ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

笹巻けぬきすし総本店 @東京・神田小川町

2013年11月16日 | 東京都(老舗)

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若い頃は下北沢に住んでいたので、東京では西の方ばかりで遊んでいたが、最近はもっぱら東の方ばかり。常宿も便利で値打ちなので東銀座あたりにする事が多い。東銀座でホテルに宿泊するのが土曜日だと、次の朝は築地場内も休市日なので、ホテル内(あるいは別のホテル)か喫茶店、ファミレスぐらいでしか朝食を採ることができない。ただ今回泊まるホテルはビジネスホテルなので正直朝食には期待できないし、あまりそういうありきたりのもので腹を満たしたくないので、そんな時には前日に好みの折詰などを買っておくようにしている。この日は朝食用に鮨の折詰をいくつか買い求めた。

まず初めに選んだのは創業・元禄15(1702)年(!)という310年もの長い歴史を持つ江戸前握りずしのルーツとも言える「笹巻きけぬきすし総本店」。310年ってもう想像もつかない。当時と同様の食べ物が残って、現代に店で販売されているだけで奇跡的だ。都営新宿線の小川町の駅を地上に上がり、靖国通りを少し北へ入ったビルの谷間に異彩を放つ建物が現れる。実は以前にも利用しており、今回は2回目。

店に入ると正面にカウンター・ショーケースがあり、注文を入れると作り置きではなく、裏の厨房でその都度作ってくれる。横には小さいがイートインスペースもあり、店内で食べていく事も出来るようになっている。ここで食べていくのもいいなぁなんて考えたりしてしばらくすると、とても風情のある包みをまとった折詰が完成。

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翌朝ホテルで開封。今回頼んだのは一番小さい5個入りのもの。ひとつひとつ艶々の熊笹に包まれ、どちらかというと円柱形をしている。時間が経って充分こなれたすしの味は現在の握りと比較するとずいぶん酸っぱく、保存の方法が限られた時代に作られた食べ物である事を伺い知ることが出来る。これには緑茶が必須。これでも戦前からするとずいぶん酸味が抑えられているんだとか。タネは鯵、小肌、玉子、おぼろ、海苔巻き。つんとくるすし飯と玉子やおぼろ、干瓢のマイルドさが合って緑茶にピッタリ。趣のあるいい朝食だった。これが夜食だったりしてもいいよね。(勘定は¥1,050)

笹巻きけぬきすし総本店

東京都千代田区神田小川町2-12

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