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ー四十九日のレシピー
2013年 日本 2013年
監督=タナダユキ キャスト=永作博美(高岩百合子)石橋蓮司(熱田良平)岡田将生(ハル)二階堂ふみ(イモ)原田泰造(高岩浩之)淡路恵子(珠子)
【解説】
NHKドラマとしても放映された伊吹有喜原作の小説を、『ふがいない僕は空を見た』などのタナダユキ監督が映画化した感動作。母が亡くなりそれぞれに傷を負いながらも、四十九日までの日々を過ごす間に再生への道を歩み始める家族の姿を描き出す。主人公に、『八日目の蝉』で高い評価を得た永作博美。その父親を石橋蓮司が演じ、二階堂ふみや岡田将生ら若手俳優も共演を果たす。新旧の演技派俳優が豪華共演を果たした繊細な人間ドラマが心に響く。
【あらすじ】
熱田良平(石橋蓮司)が急に妻の乙美を亡くして2週間が過ぎたころ、派手な身なりのイモ(二階堂ふみ)が熱田家を訪問する。突然現われ、亡き妻から四十九日を無事に迎えるためのレシピを預かっていると言い彼女の存在に良平は目を白黒させる。そこへ夫(原田泰造)の不倫で、離婚届を突き付けてきた娘の百合子(永作博美)が東京から戻って来て……。(シネマトゥデイ)
【感想】
「タカダワタル的」で始めて知ったタナダユキ監督。
「ふがいない僕は空を見た」もなかなの問題作でした。
そして、この作品。
とても感動的なストーリーと、私には理解しがたいラストという複雑な感想を持ちました。
都内の高級住宅地で、夫・浩之(原田泰造)と介護が必要な義母(赤座美代子)と一緒に暮らしている主婦の百合子(永作博美)。
長年不妊で悩んでいる百合子に、浩之の愛人から「妊娠したから別れてくれ」と電話がかかった。
離婚届にサインして、百合子は家を出た。
百合子の実家では、父の良平(石橋蓮司)が妻の乙美を突然亡くし、茫然としていた。
そこへ、乙美が生前ボランティア活動をしていた更生施設出身のイモ(二階堂ふみ)が訪ねて来て、乙美の遺言だと言って、「四十九日の大宴会」の話を始めた。
良平は気が乗らないものの、イモを受け入れているところへ、百合子が帰って来た。
乙美は後妻で、百合子は乙美に心を開くことがなかった。
百合子は乙美のことを何も知らなかった自分に愕然とし、乙美の四十九日のために、乙美の年表を作ろうと、乙美の過去を探し始める。
亡くなってから思ってもなあ、と思いながら見ていましたが、人を理解しようとする姿勢は、やはりうるうるとします。
乙美の、誰に対しても親身になる人柄は本当に感動的なものでした。
それにしても、他人がこんなに乙美を評価しているのに、肝心の夫と娘に、生きている間にそれが伝わらなかったなんて、やはりさびしいなあと思いました。
いらいらするのは百合子の夫の浩之です。
愛人だけならまだしも、子供まで作って、しかも寝たきりの母は百合子に任せっぱなしなんて、私のイライラは最高点まで達しました。
最後は心を入れ替えたと言って、土下座をしていましたが、私にはこういう人物の言葉は信じられないなあ。
ただ、母の介護を押し付けたいだけじゃないのかなあ?
と、映画が終わっても疑り深い私。
子供がない女性の生き方に付いて、ネガティブに描かれていたけど、子供がいても浮気する夫は浮気するし、こんな人柄のいい乙美さんでも、懐かない百合子のような子供もいるしね。
人の心は複雑です。
血のつながりだけが絆のすべてではないし、人間関係は、すべて個人の努力の結果だと思うなあ。
どんなに努力してもうまくいかない時もあるし、そういうときも、落ち込まないことが大切です。
愛人が生む赤ちゃんと、あまり大切にされていないような愛人の子供。
百合子はどうするのかしら?
そのへんが、この作品の余韻かもしれませんね。