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★科学技術ニュース★NEDOとストリームテクノロジ、超低消費電力ストリームデータ圧縮技術のLSI実装に成功

2019-08-23 09:30:05 |    電気・電子工学

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とストリームテクノロジは、センサーやデバイスから流れ続けるデータ(ストリームデータ)を一切止めること無く、連続的にロスレス圧縮できる技術「LCA-DLT」を、大規模集積回路(LSI)に実装することに成功し、IoT向け小型コンピューター用の圧縮アクセラレーターとして、従来比1/30という超低消費電力を実現した。

 今後、ストリームテクノロジは、開発したLSIの事業化を進め、IoTデバイスとクラウド間の通信の低消費電力化、高速化を目指す。

 また、同社は、LCA-DLTを実装済のFPGAを搭載した「ストリームデータ圧縮評価キット」を開発、販売を開始した。    ICT機器の間で交換される情報は、人の動きや経済情報、映像、音声といった流れ続けるデータ(ストリームデータ)であり、一度メモリやストレージに保存してから処理するのではなく、生み出された瞬間に処理しなければならないことが特徴。今後、データ流量の大幅な削減は難しい一方で、大量に流れ続けるデータをICT機器の間で安定的に交換し続けるためには、より高速な情報の通信技術が必要になってくる。

 2018年3月、NEDOが、経済産業省およびIoT推進ラボと共催した、第5回「先進的IoTプロジェクト選考会議(IoT Lab Selection)」において、ストリームテクノロジがファイナリストに選定された。その後、NEDOとストリームテクノロジは、2018年度からIoT機器向けのデータ圧縮用大規模集積回路(LSI)をテーマとする研究開発に取り組み、ストリームデータ圧縮LSIの実装・評価と評価キットの開発を進めてきた。

 そして今般、NEDOとストリームテクノロジは、センサーやデバイスからのストリームデータを一切止めること無く、連続的にロスレス圧縮できる技術「LCA-DLT(Lowest Common Ancestor-Dynamic Lookup Table)」を、LSIに実装することに成功した。

 これによりRaspberry PiやArduinoといったIoT向け小型コンピューター用の圧縮アクセラレーターとして利用した場合、小型コンピューター搭載のプロセッサでLCA-DLTのアルゴリズムを実行した場合と比べて1/30という超低消費電力を実現した。


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