果物 1 バナナ2

果物 1 バナナ2   金森正臣(2006.6.16.)

写真:市場の前の路上に並べられたバナナ。お寺の縁日には、市場の前にはお寺に寄進するフルーツや花の露天が始まる。多分お寺の縁日には、市場の前の販売権が拡張されて、早朝の一時期普段の権利をもっていない人にも認められている。この日は、3品種と思われるバナナが並んでいた。

 写真の右端の列は、モンキーバナナの大型の品種。右側から2列目の手前の2房は、モンキーバナナの小型の品種。もしかすると単に栄養状態の悪いだけかもしれないが、味も少し違い、この2タイプはどこの市場でも見られるので、かなり系統が安定しているように思われる。実際に農家でも、株によって品種が分かれているように観察されるから、別品種と思っているが不明な点もある。左側の2列は、モンキーバナナとは異なる太目のやや大きいタイプ。これが最も多くお寺に寄進されている。長持ちで、外側が黒くなり始めても中は痛んでいない。若いとやや渋みがあるが、モンキーバナナより甘味が強い。

 バナナには、色々な品種があり、どこまで系統が確立しているか分からない。しかし土地の人たちは、それぞれの用途によって使い分けており、好みが結構強い。甘いのが強い品種や酸味を含んだ品種、用途が色々ある品種や生食だけの品種など様々である。私などは、寒い地方で育ったのでリンゴの品種はよく分かるが、みかんの品種になるとあまり分からない。リンゴの品種であると、どの品種とどの品種を交配したものであるか、ある程度想像がつく。私の子どもの頃には、リンゴの基本品種は、祝、旭、紅玉、国光、インドぐらいであった(だいたい早稲から晩生に)。しかしその後にスターキングやデリシャス、ゴールデンデリシャスなどがどんどん登場した。またこれらの品種が交配されて、フジ、津軽などの品種が増加して行った。ところが、寒い地方であったからミカンになると全く木を見たことが無く、品種の基本がつかめない。愛知県の新城市でサルの調査をしていた頃、早稲や晩生が分からずに、サルがどこから食べ始めるか分からず苦労した。ある時地元の古老から教えを受けたが、やっぱり駄目だとあきらめた。バナナも同じようなところがあり、中々分からない。アフリカで調査中に、奥地でバナナを売っていたので欲しいと思ったら、トラーッカーから、それは酒を作る用のバナナだから、生食は出来ないと言われた。見た目では、区別が出来なかったのだが。

 カンボジアでは、市場で売られている単位は写真の様に1房売りである。1房30円から60円ぐらい。小さなモンキーバナナでも、20本も買ってしまうと食べきれない。最後は黒くなって捨てるしかない。食べ物を無駄にしているようで、チョット罪悪感が残る。左側の大きなバナナだと、半分も食べないうちに黒くなってくる。ミルクセーキにしたり、冷凍したりと色々工夫するが、いかんせん量が多い。普通の家庭では、この4房付いたものを1単位で買って行く。カンボジア人の常識では、4房売りが普通らしい。バイクやリアカーで売り歩いているのは、4房つきのもの。

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