カンボジアの技術 5 箕を編む

カンボジアの技術 5 箕を編む          2007.11.25. 金森正臣

 農家のおじさんが、納屋の中で箕を編んでいた。材料は山から切り出してきた竹を割り、細くして一度枯らしてから、湿らせて使って居る。日本に有る技術とあまり変わらない。

 日本でも、戦前には多くの人が作れたと思われるが、私の記憶にある戦後は、かなり少数の人が作っていた。母方の祖父は、器用な人で裏の竹林から竹を切り出し、細く裂いて籠や箕を編んで人様にもあげていた。そのために、私も見様見真似で竹を割ることは出来るが、箕を編んだ覚えは無い。竹を割るにはなかなかな技術が必要で、思う様に均一にはならない。大きく割る時はともかく、写真の様に細く割ってくると均一にするのに技術が居る。

 小学校の高学年の頃、村に一軒ある桶屋さんが、近くに出張して来て、風呂桶を作っていたことが有り、何日も見ていた覚えがある。風呂桶のタガは、全く違う技術があり、驚いた。割った竹を何本も組み合わせるために独特の技術が必要であったのだろう。隣の炭焼き名人のお爺さんは、無口な人でほとんど話さなかった。山にあるクマヤナギを使って、炭焼きに使う箕を編んでいた。これは目の粗いもので、窯から出した炭に灰の湿らせたものをかけて、火を消した後に、炭と灰を篩い分けるためのもので、粗さが理にかなっていた。

 現在は、この様な技術が消失し、プラスチックに置き換わっている。地球温暖化に関係するエネルギーの使い方から言っても、もう一度昔の技術を見直す必要があるであろう。利益を追求するスピードを考えるあまり、スローライフを失った時、人間性も失う様な気がする。
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市場の惣菜売り 連発9 

市場の惣菜売り 連発9               2007.11.25.金森正臣

 こちらも鍋の中は、スープや総菜。スープもナイロン袋に入れて、お持ち帰りがカンボジア流。前にあるボールに入っているのは、右端がビーフンともやしの炒め物。次は古漬けのタカナの類を刻んで、トウガラシが混ぜてある。3番目のボールは、漬物。鍋の中は何だか不明。魚の切り身とスイレンの花軸の入ったスープやココナッツミルク入りのトリのカレーなど。

 食べる時に温めるかと言うと、そんな風習は無い。ご飯も汁物も熱々なのが出されることは少ない。レストランでは、ココナッツカレーなどは作り立てで熱いこともあるが、ご飯などは結構人肌ぐらいに冷めている。暑い気候と対応しているのだろう。

 この市場では見かけなかったが、多くの場所でご飯も売っている。1斗(18リットル:古いナー)は炊けるアルミの平鍋で、多量に炊く。これで中ぐらいのお皿(シャモジ代わり)を使って、ナイロン袋に入れて売る。量は適当で秤は無い。値段は買い手との交渉。

 カンボジアでは、町場に居ると買い回ると食事が家で出来る仕組みになって居る。レストランより安く、好きな組み合わせで食べられて良い。

以上に、お腹を壊した時のカニを入れて、市場の惣菜売り、連発は10で終わり
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