人生で使える知識

人生で使える知識

 

日本の古くからの言葉に、「畳の上の水練」というのがある。辞書で調べると、「畳の上でいくら水泳の練習をしても、実際に水の中で泳げるようにはならない。理論はもっともらしくても、実地の経験を積んでいないので、まるで役に立たないことのたとえ」となっていると言う意味。

 

学校で教えていることはこの様なことにならないであろうか。太田堯さんの「なぜ学校に行くのか」(岩波 1995)に、「体の中にめり込んだ知識」・「人格知」として紹介されている概念がある。これは畳の上の水練ではなく、繰り返し体験して得られる体験的知識で、人生で使える知識の概念である。

 

学校でも最近は、IT関連の教育が進み、技術的には色々習得できる。しかし、実際の人生の判断に立った時に、果たして有効な選択ができるか疑問である。学校で習った知識も、体験知とつながっているものは使えるが、単なる知識は役に立たないような気がする。

 

ドイツのシュタイナーの教育も、この様な思想に基づいている。人生の役に立つ知識を与えるために考案された教育である。日本の教育も、再検討をする時期に来ているのであろう。

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