“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「教養としての西洋建築」(国広ジョージ著/祥伝社)

2024-05-14 09:37:53 |    建築・土木



<新刊情報>



書名:教養としての西洋建築

著者:国広ジョージ

発行:祥伝社

 世界70カ国を訪れ、世界で建築文化を講義している著者による、現代建築までの「建築の読み方」。建築文化に造詣の深い著者による、ビジネスパーソンの教養としての西洋建築史。現在の日本、世界を理解するために。いつもの街並みもこの1冊で見方が変わる。【著者のことば】なぜ、私たちに「建築」という教養が必要なのか。建築という教養が広まれば、大きな権力や資金力を持つ人たちも、低レベルな意思決定はできません。おかしな建物をつくれば、世間から批判を受け、「無教養な指導者」として軽蔑されるでしょう。みんなが納得する公共建築やオフィスビルなどを建設するには、彼らも建築への理解を深める必要があります。専門家だけでなく、一般の人々が建築を「教養」として身につけ、建築の良し悪しを語り合えるような社会にしたい。それを願って、僕はこの本を書きました。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「入門 継続的デリバリー」(Christie Wilson著/オライリージャパン)

2024-05-14 09:37:10 |    情報工学



<新刊情報>



書名:入門 継続的デリバリー~テストからリリースまでを安全に自動化するソフトウェアデリバリーのプロセス~

著者:Christie Wilson

序文:Jez Humble、Eric Brewer

監訳:渡辺 光一

訳者:井上 渉、庄司 祐馬、遠山 雄二

発行:オライリージャパン

発売:オーム社 

 継続的デリバリーとは、コード変更を必要に応じて迅速かつ安全に、継続的にリリースできるようにするための開発手法。同書は、初めて継続的デリバリーに取り組む読者向けに、必要な知識とベストプラクティスをていねいに紹介する入門書。基本的な概念や技術、アプローチの解説はもとより、章ごとに事例を使用しながら、継続的デリバリーを実践する際に直面するさまざまなシナリオを取り上げ、その全体像・世界観を包括的に理解することができる。
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●科学技術ニュース●NICT、国際宇宙ステーションと地上間での秘密鍵共有と高秘匿通信に成功し衛星量子暗号通信の実用化に期待

2024-05-14 09:36:39 |    通信工学
 情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)、東京大学大学院工学系研究科(研究科長: 加藤 泰浩)、ソニーコンピュータサイエンス研究所、次世代宇宙システム技術研究組合及びスカパーJSATは、低軌道上の国際宇宙ステーション(ISS)から地上の可搬型光地上局への光通信により、1回の上空通過で100万ビット以上の秘密鍵を共有し、ISSと地上局とでの情報理論的に安全な通信の実証に成功した。

 同通信実証の成功により、低軌道衛星からの光通信による高速かつ高い安全性を持つ暗号鍵を任意の地上局と共有する技術的な見通しが立った。

 同技術が実用化されれば、原理的に地球上のどこでも安全な暗号鍵の共有ができ、通信で漏えいを防ぐことができるため、国家安全保障や外交の分野において不可欠な重要情報の高秘匿通信が可能になる。

 今後、同技術の開発を更に進め、機密情報を扱うユーザ向けの衛星量子暗号システムの社会実装を目指す。

 今回の実験で同研究開発チームは、低軌道高秘匿光通信装置(SeCRETSシークレッツ)を開発し、ISSの日本実験棟きぼう船外実験プラットフォームに搭載した。

 このSeCRETSから10GHzクロックで乱数データ(鍵データ)を変調した信号光を地上に向けて発射し、NICT本部(東京都小金井市)に設置した可搬型光地上局の直径35cm反射型望遠鏡で信号光を受信することができた(なお、可搬型光地上局及びそこから25m離れた直径1.5m地上固定局望遠鏡で光信号とビーコン光の光強度を測定し、地上での光ビームの広がり具合を推定している)。

 そして、信号の盗聴者への情報漏えい量を無限小とするため、この受信した乱数データをISSと地上局の間で鍵蒸留処理をすることで、1回の上空通過で100万ビット以上の安全な暗号鍵の生成に成功した。

 さらに、この蒸留処理した暗号鍵を用いて軌道上にある写真データをワンタイムパッド暗号化してISSからの電波による通信を通じて地上に送信し、復号することでこの写真データを取得することにも成功した。

 同プロジェクトで行った実証研究では、光送信を行う範囲をセキュリティの確保された受信局周辺の区域に限る方式(物理レイヤ暗号)を用いて行った。今後はここで得られた結果の検証を進めることで、暗号装置に組み込む機器等の開発を更に進め、衛星搭載用の量子鍵配送装置の製作を加速させる。また、量子鍵配送実証に好適な電力系や姿勢制御系を備えた衛星バスシステムの開発を視野に入れた研究・開発を加速させ、実用化への足掛かりとする。さらに、ISS-可搬型光地上局での実験デモを更に進め、わが国独自の衛星量子暗号を実現するための基本データ収集を実施する予定。<情報通信研究機構(NICT)>
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●科学技術ニュース●ザインエレクトロニクス、NICTと広島大学、世界初のミックスドシグナルベースバンド復調回路による20Gb/s QPSK無線伝送技術を開発  

2024-05-14 09:36:08 |    通信工学
 ザインエレクトロニクス、NICT、広島大学は共同で、総務省研究開発プロジェクトの一環で、世界初のミックスドシグナル広帯域ベースバンド回路による毎秒20ギガビットの超高速情報伝送を実現した。

 無線通信に用いられるベースバンド復調回路は、通常、高速・高分解能ADCと大規模DSPで構成されている。従来の構成を用いて数十Gb/sを超える高速な通信を行う場合、ADCとDSPへの要求性能が高くなり電力効率が悪化する。

 今回、ミックスドシグナル技術を用いて高速・低分解能ADCと小規模DSPからなる世界初のベースバンド復調回路を開発した。これにより数十Gb/sを超える超高速通信を実現しながらも、電力効率が改善することで大幅な電力削減が見込まれれる。

 ザインエレクトロニクスは、設計・測定全般を、広島大学大学院先進理工系科学研究科の藤島実教授らは、設計・測定についての議論を、NICTは、測定についての議論や測定補助をそれぞれ担当した。

 この半導体回路は、キャリア周波数をシンボル・キャリア周波数の整数倍にすることで回路を簡素化することができる。

 キャリア、タイミングとデータ復元機能を統合する独自の回路構成 (ミックスドシグナルコスタス・ループ)を用いることで超高速情報伝送を実現した。

 高速・低解像度ADCは8相タイムインターリーブ(回路全体で出力を8倍速化)毎秒40ギガサンプルの3bit ADCを実装し、これにFPGAを用いてデータを復元することで実現した。

 今回の研究成果により、ミックスドシグナル型アーキテクチャを通じて、より高性能でありながらも、エネルギー効率にも優れた回路実装への道を拓くものとなった。

 総務省では、新たな電波利用ニーズの拡大に対応するため、周波数のひっ迫状況を緩和し、電波の有効利用を目的とした電波資源拡大のための研究開発を行い、超大容量無線通信を実現可能とし、新たな周波数帯の利用を促進することにより電波資源の拡大に資することを目標としている。<情報通信研究機構(NICT)>
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