金森正臣先生のカンボジアの文化・教育・食べ歩き体験記
金森先生のカンボジア日記
カンボジアの食材 19 海辺の食材 10 軟骨魚類
2006年03月20日 / 食
日本にて 金森正臣(2006.3.20.)
カンボジアの食材 19 海辺の食材 10 軟骨魚類
写真:サメやエイも食用に沢山売られている。この他にも干物にしたサメが売られていて、お土産に買って帰ったらアンモニアの臭いがして評判は芳しくなかった。エイの尾は危険なために、切断して売られているのは、日本と同じ。
カンボジアでも軟骨魚類(エイやサメ)が沢山売られている。軟骨魚類は、腎臓が未発達のため、分解したタンパク質の窒素分をアンモニアのままで体内に持っている。毒性を下げるために、沢山の水分で薄めている。このためにそのまま食べると、アンモニア臭がする。私は小さい時に長野県の奥深い山の中で育ったから、魚は古くなっていて少しアンモニア臭がするのが普通だったので、多少懐かしい。でもあまり美味くはない。
カンボジアでは、サメ肉を棒状にして干物にしたり、鍋に入れたりする。特にアンモニア抜きはしてない様に思われる。鍋に入れたものも何となくアンモニア臭がある。しかし、カンボジアの鍋の場合には、ニンニクや各種の香草が沢山入るから、それほど分からない。干物も彼らの食べ方は、焼いてから叩いて身をほぐして食べる。食べる時はだいたい冷えているから、焼いて熱いところで叩いてアンモニアがかなり抜けていると思われる。日本人は、焼いたものを熱いうちに食べるから、アンモニア臭が最もきつい。
日本での軟骨魚類の食べ方は、各種発達している。エイなどは、祭りのご馳走として煮こごりを作る地方がある。即ちエイを良く煮てゼラチン質を煮汁に出してから、冷やして固める。中にはエイの肉も固まっている。よく煮込むところでアンモニアが飛ぶし、冷やしたものを食べるので、アンモニア臭が薄くなりさして気にならない。サメの類は、蒲鉾などの練り物の材料にされている。この場合には薄く削いで水で良く洗うので、水溶性であるアンモニアは流れだし、あまり問題にならない。和歌山県の勝浦では、サメをワニと言って干物に加工してお土産物として売っている。この過程でも、サメの肉を薄い帯状にしてから、水で良く洗いアンモニア臭を抜いている。その後に塩ミリンや醤油ミリンに浸けてから干している。ほとんどアンモニア臭はなく、焼くとビールの摘みには非常に美味い。
香港のフカヒレの問屋街で見たヒレは立派なものばかりで、かなり大きなものから採集していると思われる。フカヒレは、一度乾燥してから使うからアンモニア臭の問題はない。
そもそもこの市場に立ち寄ったのは、2001年頃の臨海実習の時に雨に降られて海が荒れ、材料が入らなかったので、サメを買って解剖の教材とした。サメは脊椎動物では原始的特徴を残しているので、日本でも医学部・理学部などで良く使われる。高校の教科書に、魚や両生類、鳥類、哺乳類(ブタとヒト)の比較発生の図が載っていることがあるが、これを理解するにはサメの解剖などをしておくと役に立つ。この時には、カニとエビも買って形態の比較をした。近縁の仲間で、各部の形態変化が比較できるので分かり易い。その後は、カンボジアのスタッフが、臨海実習の時には必ず実施するメニューになった。でも泊まっているところに調理施設がないから、教材のおこぼれを茹でることが出来ない。残念!
カンボジアの食材 19 海辺の食材 10 軟骨魚類
写真:サメやエイも食用に沢山売られている。この他にも干物にしたサメが売られていて、お土産に買って帰ったらアンモニアの臭いがして評判は芳しくなかった。エイの尾は危険なために、切断して売られているのは、日本と同じ。
カンボジアでも軟骨魚類(エイやサメ)が沢山売られている。軟骨魚類は、腎臓が未発達のため、分解したタンパク質の窒素分をアンモニアのままで体内に持っている。毒性を下げるために、沢山の水分で薄めている。このためにそのまま食べると、アンモニア臭がする。私は小さい時に長野県の奥深い山の中で育ったから、魚は古くなっていて少しアンモニア臭がするのが普通だったので、多少懐かしい。でもあまり美味くはない。
カンボジアでは、サメ肉を棒状にして干物にしたり、鍋に入れたりする。特にアンモニア抜きはしてない様に思われる。鍋に入れたものも何となくアンモニア臭がある。しかし、カンボジアの鍋の場合には、ニンニクや各種の香草が沢山入るから、それほど分からない。干物も彼らの食べ方は、焼いてから叩いて身をほぐして食べる。食べる時はだいたい冷えているから、焼いて熱いところで叩いてアンモニアがかなり抜けていると思われる。日本人は、焼いたものを熱いうちに食べるから、アンモニア臭が最もきつい。
日本での軟骨魚類の食べ方は、各種発達している。エイなどは、祭りのご馳走として煮こごりを作る地方がある。即ちエイを良く煮てゼラチン質を煮汁に出してから、冷やして固める。中にはエイの肉も固まっている。よく煮込むところでアンモニアが飛ぶし、冷やしたものを食べるので、アンモニア臭が薄くなりさして気にならない。サメの類は、蒲鉾などの練り物の材料にされている。この場合には薄く削いで水で良く洗うので、水溶性であるアンモニアは流れだし、あまり問題にならない。和歌山県の勝浦では、サメをワニと言って干物に加工してお土産物として売っている。この過程でも、サメの肉を薄い帯状にしてから、水で良く洗いアンモニア臭を抜いている。その後に塩ミリンや醤油ミリンに浸けてから干している。ほとんどアンモニア臭はなく、焼くとビールの摘みには非常に美味い。
香港のフカヒレの問屋街で見たヒレは立派なものばかりで、かなり大きなものから採集していると思われる。フカヒレは、一度乾燥してから使うからアンモニア臭の問題はない。
そもそもこの市場に立ち寄ったのは、2001年頃の臨海実習の時に雨に降られて海が荒れ、材料が入らなかったので、サメを買って解剖の教材とした。サメは脊椎動物では原始的特徴を残しているので、日本でも医学部・理学部などで良く使われる。高校の教科書に、魚や両生類、鳥類、哺乳類(ブタとヒト)の比較発生の図が載っていることがあるが、これを理解するにはサメの解剖などをしておくと役に立つ。この時には、カニとエビも買って形態の比較をした。近縁の仲間で、各部の形態変化が比較できるので分かり易い。その後は、カンボジアのスタッフが、臨海実習の時には必ず実施するメニューになった。でも泊まっているところに調理施設がないから、教材のおこぼれを茹でることが出来ない。残念!
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