マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

最後の忠臣蔵

2011-07-22 18:18:46 | 映画ーDVD

ー最後の忠臣蔵ー

2010年 日本

監督=杉田成道 製作総指揮=ウィリアム・アイアトン 原作=池宮彰一郎 キャスト=役所広司(瀬尾孫左衛門)佐藤浩市(寺坂吉右衛門)桜庭ななみ(可音)山本耕史(茶屋修一郎)風吹ジュン(きわ)田中邦衛(奥野将監)伊武雅刀(進藤長保)笈田ヨシ(茶屋四郎次郎)安田成美(ゆう)片岡仁左衛門[15代目](大石内蔵助)

 

【解説】

『四十七人の刺客』などで知られる池宮彰一郎の同名小説を、テレビドラマ「北の国から」シリーズの演出を手掛けた杉田成道が映画化。赤穂浪士の吉良邸討ち入り事件で大石内蔵助率いる四十六士が切腹して主君に殉じた中、ひそかに生き残った二人の男の知られざる物語を描く。討ち入り前夜に逃亡した瀬尾孫左衛門に役所広司、討ち入りを後世に伝えるため逃がされた寺坂吉右衛門を佐藤浩市が熱演。そのほか山本耕史、笈田ヨシ、伊武雅刀、安田成美ら演技派が脇を固め、『赤い糸』の新鋭、桜庭ななみも名を連ねている。

 

【あらすじ】

忠臣蔵として有名な赤穂浪士の吉良邸討ち入りでは46人が主君に殉じ切腹するが、二人の男が生き残った。討ち入り前日に逃亡した瀬尾孫左衛門(役所広司)と、討ち入りを後世に伝えるため逃がされた寺坂吉右衛門(佐藤浩市)。正反対の運命を背負う二人が16年ぶりに再会。瀬尾はなぜ討ち入りから逃げたのか、寺坂は元同志が抱えてきた秘密を知る。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

おなじみ、「忠臣蔵」の元禄赤穂事件のスピンオフ、赤穂浪士の生き残り2人の後日談です。

 

驚いたことに、この作品はワーナーエンターテインメントのローカル・プロダクション本格第1弾なんですね。

ワーナーのおなじみのロゴから始まったので、少し驚きました。

 

でも、内容はすごく日本的心情のお話です。

そして、評判がいいですね。

でも、私はあんまり好きじゃないのよね。

もともと、忠義のために死ぬと言うのが、どうも好きになれないんです。

 

葉隠に曰く「武士道と云ふは死ぬことと見つけたり」が物語になったような作品だなあと、ため息をついてしまいました。

 

でも、テーマとして示唆されるのは「曾根崎心中」なんですよね。

武士道と両極にあるものでしょう?

とても混乱しましたが、私だけかな?

 

元禄赤穂事件から16年後、赤穂浪士の生き残り寺坂吉右衛門(佐藤浩市)は、大石内蔵助()から「事件の真実を後世に伝え、浪士の遺族を助けよ」との命を受け、今ようやく最後の遺族(風吹ジュン)にまとまったお金を渡し終えたところ。

その報告に、京の内蔵助のまたいとこの進藤長保(伊武雅刀)の屋敷を訪れ、近く行われる四十七士の17回忌法要まで逗留することにした。

 

その道すがら、寺坂はかつての盟友・瀬尾孫左衛門(役所広司)を見かける。

孫左衛門は、討ち入りの前日に、怖じ気づいて蓄電したと思われていた。

しかし、孫左衛門の気性をよく知っている吉右衛門は、孫左衛門が怖じ気づいて逃亡するなどと言うことは信じられない思いであった。

 

孫左衛門は、大石内蔵助の秘密の命を受けて、辛い任務に当たっていた。

それは、内蔵助の愛人おかると、二人の間に生まれた可音(桜庭ななみ)を守ると言うものだった。

 

内蔵助と愛人おかるという設定は、NHKの大河ドラマ「元禄撩乱」の中にありましたね。

舟橋聖一さんのオリジナルのお話かなあ?

 

「仮名手本忠臣蔵」では、大星由良之助おかるの窮地を救うけど、それ以上のことは描かれていなかったと思います。

また、史実もには、おかるは登場しないようですが。

 

さて、おかるは可音を産んで亡くなってしまった。

孫左衛門は赤ん坊の可音を抱えて、京都の山奥に落ち延び、そこでゆう(安田成美)に助けられ、可音を育ててきた。

ゆうは吉原の花魁・夕霧が引退した後の姿だった。

 

この16年間、孫左衛門は二人の存在を消すようにして、山里でひっそりと生きてきた。

そして、可音は教養を身に付けた立派な淑女に成長した。

 

☆ネタバレ

芝居小屋で芝居を見ていたとき、大呉服商人・茶屋四郎次郎(笈田ヨシ)とその息子修一郎(山本耕史)の目に留まる。

一緒に芝居見物に来ていた寺坂吉右衛門と進藤長保もその娘を見た。

茶屋は一目惚れをした息子のために、その娘を探しを、古物商として出入りしていた孫左衛門に頼んだ。

 

可音に縁談を持ちかけると、可音は孫左衛門への恋情を表し、戸惑う孫左衛門。

 

結局は、可音は承諾し、茶屋家に嫁ぎます。

可音の存在を知り、孫左衛門の評価が卑怯者から功労者に変わって、その花嫁行列には、浅野家につながる人、大石家につながる人々の長い列ができてきました。

 

使命を終えた孫左衛門は、果たしてどういう行動を取るのかー。

 

★ネタバレのネタバレ

披露宴の席から早々に帰ってきた孫左衛門。

ゆうが、ねぎらいの夕食を準備していました。

そして、一緒に生きようと申し込みます。

 

しかし、孫左衛門の決意は固く、亡き主君の仏壇の前で、48番目の浪士として切腹してしまうのです。

吉右衛門がかけつけますが、「介錯も無用」と首をかき切って死んでしまいました。

 

そして重なる「曾根崎心中」の浄瑠璃。

私は、はたと、考え込んでしまいました。

 

誰との心中を暗示しているのか?

もし、可音との心中なら、可音も死なないといけないのか?

もしかしたら、内蔵助=忠義との心中なのかなあ?

 

どっちにしても、可音は辛い思いをするだろうなあ。

嫁ぎ先にもなじめないかも…。

私のように、心中の謎掛けだと解釈したら、自殺しかねないかも。

 

女は生きて、男は死ぬ、のかなあ?

恋人の窮地を救うために心中を持ちかけたおはつの覚悟とは、ずいぶん距離があるなあ。

 

と、混乱してしまった私です。

 

第一、可音が孫左衛門を慕う気持ちは、父親みたいなものだと思うけどなあ。

どこで、男を意識するのか?

孫左衛門と可音との純愛の設定が、そもそも私には難しいことでした。

 

純愛があるとして、可音はどうやってその感情をクリアにして、結婚に踏み切ったのでしょうか?

 

孫左衛門は男ですから、可音を手塩にかけて育てると言うことは、紫の上を育てた光源氏に通じるところがあるかもしれません。

忠義と言う名で感情に蓋をしていただけなのでしょう。

だから、忠義と心中したと言う解釈なのでしょうね。

 

それにしても、大石内蔵助の身勝手さ。

愛人とその娘のお守りを、命かけて主君の仇を討とうとする人に命じるか?

あまりに個人的なお願い、あまりに自分本位ではない?

頼む人が違うと思うけど。

 

どこまでいっても、意地悪な解釈しかできない私です。

 

だけども、片岡仁左衛門[15代目]はよかった!!

大石内蔵助の背景まで、すうっと入ってきました。

出番が少ない分、存在の大きさを感じました。

 

そして、役者さんもみんな良かったです。

役所広司さんはさすがですね。

可音を演じた桜庭ななみさん、イメージぴったりでしたね。

 

ラストが切腹でなく、可音の里の爺やとして生きるのだったら、私も清々しく見終われたんだけどなあ。

 

どんな姿でも、愛する人が生きている限り、自分も生きて見守るんだというメッセージならよかったのになあ。

 



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2 コメント

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こんばんは。 (bee)
2011-07-28 22:54:24
私も先日DVDで観ました。
マダムと同じく「なんで曽根崎心中??」ってピンとこなかったなぁ。。
それと、あんなに拒否ってた可音がなんで嫁ぐ気になったのか...よくわからなかった。
孫左衛門は忠義を貫き通したのよね~。
もしかしたら、可音を預かった時から決めてたのかも知れないね。

これを観る前に「十三人の刺客」を観たのよ。
どっちも役所さんの作品なんだけど、「十三人~」はラスト30分がさすがの私も「もうええやろ!」と思うぐらい斬りまくり!

そういうのを観た後で「最後の~」を観たから、なんて言うかシミジミした気持ちで観てました
beeさんへ (マダムよう)
2011-07-29 08:25:16
「十三人の刺客」の方が先に作られているのよね。
そんなにすごいんだね。
私も、そのうち見ようと思っていますが。

孫佐衛門はそれでいいかもしれないけど、可音の気持ちを考えたら、ちょっと複雑でした。
可音はそれでも平常心で暮らせるんだろうか?

そう思うと、少し自分勝手だなあと。

日本人としての男の考えと、私の考えは違うんだね。

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