“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ウイルスはそこにいる」(宮坂昌之、定岡知彦著/講談社)

2024-05-17 09:35:59 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:ウイルスはそこにいる

著者:宮坂昌之、定岡知彦

発行:講談社(講談社現代新書)

 ヒトはウイルスと共に生きている。私たちのからだは一見きれいに見えても実はウイルスまみれだった。免疫学者とウイルス学者がタッグを組んで生命科学最大のフロンティアを一望。ウイルスはつねに悪者というわけではない。われわれの身の回りには病原性を持たないウイルスがいくらでもいる。われわれのからだの表面や気道や消化管の内腔には多くの細菌が存在して常在細菌叢を形成しているが、実はこれらの場所には多種多様なウイルスが同時に存在していて、常在ウイルス叢というものが存在する。さらに、私たちの遺伝子の中には非常に多くのウイルス由来の配列が散在している。これに加えて、ウイルスそのものまでがゲノムの中に挿入されていることがあり、その一部はなんとヒトの遺伝子として働いていることがわかってきた。つまり、ウイルスは外界からの侵入者ではなくて、一部のものはわれわれの体内に棲みついて、われわれはそれを利用しているのである。われわれのからだという「母屋」がウイルスに「軒を貸した」状態になっていて、まさに「ウイルスはそこにいる」のだ。・なぜ感染すると病気に?・ミクロの世界で繰り広げられる 驚きの攻防戦とは?・新型コロナウイルスは持続潜伏する可能性が・巧妙な仕組みで体内に潜伏する肝炎ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス・子宮頸がんウイルス、麻疹ウイルス、エイズウイルス、EBウイルスなど、体内に潜伏する病原体
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「プログラミング言語AWK<第2版>」(Alfred V. Aho他著/オライリージャパン)

2024-05-17 09:35:32 |    情報工学



<新刊情報>



書名:プログラミング言語AWK<第2版>

著者:Alfred V. Aho、Brian W. Kernighan、Peter J. Weinberger

訳者:千住治郎

発行:オライリージャパン

発売:オーム社 

 「AWK」という名前は開発者の頭文字Aho、Weinberger、Kernighanから来たもので、長い歴史を持つ、テキスト処理用のスクリプト言語。Unix・Linuxにはデフォルトでインストールされており、多くの人に利用され、愛され続けている。改訂に伴い、計算/集計、データ分析といった話題の追加、CSV入力、Unicode対応など、時代に即したアップデートが行われている。【目次】1章 Awkチュートリアル 2章 Awkの実践例 3章 探索的データ分析 4章 データ処理 5章 レポートとデータベース 6章 テキスト処理 7章 専用言語 8章 アルゴリズムの実験 9章 あとがき 付録A Awkリファレンスマニュアル
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●国立極地研究所とNICT、太陽風の観測値からオーロラの広がりや電流の強さを瞬時に予測可能なエミュレーを開発

2024-05-17 09:35:08 |    宇宙・地球
 国立極地研究所の片岡龍峰准教授、情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)の中溝葵主任研究員、統計数理研究所の中野慎也教授、藤田茂特任教授の研究グループは、南北両半球のオーロラの広がりや電流の強さを瞬時に予測する新しい手法を開発した。

 オーロラの輪を再現する物理シミュレーション結果の膨大な計算データを用い、物理シミュレーション結果を模倣する機械学習エミュレータSMRAI2(サムライ2)を開発することで、オリジナルの物理シミュレーションの約100万倍の高速化に成功し、これまで30日かかっていたものを数秒で出力できるようになった。

 高速なエミュレータを用いることで多数のシナリオを生成することができ、それに基づく現況分析や確率的な予測など、高度な宇宙天気予報への発展が期待できる。

 同研究では、NICTが宇宙天気予報の一環として運用しているオーロラ電流系の物理シミュレーションREPPU改良版で計算された、数年分の入出力データを機械学習の学習データとした。

 Echo State Network(ESN)という時系列機械学習モデルを訓練することで、REPPU改良版のオーロラ電流系の計算結果を高度に再現するエミュレータSMRAI2(サムライ2)を開発した。

 SMRAI2は、任意の太陽風時系列データを入力として与えることで、南北両半球のオーロラオーバルの広がり、その時間変化、オーロラ電流の強さを表すAE指数などを瞬時に出力できる。

 オリジナルの物理シミュレーションREPPUと良く似た計算結果を得るために、約100万倍の高速化に成功し、これまで30日かかっていたものを数秒で出力できることが、SMRAI2の最大のメリット。

 SMRAI2のパフォーマンスを示す例として、例えば、人為的に作成した太陽風を一定時間与え続けることで、太陽風に対応して規則的に変化するオーロラの電流系パターンが、ほぼ完全に再現されることは、従来の経験モデルの上位互換であることを意味する。

 また、実際に観測された複雑に変化する太陽風を与えることで、非常に複雑なオーロラジェット電流の時間変化も再現される。

 今後、SMRAI2のメリットである高速性を活かして、わずかに異なる様々な太陽風データの入力によって結果にどれほどばらつきがでるのか、という評価をリアルタイムで行うアンサンブル予測や、リアルタイム観測データとエミュレータの結果をデータ同化手法によって補正を行うことで現実により近い予測を選び出すなど、高度な宇宙天気予報の発展が期待できる。<情報通信研究機構(NICT)>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●三菱重工、千代田化工とCO2回収技術ライセンス供与に関する協業契約を締結

2024-05-17 09:34:15 |    ★炭素ニュース★
 三菱重工業はこのほど、千代田化工建設とCO2回収技術の包括ライセンス契約を締結した。

 これは、国内向けCO2回収プロジェクトを対象に、同社が関西電力と共同開発したCO2回収技術である「KM CDR Process」および「Advanced KM CDR Process」のライセンスを供与するため、戦略的な協業契約を行うもの。

 同協業は、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)の需要拡大が見込まれる国内市場において、CO2回収プラントのEPC(設計・調達・建設)対応力を強化することが目的。

 千代田化工は、総合エンジニアリング企業として幅広い分野でプラントのEPCを手掛け、液化設備や圧入設備といったCCUSには欠かせない周辺インフラの取りまとめを含む豊富な実績と高いエンジニアリング力を有している。

 提携を通じて両社の強みを生かすことで、幅広い産業分野の脱炭素化ニーズへの貢献を図る。

 同社は、世界各国の多様な企業とのパートナリングによって、CCUSビジネスにおける地域カバレッジの拡大と各地域での対応力強化を図っている。

 同協業はその取り組みの一環であり、国内市場においては当社がEPCを手掛けることに加え、プロジェクトパートナーを獲得することで数多くのプロジェクト遂行を可能にしていく。

 同社は、今後も戦略的なプロジェクトパートナー獲得により、グローバルレベルでCCUS市場創出をリードしていく。<三菱重工業>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする