海を全て守備範囲とする海運業が栄えた。


黒瓦に下見板、店のまえは格子戸の伝統的な様式が定着したようだ。
それも、平成19年の能登半島地震で大きな被害を受けたようだが、その後の復旧に昔の様式を目指し、その結果として重要伝統的建造物保存地域に選ばれたのはすごい。何しろ、地震の被害の後であえて伝統的様式を選ぶ勇気は、滅多に見られるものではないように思う。




この地域のもう一つの特徴は、地割りというか各家々の地所が江戸時代から全く変わっていない事だという。
木造の家が海風を浴びれば、構造物としてはその内に限界を迎える。しかし、そこで昔に変らない姿の住居を建て上げれば、集落の景観自体は何も変化しないように思う。




角海屋(かどみやと呼ぶ)は、江戸時代から廻船問屋として栄え、年貢の請負や、この近くにある曹洞宗総持寺の御用船として大いに栄えた。
この家の前の通りは、幅は広くはないのだが昔からの街道で、一時は路線バスが行き来したという。




酷い悪天候の日であったので、まさか開き戸が開くとは思わなかったのだが、家の中に入ればいつもの光景なのだろうか。ときどき稲光ととも、にあられが吹き飛んできて、季節を感じさせた。


座敷には総持寺の偉い住職さんの手になるかけ物が。








能登には、強力だが規模の小さな低気圧が次々と訪れて、厳しい気象を形作っているように思う。
という事は、雲が一瞬だが切れる合間があるという事である。
そのタイミングを見計らって、坪庭へのガラス戸を開けて頂く事までお願いしてしまった。
それを心安く、聞き届けて頂けた。この屋敷を管理されている方々に心から感謝の念を表したい。



輪島の夕食

2012-01-05 22:00:04 | 日本料理
結構な雪が降りしきる中を、夕食を食べに出かけました。とっぷりと暮れてしまうとお店の明かりも多くはなく、地味な感じの街でした。


ネットで調べ、これはと思った「うめのや」さんに飛び込みました。カウンター周辺はまだガラガラなのですが、女将さんに個室へ案内されました。
まずは、お通しの酢の物。長距離の運転で疲れ切っていた体に、酸味の効いた味は堪らないです。




続いて、香箱蟹にズワイガニ。
これは、食べ応えがありました。丁寧にほじれば、足の付け根などは天国の元が埋め込まれている感じです。
必然的に時間がかかります。楽しく蟹に挑んで、そこでもう一杯のお酒が進みます。
ところが、蟹が出てきてから、お酒の追加さえもがままならなくなりました。いくら注文するためのフォンをに押しても、反応してくれません。廊下を行きかう従業員さんを呼び止めて頼んで、それでも20分しても追加の料理もお酒も何も来ません。
こんな、蟹を前にして!!!


タラの白子の天麩羅が奇跡的に運ばれたので、大分厳しく経緯を述べたのですが、その後も事態は好転せず・・・

あまりの事に、この店は出る事にしました。不愉快な思いをさせられて、これ以上長い顔をして待ってなどいられません。
会計を頼んでも、女将さんの表情に反省など一つもありません。
御主人は、ガラガラのカウンタの向こうの常連客と思しき方々と話し込んで、絶対にこちらの方を見ないようにしてました。
お客を区別しないで食べさせてくれる、これはとても基本的ですが重要な事です。
それが出来ないなら、一般のお客を入れるのは止めてもらいたいです。


すぐ近くのお寿司屋さんです。鉄火巻きの鮪がとても気前がよく、海苔の具合も良好です。








こうなると止まりません。ロクに食べてないものだから、そこから握り一人前です。
なんだか、安心させてくれる味でした。


ご馳走様でした。

輪島の朝市

2012-01-04 22:12:47 | お散歩
輪島にわずかながら雪が積もり、それをかいての出店である。
たった数センチでも、積もるようになるという事は、気温が相当に下がったのだろう。


そんな環境でも、輪島の朝市のおばちゃんたちは元気いっぱい。
ビーチパラソルで、今日も営業です。
朝市が設けられている範囲は、輪島湊近くでもごく限られているようだ。
だんだんに、朝市の背景のお店に目がいくようになる。


朝市の屋台の後ろには、創業100年クラスの漆器の専門店が軒を並べる、
ちょっと見には、観光客めあてのお安いお店に見えるのだが、お店に入って一目見ればそれぞれが坪庭を持つ昔からの造り。




通りから、ちょっと横丁に入れば、おもて通りとは別な味わいが。
こちらには、立派な坪庭があった。




ちょっと裏へまわれば、リアカーや井戸が現役のようだ。
実際に使われている道具の逞しさを感じる。
表通りに面したお店の脇の道を辿ると、お店の奥に当たる部分に開けた土地を目にした。



電気ビルレストラン  富山市

2012-01-02 22:40:02 | 洋食
富山市の中心部、NTTの近くに電気ビルという歴史ある建物がある。電気ビルなる名前は、北陸電力が入っているから付けられたのではないかと推測する。昭和11年完工した、5階建ての堂々たるビルである。


外装は今日の丸の内や、日本橋に残されたものと近い姿である。
驚いたのは、内装の雰囲気までもが、創立当初のものを残しているように感じられる点である。
このビルは、創立当初は全館、ホテルとして使われた。その食堂部分が、未だにレストランとして使われているようだ。


食器もカテラリーも、昔のスタイルを受け継いでいる。ナイフやフォークの柄は肉厚で、まさにクラシカル。そして、オニオンスープは、よいフォンを使い、玉ねぎを気長に炒め、まさしく昔の香りがする。


サラダの水切りも、見事だった。昔のホテルの流儀で作り込まれた感じがする。


オムライスの卵は今風にトロトロではなく、薄くやきこまれて安定した姿である。
デミグラ ソースの独特の苦味が、実に大人の味だと感じた。


ホテル創業当事に作られた感じの郵便差入口、これは4階にあり、郵便物は1階まで落下する作り。
4階の差出口さえもが、いまだに現役のようである。