人形町の「喫茶去快生軒」のある通り(甘酒横町の反対側)は老舗飲食店が目白押し。「来福亭」「玉ひで」を挟んで店を構えるのは創業明治45(1912)年の洋食屋「小春軒」。昼のランチタイムになってのれんが掛かってすぐにお店へ。店内はカウンターとテーブルが4つ程のこじんまりとした広さ。自分が入ったあとにも待ち構えていたように客が入って席を埋めていった。壁に掛かったメニューに「かきフライ・10月より3月まで」とあったので頼んでみたが、まだいいのが入っていないということで不可(訪問は10月初め)。残念。という訳でメンチカツライスを注文した。
店の中や壁に掛かった店の歴史なんかをぼんやりと眺めながら、厨房から聞こえてくる揚げ音が耳に入る。あの音って堪らないですね。しばらくしてメンチカツと平皿に盛ったライス(少なめにしてもらった)が到着。千切りキャベツとマカロニサラダのベッドに少なめにソースのかかったメンチカツが2つ寝ていて、くし切りされたレモンが添えられている。サクッと上がったメンチカツはもう、間違いのない旨さ。ソースがだぼだぼにかかっていないのも品よく、中の肉の味がしっかりと味わえる。一気に完食した。食べ歩いているからライスを控えたけど、本当なら大盛にして欲しいぐらい。近くにいたら今日はこれ、明日はこれと色々試してみたいがそれは叶わない。特に「かじきバタヤキライス」が気になる。人形町には他にもいい洋食屋がたくさんあるから本当にうらやましいなぁ。
小春軒 (こはるけん)
東京都中央区日本橋人形町1-7-9