“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「バッタを倒すぜ アフリカで」(前野 ウルド 浩太郎著/光文社)

2024-05-02 10:29:37 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:バッタを倒すぜ アフリカで

著者:前野 ウルド 浩太郎

発行:光文社(光文社新書)

 アフリカで研究を始めてはや13年。ようやく極秘裏に進めていたメインの研究成果を論文発表することができ、学術的要素をふんだんに盛り込んだ本を執筆できる準備が整った。そのメインの研究とは、サバクトビバッタの繁殖行動について調査したものだ。具体的には、バッタの雌雄がいかにして出会い、結ばれ、産卵しているのか、その一連のプロセスを明らかにしたものである。研究者として、論文発表前の研究成果を公の場で書き記すことは控えるがのがしきたりのため、これまで執筆することはできなかった。(「まえがき」より) 日本、モーリタニア、アメリカ、モロッコ、フランス――世界中を飛び回ってのフィールドワークと実験は、深刻な食糧危機の原因となるバッタの大量発生を防ぐ可能性を持っていた!画期的な研究内容がいよいよベールを脱ぐ。【著者】前野 ウルド 浩太郎 昆虫学者(通称:バッタ博士)。1980年秋田県生まれ。国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(国際農研)主任研究員。秋田県立秋田中央高校卒業、弘前大学農学生命科学部卒業、茨城大学大学院農学研究科修士課程修了、神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了。博士(農学)。京都大学白眉センター特定助教を経て、現職。アフリカで大発生し、農作物を食い荒らすサバクトビバッタの防除技術の開発に従事。モーリタニアでの研究活動が認められ、現地のミドルネーム「ウルド(○○の子孫の意)」を授かる。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方<改訂第3版>」(雨宮美季、片岡玄一、橋詰卓司著/技術評論社)

2024-05-02 10:28:56 |    情報工学



<新刊情報>



書名:良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方<改訂第3版>

著者:雨宮美季、片岡玄一、橋詰卓司 

発行:技術評論社

 ウェブサービスに欠かせない「利用規約」「プライバシーポリシー」「特定商取引法に基づく表示」の3大ドキュメントがこの一冊でわかる。ウェブサービスの当事者たるエンジニア・経営者に寄り添った解説で、11年以上支持され続けてきたロングセラーを大幅にリニューアル。約50ページのボリュームアップで、最新の法令や動向に対応した。「パーソナルデータの取扱いに関する規制の変化」「AIをビジネス利用する際に気をつけるべき知的財産権の処理」「サブスクリプション・SaaSモデルへの対応」など、今どきのウェブサービスでは避けては通れない新たな論点についても解説。さらに3章では,「すぐに使えて応用できるひな形」を掲載。ひな形は購入者特典としてダウンロードもできる。
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●科学技術ニュース●産総研とソフトバンク、エッジのみ処理に比べ2倍の実効スループット達成で自動運転などへの応用に期待

2024-05-02 10:28:23 |    通信工学
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、ソフトバンクは、産業技術総合研究所(産総研)と共同で、ポスト5G時代に求められるMEC(Multi-access Edge Computingの略。インターネットのネットワークなどに置かれる計算資源)/クラウド環境を用いた分散処理システムで、遅延制約を満たすと同時に、スループットを最大化するためのアプリケーションを構成するコンポーネントの最適配置を動的に行うシステムを開発した。

 同事業のユースケースをV2X(Vehicle to Xの略。車両とさまざまなものとの間の通信や連携を行う技術)とし、その想定要件である遅延制約の目標を25ms(1ms:1000分の1秒)以下で検証を行った結果、14.8msでの処理を達成し、エッジのみで処理した場合に比べ、2倍の実効スループットを達成した。

 今回、同事業で開発したシステムのプラットフォームは、オープンなインターフェースとして、5Gデジタルサービスの開発・運用を可能にする環境の提供を想定している。

 ソフトバンクは、各領域の産業活性化やデジタルライフラインの実現に向けて一翼を担う技術として同システムを推進していく。

 そのため、同システムのプラットフォームは、オープンなインターフェースとして、5Gデジタルサービスの開発・運用が可能な環境の提供を想定している。

 今後は、学会発表での発信や、ソフトバンク5Gコンソーシアム(製造・運輸・建設・医療・スマートシティの五つの各領域の有識者や企業、5G通信機器、クラウド、エッジコンピューティング、IoTデバイスなどの5G時代を支えるサプライヤー、ソリューションパートナーが集まり、その各領域の課題などに対して具体的な解決方法を議論・検討し、オープンに実証実験(PoC)を行う組織)に参画するパートナー企業との連携も含めた5GデバイスやMECを用いた実証実験を通して、自動運転や工場のスマート化などのユースケースに関わる実用化検証を行う予定。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>
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●科学技術ニュース●「モビリティサービス協会」が発足

2024-05-02 10:27:59 |    輸送機器工学
 一般社団法人モビリティサービス協会が、4月23日に発足した。

 同協会の発起人代表には、グローバルモビリティサービス社長の中島徳至氏が就任し、「ユーザー視点に立った多様なモビリティサービスを世に送り出す」をミッションとし、モビリティ業界のアクティブなハブとなり、ユーザーが求める理想形の実現を目指す。

 具体的な活動としては、①先端情報を共有して教育の場を提供する②部会活動で議論を深掘りするなどを通し、課題の解決・社会創造に取り組む③ルール作りやその提言――の3点に取り組んでいく。

 設立趣旨として、「自動車業界を取り巻く環境の変化がある。ユーザーニーズに対応する革新的な技術とサービスの開発が求められ、さまざまなプレーヤーが業界の垣根を越えて挑戦している一方で、他国に比べてユーザー視点でのサービス開発が少し遅れている」ことを挙げている。

 協会内でさまざまな分野別の部会を設置し、安全かつ安心なモビリティサービスを提供できるガイドラインの策定、認定制度などの構築を目指すことにしている。
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