ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

市川海老蔵 「古典への誘い2013」 ~江戸の華~ @愛知県江南市

2013年11月12日 | 歌舞伎・文楽

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市川海老蔵 「古典への誘い2013」 ~江戸の華~ (10月12日・愛知県・江南市民文化会館)

あるテレビ番組で若手の歌舞伎役者が集まって稽古をする場面があり、何気なく見ていたらひとりの役者に釘付けになった。それが市川海老蔵。なんだろう、醸しだす雰囲気というか空気が全然違う。もちろん我々はいろいろスキャンダラスな話題を振りまいた彼を知っている訳だが、やはりそれと歌舞伎とは別、と言いたくなるような存在感が画面からも感じ取れた。團十郎を名乗る前に生で見ておきたいなぁと思っていたらチャンスが。すぐに(と言っても発売後かなり経っていたが)チケットを購入した。「古典への誘い」と題されているので、自分のような初心者にはぴったりだろう。

東京で歌舞伎を見てきたすぐ後だけあって、こちらもノリノリ。会場は名古屋から車で40分、電車で30分位の郊外。住宅地の中にある文化会館に車で到着。混雑はしていたがすぐに駐車することが出来た。さすがに年輩の方が多く、着物をお召しになっている方もちらほら。席は少し後ろの方だったが、広くない劇場なので問題なし。最近とみに視力が落ちているので作ったばかりの眼鏡も用意した。

まずは「口上」。羽織袴の海老蔵がひとり座りご挨拶。こうして喋らせるとやはりまだ若いんだなと思わせるややぎこちない喋りではあるが、佇まいはやはり一流。確かに惹きつけられる「顔」だ。次は清元の演奏。そして立役・荒事の成田屋では珍しいのかもしれない女形「保名」を舞い、最後は「お祭り」。どれも話の流れがある訳ではないので、それこそPV(プロモーション・ビデオ)のようなものとして見る事が出来る。こんな田舎の会場でもきっちり「大向こう」(「なりたやっ!」とか声掛けをする人)がいたのには驚いた。東京ではそういう人の集まりもあると聞いた事があるが、地方でのあれってどういうしきたりがあるのかな。

正直、この前に国立劇場でたっぷり堪能しているだけに、ちょっと物足りない感じはしたが、華やかな舞台を見ているだけで楽しいし、海老蔵の存在感はやはり抜群。昔(事件よりも前)彼に密着したテレビ番組で生意気に喋る素顔の彼を見て、なんだかダーティーなイメージが着いてしまっていたが、やはり舞台は別物だ。ちゃんとした歌舞伎の舞台で観てみたいな。

一、口上                    市川海老蔵
二、清元素演奏「玉屋」  清元菊輔社中
三、清元「保名」           市川海老蔵 
四、清元「お祭り」        市川海老蔵

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